気が付くと、あれだけけたたましく鳴いていた蝉達がいなくなり、代わりに夕暮れから虫たちの合唱会が始まっている。

季節は確実に秋へと移っている。

コオロギは、食べる物でなく、その歌を楽しむ存在である!!!

 

とは言っても東京は連日の30℃越えである。

 

先日、Harley仲間のカズちんとビーナスラインへツーリングへ行ってきた。

 

私は出発5時だと言ったら「俺が独りでビーナスラインへ行ったときは、3時起きの4時出発だったから、今回も4時出発だ」と宣った。

 

前日、目覚まし時計を3時にセットして寝たが、丁度夢を見ているときに起こされたが、夢の内容は覚えていない・・・

 

新青梅街道沿いのコンビニで待ち合わせをしたが、4時出発なのに、カズちんから「今、ファミマ」というラインが3時40分に届いた・・・

私も急いでガレージからBMWを出して、ファミマに向かったが、流石に3時台だと車が殆どいないので、数分で到着した。

 

行きは中央自動車道で帰りは上信越自動車道から関越自動車道とルートを決めたので、一路調布ICを目指した。

新青梅街道から伏見通りを南下して東八道にでるのだが、兎に角あっと言う間に調布ICであった。

 

朝4時だと気温は26℃であったが、一応Tシャツの上にメッシュジャケットという夏用の装備で、寒かったらレインギア着用と算段していた。

最初の休憩地である談合坂SAに着いたのは4時40分頃であった。

中央自動車道は八王子を過ぎると一気に高度を上げていき、小仏トンネルを過ぎ相模湖から談合坂SAまで更に高度を上げるが、笹子トンネルを過ぎると一旦、甲府盆地へ高度を下げるが、双葉SAを過ぎると八ヶ岳付近で中央自動車道最高標高1015mとなり、諏訪湖へ向けて緩やかに下っていく。

そう、涼しいのである!!!

 

談合坂SAで漸く夜明け近かったのだ。

"やうやう白くなりゆく山際いとをかし"を実感した。

 

次の休憩地は八ヶ岳PAであったが、ここで軽めの朝食をとった。

暖かいかき揚げ蕎麦であったが、何せ寒かったので、温かい蕎麦が食べたかったのだ。

気温18℃であった。

八ヶ岳のお出迎えであったが、カズちんが、今回のツーリングの快適さは、偏に「俺様の3時起床の4時出発のおかげだ」とうるさかった!!!

確かに、4時出発と5時出発の1時間の差は、実はそれ以上の差であり、車の数が違うので激混み箇所も恙無く抜けられるのである。

因みに5時出発と5時15分出発のこの15分の差も大きいのである!!!

東名高速道路用賀ICへ向かう場合、新青梅街道から環状8号線で行くのであるが、5時ならば15分掛からずに用賀ICへ行けるが、5時15分ならば軽い渋滞に当たってしまうのだ・・・

 

ナビ様通りに高速を降りたのだが、諏訪南ICから原村を掠めて国道152号線に合流するが、ここでまたまたカズちんが「前回はこんな道通っていないな〜」と始まった。

奴はおそらく諏訪ICから行ったと思うが、覚えている記憶が「なんか、森の中を走ったような〜」おいおい、高原へ行ったら基本森の中だろう!!!!なのだ。

 

ここで田舎者の洗礼を受けた。

田舎者の運転は、どうも畑を運転しているつもりなのか、道路交通法ガン無視傾向にある。

特に"止まれ"を止まらないのだ!!!

この日のバカ女も、側道からノンストップで国道へそれも私の前に入ってきた!!!

パッシングしてから追い抜きざまに「止まれは止まれ!!!」と怒鳴りつけた。

滋賀県も、富山県も福井県の田舎者も止まらない!!!

老人だけに免許返納を言うのでなく、こういった基本のキが出来ないバカ共を早く免許取り消しにしてほしいものである。

田舎の道路交通法は、東京と違うのか?と思うほどである!!!

 

さて、国道152号線を綴れ織りに登っていくと、白樺湖へ出るのだが、更に登って行き、大門峠を左折すると県道40号"ビーナスライン"となるのだ。

この時点で7:21であった・・・

気温19℃

余りにも早すぎたため、店がオープンしておらずトイレも使えない状態であった為、先の霧ヶ峰ドライブインへ向かった。

「今日、Bike少ない?」とカズちんが問いかけるが、「通常皆で走る場合は今頃集合じゃない?」と返すと「そうだな、チャプターツーリングの時も8時集合の8時半出発だったな〜」と納得したが、この朝、私は同じ会話を3回はした・・・

 

「アモーレの鐘に行くんだよね?」とカズちんが尋ねるので「これから美ヶ原高原を目指すよ」と応えた。

 

カズちんは私より10歳年上なのだが、やらかす奴で先ずは道を覚えないし、意外と俺はOUTDOOR派という割には根性が無いし、プラモデルとエアガンが趣味で、通常の服装は米兵の迷彩が多いので、良く警察官から職務質問を受けるらしい・・・

そんな根性無しが、一昨年独りでビーナスラインへ行くと言い出したので、友人等と賭けをしたが、賭けが成立しなかったのだ!!!

そう、彼の性格を知ったら、皆「行かない方へ、ランチ一食」とか「行かない方へ、生ビール一杯」となるで、結果、賭けが流れたのであるが、なんと皆の期待を裏切り、カズちんは男を見せたのだ!!!

 

霧ヶ峰ドライブインで休憩した後、我々は一気に美ヶ原高原へ向かってビーナスラインを進んだ。

和田峠、扉峠を抜けてタイトなワインディングと綴れ織りの道を進み、目的地である道の駅美ヶ原高原へ着いた!!!

この眺めから9時の方角に松本市がある。

 

この眺めを見た後、取りあえずトイレを探しながら歩いていると、カズちんが「しかし、この道、ハーレーで来る道じゃないよな〜 何だよ、あの急カープの連続さ・・・」

「エッ!?、前回来た時、通ったろ?」と私が尋ねると「デヘ、実はさ、一人で来たときはここに来なかったから、今日が初めて・・・」とまさかのちゃぶ台返し!!!

「ビーナスラインへ行ったら、ここは来るよな!!」

飲んだ珈琲が鼻を通り越して目から吹き出るかと思うぐらいの衝撃告白であった!!!

「おいおい、ビックモーターかよ〜」

どうも、恥ずかしくて言えなかったようである。

私も大人なので、これ以上の突っ込みはしなかったが・・・

 

その後「俺も美大出なんだから、美ヶ原高原美術館見ないといけないよな〜」と言ったが、ハッキリ言って、ここに来るなら箱根彫刻の森美術館の方が良いよと言ってあげたが、カズちんの雰囲気から美大でも鼻から蕎麦が出る位の笑劇い衝撃であるが・・・

美大卒業後には、イラストレーターの様な仕事をしていたと言っていたが、ある日、"俺は絵を描くことが好きじゃない"と気づいて絵の仕事を辞めたらしい・・・

 

そして、9時に帰路についた。

美ヶ原高原を後にして、佐久平を目指したが、ここで燃費の悪いHarleyのカズちん号の燃料がままならいとインカムで言ってきた。

ここで「俺は真面なBike乗りだから"H"のようにはならい」がまあ合い言葉である。

Hとは、Harley仲間のH氏で彼は既にHarleyを降りているが、彼は生保にいたせいか、兎に角数字にうるさく、何でも計算通りが好きな人で、北海道ツーリングに行った折、メンバーの一人がガソリンを入れるとなった。

私はまだ半分あったが、取りあえず給油をしたが、その時に「Hさんは入れないの?」という私の問いに、彼は懐から手帳を出し、未だ保つから入れないと燃費計算表を見ながら言った。

他の2名も半分あるからといって給油しなかったが、ここで先頭を走っていた奴が道を間違えて、そのまま60㎞走ってから気が付いた。

北海道ツーリングの鉄則は、メンバーの一人が給油したらこちらも一応給油するである。

都市間がそれなりに距離があり、途中が大自然のため、ガソリンスタンドやコンビニもない、携帯も通じない場所がざらにある。

更に、店の閉まる時間が東京より早いのである。

 

来た道を戻ったが、3台とも途中でガス欠となった・・・

漆黒の闇の中で・・・

ホテルまでのガソリンは、こちらの分を分けて何とか辿り着いたが、Hらはホテルにとんでもない事を言っていた。

ホテルの車のガソリンを分けろとか・・・

最終的にはHOG(Harleyオナーズグループという組織)のSOSを使ってガソリンスタンドから取りあえず一人10㍑を届けて貰ったが、その費用はリッター千円を超えたと嘆いていた。

だから、給油はまめにと言った私が正しかった。

その他にもH氏は中央自動車道河口湖線でもガス欠をやっている。

ガス欠するくせに、小型ポンプ保っていて、万が一の場合、他車からガソリンを貰えると豪語していたが、問題はポンプ保つより、給油しろ!!!なのである。

 

私のBMWは残量で380㎞走れると示していたので、自宅まで余裕で帰れるのだ。

 

この日の朝、高速道路に乗る前にガソリンスタンドで給油したのだが、何とハイオク200円超えであった!!!!

 

二台のバイクは、下界へ向けて徐々に高度を落としていったが、それと同時に気温が19℃から24℃、そして佐久平で30℃を超えた・・・

地獄であった・・・

 

途中、横川SAで休憩し、土産の荻野屋の釜飯を買ったのだが、カズちんは暑いから傷むかも・・・という理由で買わなかったようだ。

私のBMWは最新兵器のBMWGSアルミケース専用の保冷バックを購入したので、その性能を試していたのだ。

結果は、500mmペットボトルのお茶3本を持っていったが、冷え冷えであったので、この保冷バックに買った釜飯を入れて帰った・・・

その時、カズちんはSAのガソリンスタンドで給油をしたらしいが、値段を見てビックリ!!!

ハイオク211円であった・・・

カズちんは、高い店で満タンにする必要は無いから取りあえず10㍑を給油したらしい。

それで、休憩時にHarleyの燃費を私に訊いた訳だ・・・

私のロードキングで約リッター15㎞であるが、カズちんのTRならば13㎞ぐらいであろうか・・・

まあ、タンクが空で無いのならば、10㍑の給油で確実に帰宅出来るはずである。

 

所沢付近で結構な雨に降られたが、その先の空が青かったので、レインギアを着ずに走り続けたが、濡れた服もその後の熱波であっと言う間に乾いた・・・

練馬の気温は34℃であった。

 

12時半に無事に帰宅したが、429㎞の旅は楽しかった。

因みに、身体の疲れを取る一番の方法は、脳に非日常の景色を見せることだという。

疲労感は、脳が判断しているので、身体的に疲労を除去しても脳がリセットされないとダメだという。

その意味では、十二分に脳がリラックス出来た素敵な日であった。