正月早々、友人からTVがつまらないという嘆きのLINEが来たので、"銀河英雄伝説"なら暇つぶしになるよ〜と教えて上げた。

私が最初に、銀河英雄伝説を知ったのは、38年前の20歳の頃であった・・・

最近は、リメイク版も出ていて、メカ等が凄くなっていて面白いのだが、今観直してみると、変だ!!!に気が付く。

 

この回は、皆さんが"銀河英雄伝説"を知っているという前提で進んでいきますので、知らない人で興味があるのならば、Hulu若しくはAmazon Prime Videoで観ることをお薦めする。

 

主人公のラインハルト・フォーン・ミューゼルは、貧乏貴族の出てあり、隣人の平民の子ジークフリード・キルヒアイスと仲良くなり、そこに美少女のラインハルトの姉のアンネローゼが加わり、楽しい子供時代を送るのであったが、ある日、15歳のアンネローゼは、銀河帝国皇帝に献上されその寵愛を一身に受ける身となり、グリューネワルト伯爵夫人の称号を貰っており、ラインハルト自身も寵妃の弟ということで何かと目を掛けて貰っていた。

 

ラインハルトは、門閥貴族(爵位を持つ大貴族)を毛嫌いしている。

今の地位を自らの手で手に入れた訳でないのに、のうのうと暮らし、威張っているというのだが、それを言うならお前も依怙贔屓どころでなく、有り得ない出世をしているだろ?と言いたい。

だって、16歳で帝国軍の幼年学校を卒業して20歳で帝国元帥である!!!!

自分の異例の出世はさておき、他人を批判するのは若さ故の過ちか、世間知らずなのか?と言いたい。

 

私は、自由惑星同盟のヤン・ウェンリーが大嫌いである!!!

何時も斜から世の中を批判しておいて、自らは傍観者の立場を取り、何かとやって来ては美味しい所を浚っていくタイプ!!!

これって、嫌われ者の典型である。

北斗の拳で言う所のケンシロウである。

ケンシロウは、行った先々で困っている人を救うのだが、最終的に兄弟子のラ王とぶつかり、それを倒してしまう・・・

おいおい、ラ王は混沌とした終末世界を力でねじ伏せて、力なきか弱い人々を救おうとしていたのに、何やってんだ!!!

ラ王を倒したら、お前が纏めろ!!!である。

 

詰まり、ケンシロウもヤン・ウェンリーもテロリストなのだ。

 

大坂の陣で、大阪方は"徳川家康を殺す"を掲げるが、もし家康公を殺していたら、折角戦国の世が終わりかけているのに、またまた混沌の世界に逆戻りにすることである。

 

話を戻すと、銀河英雄伝説の作家は実は政治も経済も理解していないことが分かってしまう・・・

「帝国の財政赤字は、旧門閥貴族の資産を没収することで解決だ」的なことをラインハルトが言っていたが、おいおい、宇宙に国が3つしかなく、その勢力図で言えば、帝国6:同盟3:フェザーン1位の差があるのだから、帝国に財政赤字は存在しないだろう?

これは、現代の日本でも殆どの人が騙されているから、作家を責めるのは酷であるとおもうが、全ての産業が国内で完結しているのであるから、政府に財政破綻は有り得ないのだ。

何故?

通貨発行権があるからである。

更に、西暦で言えば今から1000年以上未来の話であるから、電子マネー化が進んでいるはずだし、もし懐古主義で硬貨やお札を使うにしても、帝国政府がガンガン札を発行すれば済む話である。

江戸時代と同じである!!!

今から約327年前の元禄9年4月11日に萩原近江守重秀が、勘定奉行に就任した。

彼は、デフレであった元禄時代に、大々的な貨幣改鋳を行い、未曾有の元禄バブルを創成した男である。

この時代、小判は金が使われていて、世の中の常識は、「貨幣は金の含有量によってその価値が決まる」であったが、萩原は言った。

「何をバカなことを言っているのか?貨幣とは金の値段でなく、誰が発行したかが重要なのだ。公儀が発行すれば瓦礫で1両を作っても問題ない」と言ってのけた。

彼が120%正しかったことを我々現代人は身をもってしている!!!

何故なら、皆さんの大好きな10000円券だが、これは単に紙切れであり、単価は14円であるが、その紙が10000円の価値があるではないか!!!

正に、現代の経済学者よりも経済を知っていた男が、萩原重秀である!!!

 

詰まり、銀河帝国もガンガン通貨を発行すれば問題解決なのだが、まあ旧勢力から没収した資産を運用すること自体は間違っていないのだが・・・

 

そして、一番怖ろしいのが、皇帝親政政治である。

歴史では此は良いことと推している。

ルイ14世もマザランの死後親政を行うが、これが独裁なのだ。

専制君主制が独裁政治なのでなく、親政が独裁政治なのである!!!

 

国史を見れば、我々のご先祖は頭が良かったのだ!!!

何故か?

それは、権威と権力を切り離したのである。

古来より天子は権力を持たなかった。

権力者は天子様より統治権を貸与され、天子様の大御宝である民を幸せに治めてきたのだ。

天下布武で日本中を震え上がらせた織田信長公も、御所に参内すれば、天子様の前で深々と頭を下げたのだ。

徳川家康公も同じく、頭を深々と下げた。

これは、権力者と権威者を切り離した結果、日本国が2000年以上続いたのである。

私の友人に言わせると、ブルボン王家で言う王の寵妃制度なのだという。

王には寵妃がいて、所謂妾であるが、これが権力を持つのだが、民は国王を恨むのでなく、"全ての悪行は寵妃だ"となる構造であるという。

マリーアントワネットがダメだったのは、夫のルイ16世が寵妃を持たなかった事になるというのだ。

もし、ルイ16世に寵妃がいたら、全ての悪の現況は寵妃となり、寵妃は一身に民の恨みを引き受けたのだという・・・

 

日本は、朝廷が権力を武家に渡したので、全ての悪行は幕府となり、幕府が入れ替わることによって国が続いてきたのだ。

 

歴史を理解していない似非インテリは、「徳川将軍はお飾りだ」と、バカ丸出し発言をするのだが、本当にバカなのでここで説明する気も失せるのだが敢えて説明としよう。

 

権力には3権あることは、学校で習ったと思うが、行政権、立法権、司法権でこれを三権と呼び、三権分立を建前としているが、この腐った日本政府は、三権分立していなのだが・・・

それは別の機会に書くとして、江戸時代、徳川宗家は、三権を独りで持っていたのだ。

それは神にも等しい権力であるから、自身は使わずに、家臣に分けたのだ。

老中、若年寄は合議制で、話し合って決めていた。

今で言う閣議である。

此により、広く多くに人々の意見で国が動いていたのだ。

上様の口から発した事は、例え間違っていてもそれで国が動いてしまうのだ。

まあ、分かりやすく言えば、忠臣蔵事件だが、あれは綱吉公が「本人が意趣遺恨だといっているのだから、浅野内匠頭切腹で赤穂藩は取りつぶしじゃ!!!」と言ってしまったことに端を発したのだ。

もし、柳沢吉保なり、大目付や、老中に「事の次第を調べて厳しく処罰せよ」と命じていたら、赤穂浪士の討ち入りは無かったのだ・・・

何故なら、調べれば浅野内匠頭は気鬱であって、発作的に切りつけてしまったことが分かったからである。

そうなると、"乱心"となり、浅野内匠頭の切腹は変わらないが、赤穂藩改易は無かった筈だ。

まあ、減俸にはなったと思うが・・・

それでも藩が残れば討ち入りする必要がないのである。

何故減俸か?というと、大石内蔵助の責任が重大であったからだ。

殿様が気鬱ならば、広島の浅野本家と話し合い、内匠頭を押し込めるなり、隠居させるなどするのが、国家老の仕事であったのにも拘わらず、そのままにしていたからそれは藩の罪なのだ。

詰まり、上様が「意趣遺恨と本人が言っているから!!!」との仰せならば、家臣は否は言えないのだ!!!

これが、親政の恐ろしさであるから、日本では敢えて上様は親政をしなかったのだ。

それが正しい政の姿である。

 

ラインハルトは、自らが皇帝とり、ゴールデンバーム王朝を倒してローエングラム王朝を開いたが、親政をしたとなっている。

そもそも、宇宙のちんまい事まで自分自身で決められるか?

だから、組織を作ってそれぞれに権力を貸与して国を治めるのが正しい姿なのに・・・分かっていない!!!

 

更に、「力なき統治者は、倒されて当然」と公言しているが、おいおい、民の立場を考えれば、毎回政府が変わり、法律が変わることがどれ程ストレスになるのか分かっているのか???と言いたい。

皇帝が無能でも機能する政治形態が正しいのである。

 

と思いながらアニメを観ていると、疲れてしまう・・・

どうも、私は映画等に感情移入してしまう質であるらしい。

 

さて、今日はどんな映画を観ようか?そう思っているのが楽しいのかも知れない。