人間とは複雑な生き物である。
昨今"AI"と騒いでいるが、人工知能とは一体何処まで進んでいるのであろう?
科学的に言えば、人工知能(AI)も詐欺的な呼び方であって、補助金が付くから一応AIと言っているだけで、中身はAIにはほど遠いのが現状だという。
何が違うのか?
現段階での人工知能とは、全てプログラムの結果であり、電子計算機(コンピュータの昭和的呼称)が自分自身で考えているのとは違うという。
"ドラえもん"や"キカイダーの二郎"のように、自己で悩み苦しみ解決策を模索する所謂感情を持つまで行けば、本当の人工知能と言えるらしい。
人間にはやっかいな感情があって、"敢えての×××"的な考え方がある。
これを使えば便利なのだが、敢えて不便なの方を選ぶ。
何故か?
格好いい!!!という感じである。
例えば、航空機だが、レシプロエンジン(車のようにピストンで動くエンジン)の飛行機で、双発の場合、左右の羽にエンジンが付いている。
プロペラの力で飛んでいるのだが、ジェットエンジンはこのプロペラがエンジン内に収納した感じである。
プロペラは反時計回り(コクピットから見て)に回転している為、一番力があるのはプロペラが9時の方向詰まり左側に来たときである。
だから機体は何もしなければ左方向に進んでいるのである。
しかし、新しく開発された機体は、左エンジンは時計回りで、右エンジンが反時計回りにブレードを回り互いの力を打ち消すように作られている。
私的にはそちらの方が良いのだが、多くのパイロットに言わせれば、「軟弱」だそうだ!!!
"じゃじゃ馬を操縦してこその醍醐味"というのだ。
だから、訓練で、左エンジン停止と右エンジン停止とでは、難易度がまったく違うのである。
左エンジンが停止した場合は、右翼に機体を乗せるイメージなのだが、プロペラの一番力が掛かる位置が機体の直ぐ脇なので操縦が容易いが、右エンジン停止になると左プロペラの一番力がある一が機体より遠いために、左翼に機体を乗せる場合左に機体を傾かせるのである。
わざわざやっかいな操縦方法を採る方が、男気的な考え方って人間特有な気がして何故か笑えてしまう。
オートバイも同じで、今回何故BMWのバイクで北海道ツーリングに行ったのか?を考えると、Harleyで行くより楽だからであった。
快適なツーリングであった。
帰宅してHarleyを見ると、何故か不思議な感覚を覚えた。
此奴で旅に出たくなったのである・・・
そこで考えたのが、野麦峠リベンジであった。
イシュタール号(Harley)を買ったばかりの時に、野麦峠へ向かったが前ブレーキの故障により、レッカー!!!
レッカー車の運転手さんが「あれ?これ新車ですよね〜 故障と訊いたから旧車Harleyかと思いました」と言われた・・・
壊れるがHarleyなのである!!!
USAで訊いた話だが、イタリア系アメリカ人は、やはり自国の車を買うのであるが、マセラッティやフェラーリを買った場合、買って3ヶ月で故障しなかった場合「あれ?これ本当にフェラーリ?HONDAを買ったのか?」と思ってエンジンを見るという・・・
壊れる、不具合が多いのもひっくるめての魅力であるという。
野麦峠リベンジ計画は、土砂崩れの為に、岐阜県側が通行止めだというのだ・・・
野麦峠お助け小屋(映画あゝ野麦峠で大竹しのぶが死んだ場所)も営業を止めてしまった・・・
こうして野麦峠リベンジを断念したが、一度火が付いた旅への想いは諦めきれずに、平湯温泉から飛騨高山、下呂温泉、中津川、元善光寺ツーリングへと計画を変えたのだ。
梅雨が明けたら行こうと思っていたら、先日の猛暑で「本当に行くのか?」と弱気へ振れた。
Harleyは兎に角熱い!!!
1800cc位のエンジン、しかも空冷である。
走っていればまだしも、炎天下の渋滞に填まったら最悪である!!!
それでも、マフラーを交換しているため、コンピュータを書き換えてあるからまだイケる。
排ガス規制で何をするかというと、燃料の濃度を下げて排ガス規制をクリアしている。
燃料の濃度を下げると、着火時の温度が高くなり、結果エンジンがより熱くなるのだが、燃調を濃くするとその分ガソリンは使うが低い温度で着火するためにエンジンが熱くならない(燃調の薄いノーマルより)のである。
もしBMWでいくなら、快適なツーリングとなるのだが、そこを敢えて何故不便なHarleyかというと、不便さの魅力なのかも知れない。
冬場、ガスヒーターや石油ヒーターで十分なのに、敢えての"薪ストーブ"的な物かも知れない。
何故薪ストーブ?
そこに何か魅力があり、日常生活を豊かにしてくれる何かがあるからであろう・・・
その"何か"は、決してAIには理解できないものである。
合理性ではない何かだからである!!!
その"何か"は、千差万別であるから、人間の面白さであると私は思っているし、それが生きる楽しみの糧でもあると考えている・・・