"ナンバ走り"をご存じか?

これは、日本古来の走り方であるという。

実は、明治時代までは、一般人の日本人は走ることをしなかったという。

当時の歩き方は、右足と同時に右手も前に出るという方式で、これを和式歩行というらしい。

明治に西洋の影響で、今のように右足を出すと左手が前にという身体を捻る動きになった。

 

江戸城殿中で、大名は長袴を履いていたが、これは和式歩行だと歩けるのだが、現代人のように身体を捻る歩行だと転ぶのである。

日本古来の作法は、この和式歩行を基準として成り立っている。

 

さて、このナンバ走りは、"和式歩行で走る"であり、表家業なら飛脚が使っていて、裏なら忍者であったという。

この走りで、飛脚は1日100㎞ほど走れたと言うし、忍者に至っては1日200㎞走ったという。

 

「では、ご隠居、先に江戸のお屋敷にお手紙をお届けいたしやす」と風車の弥七が、御老公の隠居所である西山荘をでれば、1日かからずに水戸家の江戸藩邸に到着するのであるから、ドラマ水戸黄門はそこは嘘でなかったのだ・・・

Googleマップによると、約138㎞であるから、弥七なら半日ちょっとの距離だが、御老公一行なら3日ちょっとの行程である。

 

このナンバ走りだが、元陸上選手の末続慎吾選手がこれで日本記録を樹立して、北京オリンピックで銀メダルだったという。

更に驚きは、世界一早い男であるウサイン・ボルト選手もナンバ走りをマスターしていると言うから驚きである。

 

ナンバ走りは、右足が下がると右腕が下がり、左足が下がると左腕が下がるのである。

走るとき、通常ならば右足が上がると左手が上がり、左足が挙がると右手が挙がるのである。

詰まり身体をねじって、地面を蹴って前進しているのに比べ、ナンバ走りは足を置いていく感じだという。

通常走りだと腕が前後するのだが、ナンバ走りでは腕は上下するのである。

 

だから、陸上トラックのカーブもナンバ走りの方が膨らまずにコーナーを曲がれるというのだ。

 

私も今日から取りあえず、ナンバ歩き(和式歩行)を練習しようと思う。

実は、"走る"ことは難しいらしく、我々は何も考えずに走ることが出来るが、走ったことの無い人がいれば相当練習が必要と言うから、今から難波走りするには、猛練習が必要であろう。

先ずは歩く所からかも知れない。

 

余談ではあるが、四国88カ所のお遍路の旅だが、スニーカーで歩くより、一番良いのは草鞋だという。

知り合いの人に、渓流釣りをするのだが、岩から岩へと移動するときは、草鞋が滑らないと言っていた。

地下足袋の下に草鞋を履くそうだ。

 

スニーカーを履くから返って疲れるというのだ。

知り合いは、草鞋は手に入らないからと、ビーチサンダルを履いてお遍路を何度も歩いていると訊いた・・・

 

詰まり、我々の常識は、多くは嘘であることが多いと再認識した。

和式歩行は古いといい、洋式歩行に変えられ、食も和食から洋食へと変化して癌が急増である。

 

我々は世界一長い国家であり、世界一の文化を持っているのに、それを捨てて病気になって何をしているのか?

やはり、日本古来に回帰する必要があると思う。