昨今、政治と金の問題が、良くTVや紙面を賑わせている。
政治資金規正法という隙間だらけの法律を掻い潜っている政治屋共が多くて、多くの国民の政治不信へと繋がっている。
寄付金や、パーティーチケット等々、「政治にはとかく金が掛かる」を言い訳にしているのである。
今から約360年前に江戸に大富豪の紀伊国屋文左衛門という男がいた。
彼は紀州の出身であり、紀州からミカンを江戸に運び大儲けして、帰りの船をからぶねせずに、江戸界隈で塩鮭を大量に買って紀州や大阪等で売りさばき巨万の富を得たという。
伝説では、吉原で一晩に使った金額が現在の価値で20億円と言うから、その豪遊振りや金持ち度が分かると思う。
幕閣に賄賂を渡したと言うが、恐らく近年の創作であろう。
江戸時代の幕閣は、皆大名であった為、お金を渡しても使い道が無かったのである。
殿様は、独りで買い物に行かないし、吉原で遊んでもその場で金など払わないからである。
詰まり、大名は自身で金を使うことは有り得なかったのである。
私のその昔、叔父が料亭で金を払ったのを見たことが無い。
「女将、又来る」と手を振って帰って行くのである。
紀伊国屋文左衛門は、金を私利私欲のために使っただけでなく、寺社に多額の寄進もしている。
深川に大きな屋敷があったらしい。
確かに、時の権力者である柳沢吉保の力を借りていたという。
綱吉公がお隠れになって、柳沢吉保が権力の座から降りると、紀伊国屋文左衛門も衰退していったという・・・
詰まり、江戸時代だって政界と財界は密接に繋がっていたのである。
どんなに金を持っている大富豪だって、上様の財力の前にはゴミ同然なのである。
今だって、日本一の大富豪を豪語しても、政府の財力の前にはカス同然なのだ。
だって、持っている金の発行元は誰?である。
江戸時代の貨幣の発行元は徳川宗家であり、現代日本では日本国政府なのであるから、発行元以上に金持ちになることは不可能なのはお分かりであろう。
古代ローマ時代の英雄ユリウス・カエサルは、世界一の借金王であったという。
カエサルの借金総額は、実にローマ帝国の年間国家予算の半分近くであったというから、今で言えば借金総額50兆円以上となる・・・
彼の保証人は、マルクス・リキニウス・クラッススであった。
彼は世界一の大富豪と言われていていたし、実際にシーザーが更に借金するときにも保証人になると、金貸しが金を貸すのであるから、クラッススの富豪も理解して貰えると思う。
何故、クラッススが大富豪になれたのかというと、クラッススの親分がスッラ将軍と言って、ローマ帝国改革を旗印に金持ち元老院議員を大量に殺して、彼らの資産を没収したからである。
スッラ将軍の管財人をしていたのがクラッススであり、スッラ将軍失脚後に火事場泥棒したようである。
さて、借金王カエサルだが、"ガリア戦記"で有名な現代ヨーロッパの元を作る大事業の戦争をし、蛮族(首刈り族もいた)を倒してローマ帝国の一部とした。
その帰り道に「賽は投げられた」という名文句を残してルビコン川を渡ったのである。
当時のローマの法では将軍は自軍をローマ市内に入れてはならないとされており、その境界線がルビコン川であったという。
話をはしょると、ガリアから戻ったカエサルは、世界一の金持ちとなっていたのである。
戦争とはイデオロギーのぶつかり合いでなく、経済活動であることの良い例である。
そして、紀元前44年3月15日、ローマの英雄、現代ヨーロッパの父であるガイウス・ユリウス・カエサルは、暗殺された。
後日、彼の遺言状が発表されたのだが、全資産はローマ市民へであったという。
1人頭、現代価値で約16万円だったそうである。
但し、ユリウス家の相続は、オクタビアヌスであったという・・・
ここが肝心であり核心であるのだが、手にした金はローマ市民へ返したが、権力を相続すれば、その権力に自ずと金と女が集まることを2000年以上前の人々も承知していたという点である。
政治資金規正法で、政治家(権力)への金の流れを規制するというのは、「汚いからウンコするな!!!」と言っているのと同じなのだ。
ウンコは汚いが、動物は皆するのである。
だからこそ、トイレを作り清潔に保てる努力をしているのである。
政治に金がねがれるのは、水が高い所から低い所へ流れるのと同じ自然の摂理で有るのであれば、政治家が金を受けているのは仕方が無いが、金を払った奴の便宜を図れないようにするとか、金の流れを明らかにして課税する等々、国民に分かるようにすれば良いのである。
無駄なことに金を使うぐらいならば、国民に金をばらまけ!!!なのである。
紀伊国屋文左衛門の金儲けの影に、実は幕府は貨幣を大量に市場に投入してデフレ脱却をはかり、市場のインフレ化に成功し、元禄バブルが到来し、庶民文化が昇華していくのである。
現代の無能政府と違い、幕府は市場経済を理解していたのである。
政界と財界、政治と金、切っても切れないのであるから、それを旨く利用して皆が幸せになる方法を模索する方がましではないか?
温故知新が如何に重要なことかお分かりだと思う。