夫婦別姓が、叫ばれている昨今であるが、実は法令化されたのは明治31年であるという・・・

それ以前は、武家、公家以外には姓は許されていなかったのであるが、明治3年に平民にも姓が許され、明治8年には姓が義務化された。

意外なことに、明治9年3月17日の太政官指令によって、妻は実家の姓を名乗ることが定められていた。

詰まり、"夫婦別氏"であったが、しかし、実際には夫婦同姓を名乗っていたというのだ・・・

 

では、何故夫婦別氏から夫婦同姓になっていったのか?である。

これは、国家の都合によるもので、"課税"制度が変わったからであるし、徴兵するためには1人1人の管理が必要となったからであった。

 

我が国ではここ10年ぐらい"少子化"が問題となっている。

そして、少子化対策担当大臣まで作ったのであるが、なんら効果がないのが実情である。

何故効果が無いのか?

それは"臭いものに蓋をする"という場当たり的な対応で有るからである。

臭ければ蓋をするのでなく、その臭いの元を何とかせねばならないのは皆さんにもお分かりだと思う。

では、少子化の原因はなに?

答えは単純で、貧乏であるからである。

若者(結婚適齢期の男女)が、貧困層であるから、当然結婚できない、子供を欲しくても経済的に作ることが出来ないからである。

派遣社員やアルバイトで結婚できますか?

30代の若者の結婚率は、正社員で8割位、派遣社員2割、アルバイトは1割となっている。

では、貧乏な原因は?

皆さんもお分かりの、財務省が固執する"プライマリーバランス黒字化政策"なのである。

詰まり緊縮財政が、全ての社会機構を破壊しているのである。

もし、平成9年(1997)の橋本龍太郎内閣で、消費増税凍結又は廃止、緊縮財政を止めて経済成長路線に舵を切っていたら、今現在の日本人平均年収は1400万円超であるというから、多くの人は結婚して子作りに励み、少子化対策など存在してなかったはずだ!!!

そこに来て、夫婦別氏制度と騒いでいる。

確かに、夫婦共働きでお互いに収入があれば、お互いやりたいことに金を使える・・・

詰まり、同棲と同じ形態となる。

私的に言えば、それなら結婚しないで同棲すればいいと思うのだが・・・

 

詰まり、夫婦同姓から夫婦別氏制度へ移行するのに関して、日本国の行く末を考えていないとしか言えない。

 

では、何故明治時代に夫婦別氏から夫婦同姓に代わり、平民にも姓を与えたのであろうか?

それには日本国の一大変革が有ったからである。

 

江戸時代までは、武士(殿様や高級武士以外)の収入を考えてみれば分かる。

ここのさる藩の野比家を考えている。

野比家の当主はのび助で200石取りであり、妻は玉子、彼らの子供はのび太である。

のび助の給与は、のび助の支払われずに野比家に支払われるのである。

家の一切の仕切りは奥方玉子の仕事である。

これにはのび助も口を挟めない・・・

さて、時代は過ぎて、のび太が源静香と結婚して静香ちゃんが野比家にやって来る。

のび助は、結婚を機に隠居して家督をのび太に相続させ隠居した。

すると、200石はのび太に来るのでは無く、未来永劫"野比家"に入ってくる。

のび太が失敗して減俸され150石になれば野比家の収入は減るし、逆に殿様の覚えめでたく300石に御加増されれば豊かになるのである。

そして、のび助が隠居すれば、家の家計は静香が仕切ることとなる。

 

詰まり、江戸時代までは個人の収入という概念は、武士にはなかった。

町人は日銭を稼いでいたが、大店となると例えば"越後屋"である。

越後屋さんの収入はやはり越後屋全体に入っていたし、飲みに行っても今のように個人で払うことはなかった。

私の叔父は生前「女将、又来ら〜」と言って店を出て行っていた。

詰まり、金の遣り取りは一切無かったのを覚えている。

 

だから、のび太の子供ノビスケやもし彼に弟が居れば、野比家の家計を圧迫するので、ノビスケの弟は婿養子に入るか、商人になるか百姓になるかの道しかなかった。

実は士農工商は身分でなく、己の属している社会組織であり、それぞれの"身分"の移動は流動的であった。

もし、ノビスケの弟が殿様の小姓となり領地を貰えれば、分家という形でノビスケ200石、弟100石となるのであるが、ノビスケが弟を分家させる場合は、ノビスケ150石、弟50石と200石を分けることになったのだ・・・

江戸時代までは、個人主義でなく家主義であったのだ。

 

明治になり、田舎者集団の明治政府は、欧州(アメリカは二等国であった)に習って、軍を再編した。

陸軍、海軍(実際は幕府が作った)を作り、給料を家ではなく個人に支払ったのだ。

兵隊さんはいつ何時死ぬか分からなかったから、遺族年金なるものも作った。

家制度なら旦那が死んでも家としての収入があったが、欧州風個人主義だと故人の年金を未亡人に間違いなく渡すためには、夫婦同姓の方が都合が良かったのである。

 

どうあれ、その時代の国際情勢に合わせて国を変革させる必要があったので、それに合わせて"家族制度"も変わってきたのである。

それが、戦後の相続法の変更に伴い、家族そのものが崩壊している。

そこに持ってきて夫婦別氏であれば、国の最小単位である"家族"が成り立たなくなる。

正に亡国の一途である。

 

今後、支那の侵略問題、ロシアの侵略問題と外交問題山積みなのに、"家族制度"を崩壊させてどうやって国防するのか?

国民の生命と財産を守れるのか?

 

夫婦別氏が流行っているからという理由なら言語道断である。

昔のように、家族制度を強固なものとし、結婚を"両家"の繋がりとし、妻の実家の力と責任を求めるための夫婦別氏ならば、これは前向きである。

 

まあ、このままでは日本国は亡国の一途であるといえる・・・

皆さんはどうお考えでしょうか?

温故知新こそが肝要である。