バイクで悩んでいると、バイク仲間が色々と情報をくれた。

これは、ウラルというロシア製のサイドカーである。

これの元ネタは、BMW-R75である。

ナチスドイツのサイドカーであるが、これを観て多くの人はピーンときたのでないか?

映画インディ・ジョーンズ"最後の聖戦"で、主人公のインディであるハリソン・フォードが、父親であるショーン・コネリーを船(サイドカーの右の部分)に乗せて、ナチスの兵から逃げるシーンが有名である。

 

何と、旧ソ連が第二次世界大戦中に、ドイツのBMWーR75をスイス経由で手に入れて、パクったバイクである。

結果、ソ連は戦勝国となったため、パテントはチャラとなった。

その後、旧ソ連時代も軍用車として作られ続け、現代は民間使用を販売しているのである。

 

元が軍用だから悪路での走破性は、何とBMW-GS1250を遥かに凌ぐ優れものであるが、本家本元は1250ccの水冷(シリンダーヘッドのみ)水平対向2気筒DOHC8バルブであるが、ロシア製は750ccの空冷水平対向2気筒4バルブである・・・

BMWが6速ギアに対して、ウラルは前進4速、バック1速である。

 

しかし、ウラルは元々軍用車であるから、ミリタリー系のパーツを付けることが出来る。

ナチスのサイドカーを見ると、船の左右に箱が付いているのが分かると思うが、これはマシンガンの弾薬入れであり、実際に弾薬入れを取り付けることが出来る。(荷物入れとして使うという)

 

そして、私は実写を見ようと、昨晩車検から戻ってきたハーレーイシュタール号に跨がり、一路新木場を目指した。

イシュタール号の車検費用とドレスアップ代は、何と45万円也(頑張ってまけて貰ってこの金額・・・汗)

もう少し早くアドベンチャーバイクを検討していたら、"取りあえず車検のみ"で有ったであろう・・・

否、ドレスアップして大正解であった。

今回、元々ハイフローのエアクリーナー(パフォーマンスマシーン社製)を付けてあったのだが、今回アレンネス社製に換え、グリップも交換したら、何と、操作性が格段に上がっていたし、加速も今まで以上に速くなっていて、別のバイクを乗っているようであった。

快調に首都高速を走った。

いざ、"新木場ガレージ"(福田MOTORS)のお店に行った。

ここはカナダ製のトライクBRR社製のSpider等々が所狭しと置いたあった。

お目当てのウラルは、何と品切れ状態であるという・・・

日本国内にもロシア本国にも弾が無い状態であるという。

嬉しい悲鳴である。

相手がロシアであるから、いついつ入荷予定は全く当てにならない状態であるらしい・・・

しかし、"いついつ入荷予定"でその日に来るのは日本製のみである。

詰まり、我々の常識は正に世界の非常識であるのだ。

聞いた話だが、東京駅で新幹線を待っていたドイツ人夫婦が、日本人が並んでいるのを見て不思議に思って訊いたらしい。

「なんでここに並んでいるのですか?」という問いに、日本人ならば当然如く「このに扉が来るからだ」と応える。

それを訊いたドイツ人は「そんな馬鹿な」と大笑いであったと言うが、いざ新幹線が入線して来てその場所に止まったからビックリ仰天したという。

我々日本人は、鉄道がぴったりと乗車線に止まることは当たり前だが、日本以外では有り得ないことである・・・

 

店に人の話だが、「予定通りなら2ヶ月後に2台入ってきますが、1台はもう売れてます」とのことだが、この2ヶ月後が半年後になりかねないのだ・・・

私的には、「これで北海道ツーリングしたら楽しいだろうな」と考えていたので、この時点で買うのを諦めた・・・

4速ギアなのだから、スピードも精々100㎞巡航であるが、急ぐ旅でも無いのであるから、のんびりと荷物の気にせずに(あくまでバイク旅での荷物ね)、信号等の停止時も足を着く必要も無く楽ちんであろうな・・・と思う。

 

さて、このウラル社製のサイドカーだが、2WDと1WDの2種類がある。

何が違うのかというと、道路交通法上の違いなのだ。

1WDモデルは、大型二輪免許が必要であるのに対して、2WDモデルは普通自動車免許が必要であり、大型二輪免許のみで、車の免許が無い人は運転できないのだ。

詰まり、バイク本体のみが駆動するのはオートバイに区分され、バイク本体と船側の車輪が駆動するのはトライク(三輪)となるので、2WDモデルは、法的にヘルメットを被る必要が無いし、"自動二輪通行禁止"地帯もガンガン行けるということになる。

但し、街中や舗装路ではたとえ2WDモデルでも、船側の駆動を切りバイク本体のみで走行するという・・・

正に、法律の不思議ちゃんである。

 

もし、興味のある人はYouTubeで"ウラル"と検索すれば、山ほどの動画が出てくるし、外人の動画は兎に角限度がない。

川にそのまま突っ込んでいき、泥道を突き進み等々、常人ではない遊び方がよい。

 

と言う訳で、しょんぼりと新木場から自宅への帰路についたが、帰りに杉並にBMWディラーによって、悔しいからGS1250アドベンチャーを買ってやった!!!!

ああ、スッキリした!!!

もう悩む必要がなくなったが、別の悩みが出てきた!!!

ハーレーに乗るの???である。

 

因みに、現在輸入バイクは売れに売れハーレーの独り負けらしいが、BMWが絶好調らしい。

それは、何と新型コロナウイルス騒ぎであるという。

外車は、残価設定ローンがきちんとしていて、月々の支払いが3万円台となるのだが、"緊急事態宣言"で飲み屋を始めとした飲食が全滅しているため、サラリーマンの人たちが、「飲み代浮いたからバイクでも買うか」状態であるという。

 

新型コロナウイルス騒ぎも、一方は沈むが、全く関係がなさそうな業種が浮いてくるのが凄いのだ。

経済は生き物であるとまざまざと感じさせられた。