笑いの神様は本当いる。
しかし、笑えないお笑い芸人には降りては来ない。
我々の身近に思わず降りてくるのかもしれない・・・
先日、ハーレー仲間(ジジイ2人は2輪を降りたから元ハーレー仲間かも)のHとSちゃんと三人で、地元の鎌倉パスタでランチをした。
Sちゃんは心臓バイパス手術と脳梗塞をやっているので、多分こちらの行っていることの半分も理解していないかもしれない・・・
来年の6月に別のハーレー仲間のKちんと北海道ツーリングの企画をしているが、その話を聞きつけたジジイ二人は「俺たちも参加しようかな?」と言い出した。
「ハーレー買うの?」と尋ねると、車で参加するとのこと・・・
このHとSちゃんは二人で10回近くも北海道ツーリングへ行っていたにも関わらず、ご当地グルメを全く食べたことがない変わり者デュオである。
「俺は広大な大地を走りに行っているから、走ることが一番」と豪語しているが、まあ思い切り走るのは2〜3回で十分だろうと私は思うが・・・
詰まり、冒険や新しいことが出来ない人間である。
彼の愛車はアクアであるが、「買い換えるなら日産のノートeパワーだ」と息巻いて試乗もしてきて「これからはこれだ」と言っていたが、私と友人との賭けは成立しないのであった・・・
詰まり、「彼は絶対にノートを買わない」となり、"買う"方へ賭ける人間がいないのである・・・
すると昨日「アクアの新車が出るからそれを買おうかな」とのことであった・・・
車の色も白かシルバー以外乗ったことが無いらしい・・・
ジジイ2人は、バイクに未練があるが、寄る年波で怖いらしいのでCanAmの話で盛り上がった。
Hは"13時の男"と異名を持つ男で、暇なくせに何故か13時過ぎになると家に帰りたがるのである。
しかし、先日は違った。
SちゃんがCanAmの実車を観たいと言い出しのであった。
Googleで調べてHの愛車アクアに相乗りして新座のディラーへ向かった。
私はこのタイプに試乗した。
これはサイドケースやトップケースが、オプションで取り付け可能である。
簡単に付けたり外したり出来るのである。
それに値段がビックリするぐらい安い!!!!
ハーレーでトップケースを買うとなると20万円以上だし、サイドケースだって両側買えば40万円弱である。
それが、なんと10万円でお釣りが来てしまうし、車両価格も上の写真の最高級グレードで300万円ちょっとである。
安い!!!
このロードキングスペシャルは、カスタム代も入れて大体600万を超えている・・・
なんか、馬鹿馬鹿しく思えてきた・・・
CanAmのRykerだが、乗った感じはハンドル周りはバイクと同じだが、2輪が視界に入っているので不思議な感じがした。
ただ、Rykerはエンジン排気量が900ccの為、パワー不足を感じた。
これはオートマであったが、構造はスクーターと同じかもしれない・・・
CanAmSpiderは1300ccのセミオートマであるから、ギヤの滑ってる感は無いと思う。
兎に角、大量の荷物が積めるのが気に入ったし、2020年モデルは、トップケースが取り外し可能なのであるから、ロングツーリング以外は取った方が格好いい!!!
さて、私が試乗して店に戻ってくると、Sちゃんに試乗を勧めたが、奴は遠慮していていたが、乗る気は満々であった。
このトライクは、アクセルはバイクと同じ右手グリップを廻すのであるが、ブレーキは右側の足の1カ所である。
バイクは右手が前ブレーキ、右足が後ブレーキであるが、ここが大きな違いであった。
いざSちゃんが乗ると、すでにテンパっていたのか、歩道に停めたトライクが斜面に従って静かにバックしだした。
これは左膝辺りにパーキングブレーキのスイッチがあるので、店の人がそれを解除したからであった・・・
何を思ったか、Sちゃんはブレーキペダルから足を外して、地面に両足を着けようとしていた。
奴はチビであるから、ハーレーでも足がつま先しか付かないから人呼んで"バレリーナ"と呼ばれていた。
何で足を地面に着けているのか理解できない。
バイクならば転けるが、トライクは絶対に転けない・・・
トライクは静かに旧川越街道へ向かって下がっていく・・・
「足を下ろすな!!!」「右足でブレーキを踏め」と怒号が飛び交う中、彼は白鳥の湖を舞い続けた・・・
両手はグリップ周りで空を切っていたから、右手は前ブレーキ、左手でクラッチを頭の中で切っていたと思った・・・
お店の人がやっとこ全身でトライクを停めた。
オートマだからアクセルを廻せば前に進んだのだが・・・
漸く落ち着いたSちゃんは、意を決して車道へ出ようとゆっくりと前進したが、前にはHの愛車のアクアが停まっている。
左にハンドルを切ってから車道へ出て行くのであろうと思い見守っていたら、ハンドルを切らずにアクアへ向かって進んでいくではないか!!!!
「ブレーキ! ブレーキ!」とHの悲痛な叫び。
だが、Sちゃんはまたもや、足を下に下ろして白鳥の湖を踊り出した・・・
「足を下ろすな!!!」「足でブレーキ!!」と叫び声がするが、一向に踊りを止めない・・・
「突っ込む・・・」と私は思ったが、間一髪でトライクが止まった・・・
「お前、もう止めろ!!! 降りろ!!!」とHに怒鳴りつけられ、Sちゃんの試乗はバックと前進の約4mで終わった。
他人事で恐縮だが、笑いの神様的には突っ込んで欲しかった・・・
この場合は身体に影響ないし、金で解決できる状況であったので、アクアに突っ込めば、以後10年上の笑いのネタは保証できた・・・
突っ込むと言っても、歩く速度の方が速いぐらいであった・・・
ああ、動画撮影していれば・・・と悔やまれてならない。
帰りの車中で「トライク買うの?」と私が聞くと「買いません」と、いつもは優柔不断なSちゃんの即答であった。
よほど堪えたのか?自分からトライを観たいと言ったのに・・・
「なんで足を下ろしたんだよ?」と尋ねると、力なく「いや、バイクと勘違いしてさ・・・」
2輪はおろか、3輪すら乗れないこいつに免許を保たせ続けて良いのであろうか?
家族は免許返納させるべきではないか?と本気で心配になった一瞬であった。
しかし、この出来事だけでも笑いは取れる・・・
笑いの神様、ありがとうございました。
怪我人の無く、後には笑いだけが残った一日であった。



