石原裕次郎と三船敏郎主演の映画"黒部の太陽"の話だけは知っていたが、観たことが無かった。

ベスパ越後路の旅で、糸魚川から国道146号線を南下すると、切り立った絶壁を川沿いにいくつもの洞門が連なっている。

洞門を抜けると信濃路である。
白馬を通り過ぎていくと大町という場所があり、そこから西に針路を取ると黒四ダムへ行くトローリーバス乗り場の扇沢駅がある。
しかし、この県道45号線は上り勾配がきつく125ccのベスパではフルスロットルでも50km位まで減速してしまうほどだ・・・

着いたときは13時を少し廻っていたので、当初ダムにあるレストランで昼食予定を下の駅で食べることにした。
名物"黒四ダムカレー"である。

「名物に旨い物なし」と良く言ったが、このカレーは美味しかった。

映画"黒部の太陽"は、扇沢から現在トローリーバスが通行しているトンネルを掘る話である。
フォッサマグナが新潟県の糸魚川から静岡県の浜名湖辺りに延びていて、丁度黒部の山々には大規模な破砕帯があって、大量な地下水が流れだし死者まで出るほどの難工事であったらしい。
しかし、当時の土方(どかた)には意地と誇りが有り「機械でダメならシャベル、シャベルがダメなら自分たちの手でも掘る」位の気概があった。
男と男の意地のぶつかり合いが、良き時代の日本を彷彿とさせていた。

トンネルを抜けると筆舌しがたい雄大な景色が飛び込んできた。
これを黒四建設に命を掛けた男達の結晶である。
「人は死しても偉業は伝説になる」を全身で感じた。

工事中に亡くなった人たちの慰霊碑である。
最初、これを見たときは「馬鹿な不注意者め」位に思ったが、先週石原裕次郎メモリアルBlu-rayコレクションを買って、黒部の太陽を観始めると「ご苦労様でした」と感激と感動で涙が出た。
事故死した人たちも伝説になっている・・・
ここで黒四ダムが有る限り、彼等の生き様は語り継がれていく。
「男子、一生に一度、命を懸ける価値のある仕事」という台詞があったが、正にその通りであると思った。

Blu-rayコレクションに入っていた「栄光の5000㎞」をさっき観たが、これも面白かった。

私の石原裕次郎とは、太陽に吠えろのボスか、西部警察の課長というイメージだったが、カーレーサーなど当時としては時代を先取りしていた気がする。

何年か前に小樽市のある石原裕次郎記念館に行ったことがあったが、確か栄光の5000㎞で使ったブルーバードが展示されていた様な曖昧な記憶がある。

しかし、今のしょぼい日本映画と比べると、石原裕次郎の時代は映画のスケールが違いすぎる。
現代の俳優には華が無いから、直ぐにスクリーンから消えてしまうが、石原裕次郎は永遠のスターと言われるのも頷ける。

大体、映画の2/3が海外ロケである。
昭和43年公開であったらロケ自体は遅くとも42年である。
私が2歳だ!!!
$1=¥360の時代である。
日本人の生涯の夢はハワイ旅行!!!の時代に、フランスやモナコ、東アフリカのケニアでロケだ!!!
今で言えば、月面ロケぐらいのインパクトであった筈だ。
南極ロケは、角川映画の"復活の日"が世界初ぐらいの勢いであった筈だ。

サファリラリーである。
ナイロビからスタートして迫力満点のラリーシーンも良い出来だと思う。

黒部の太陽、栄光の5000㎞とか昭和には、得に昭和30年代には凄い映画が目白押しであったが、映画業界の斜陽と共に日本映画死んだと私は残念だが思う。
今の映画は、TVの二時間推理ドラマと同じクオリティである。

TVではただで観られるのに、わざわざ金を出して映画館に行く価値すら無い・・・
そもそも巨額な制作費のハリウッド映画と同じ料金というのが納得出来ない。
日本の映画制作費などジョージ・クルーニーやブラッド・ピットの出演料より安いのに、同じ料金取るなって!!!!

いや、感動させてくれるならば惜しくは無い。
"千と千尋の神隠し"や"永遠の0"みたいに極稀に玉が出来るのも面白い。

是非頑張って、日本映画界を今一度輝かして欲しいものである。