悪友Eの家に着くと、たまたま外から帰ってきた所であった。
Eは相変わらずのデブであった。
何と体重が3桁に乗っかってしまい、慌ててダイエットを始め、禁酒をして4日目であったらしい・・・
取りあえず、体重は6キロ減ったらしいが、このクラスのデブにとっての6キロは、身体の誤差の範囲で、水分を控えたり、少し食べる物を減らせば、体重の上下は簡単である。

奴の腹を見ると、半年前の自分を見ているようで、正に反面教師である。

奴は、給食を作っているが、私は常日頃「そんなのは男の仕事で無い!!! 情けない・・・」と言っている。
大体、私が小学生の頃に、給食を作っていた奴らを馬鹿にしていた記憶がある。
それに、中学生になった頃は「どうやったら、こんなに不味いものが作れるんだ!!!」と言っていた。
まあ、職業に貴賎は無いと言うが・・・

Eは、そんな給食係の地方公務員の中では、エリートで、市全体でいる給食係200有余人の中では、10人以内の指揮権を持っているという。
「お前から見れば、拭けば飛ぶような世界の人間にも、人格があって、生きているんだ!!!」と言われ、私はハッとした。

自分の世界以外に住んでいる人達に対する無関心が、社会を悪くしているのだ。
今の世の中に蔓延している「私の」現象である。
私の犬、私の車、私の家族、私の友人である。
私の意外には、興味が無いのか?無関心なのか?もっと大きな範囲で、物事を考えねばならい。
それが、人と人を結び、絆となり、助け合いに繋がっていく。
正に「愛」である。
愛が溢れた世界になれば、我々は更に有意義な生活が送れる。
他人に優しくなれれば、その分自分の心が豊かになるのだ。
今日は、悪友Eに教えられた一日であった。

しかし、やはり悪友Eは、大馬鹿者である。
数年前Eは学校帰り(公立学校で給食を作っている)に、車を運転中不整脈に襲われ、意識が遠のき、自分で119に電話を掛けたらしい・・・
それなのに、未だに禁煙していない!!!
禁酒4日目だと豪語していたくせに、今日、ちんけな飲み屋でビールを飲んでいた。
「4日間、禁酒したから、今日は飲む!!! 又明日から禁酒だ」である。
「お前、禁酒の意味知っているか?」と私は呆れ顔で言った。
Eの行きつけの店は、どれもこれも酷い!!!
負け組が集まる、負のオーラが満ちあふれていて、私は気分が悪くなる。
今日も「好きな物を食べてくれ、俺の奢りだ」と言ってくれたが、そのちんけな「ひょうたん」という店は、メニューの殆どが「今日は、材料が無いため、作れない」である。
呆れて物が言えなかった!!!

それでもEは、ビールと喫煙を止めない。
「いい加減しろ!!!」と言うと、
「お前が、俺をイライラさせるから悪いんだ!!!」と意味不明な事を言う。
「俺がダイエット4日目で体重94キロで、今日、お前に俺の様に痩せろ!!! このデブ」と言いたかったらしいのだ!!!
「お前もダイエットしないと、成人病になるぞ」と私に、説教をしようと昨日から練習していたらしいのだ。

それが、私の腹を見て、血の気が引いたらしい・・・
「今に見てろ!!! 絶対にお前を見返してやる」と水戸黄門に出てくる悪役のような捨て台詞である。
「お前は一生デブだ!!!」と私は言ってやった。
Eの性格を知っている私は、奴が真に自分自身と対峙して、真実を認識しない限り、現状は何も変かを来さないからだ。

もし、奴にそれだけの根性があれば、今の奴は、もっと上の生活をしているはずである。
高校時代からの悪友だからこそ、何とかしてやりたいのだが・・・
「馬を水桶まで連れて行けるが、水を飲ませることは出来ない」である。
一日も早く、この事に気が付いて欲しいものである。