先日、友人がスピード違反でチケットを取られ、その裁判があったので、暇つぶしに同行した。

カリフォルニア州では、交通違反すれば、日本と同様にチケットを貰うが、異議がある場合は、何月何日に何処何処裁判所に出頭するように、無ければ罰金を払うようにと大抵書かれているが、昔、私がスピード違反で、シェリフに捕まったときは、めんどくさかった。
LA市警なら、小切手を郵送すれば、それで済んだのに、シェリフの時は、わざわざ最寄りの裁判所まで行って「罰金を払うか?それとも、裁判するか?」とその場で訊かれた記憶がある。

我々は警察と言っているが、USAはこれが込み入っている。
市当局が持っているのが、市警という我々がPOLICEと呼んでいるが、こちらは市以外に郡が有り、郡はポリスでなくSHERIFFの管轄である。
因みに市は郡の中の組織である。
又々ややこしいのは、ビバリーヒルズやサンタモニカ、ここトーランスは、皆ロサンゼルス市より独立して、それぞれが市となったため、自前で警察組織を持っている。
こうなれば、この辺りは、トーランス市警が徘徊している。

しかし、南の横綱であるローリングヒルズは、近年LA市より独立した。
金持ちの払う住民税が「訳の分からん貧乏人のために使われるは変!!!」と「まあ、納得できるか」ということで、住民投票でLA市から独立した。
しかし、警察を作り維持するのは大変金が掛かる。
だから、彼らは金を払い郡からSHERIFFを借りているのである。
因みにトーランスは「城下町」と呼ばれている。
北米トヨタの総本社、HONDA、Panasonicを初めとして、一部上場の日本企業が集まっているため、市はこの辺りでは一番潤っているとさえ言われている。

ここから、ローリングヒルズに行くと、一番近い道がHawthorne Blvdで一本で行けるが、ここが又々細かい。
トーランス市とレドンドビーチ市、そしてローリングヒルズが入り組んでいるのだ。

市の境は、景色と道の傷み具合で直ぐに分かる。
ローリングヒルズに入った途端、街路樹の背丈が高くなり、金持ちオーラが出まくる。
そして、車道、馬道、歩道が現れてくる。

友人はHawthorneBlvdをローリングヒルズ方面からトーランス方面へと坂道を下っていたときに、法定速度45mileの所、60mileでスピードガンを持ったネズミ取りに捕まったらしい。

裁判当日、彼の前のインド人が笑えた。
警察官(捕まえた奴)と裁判官、そしてこのインド人の話からすると、此奴は運転しながら携帯電話で話していたとしてチケットを切られたらしい。
インド人は、言い訳しながら頑張っていた。
そして、インド人は強気の発言をした。
「じゃあ、貴方は私が、携帯電話を耳に当てていた所を見たのですか?」
「いいえ、見てません」
と警察官。
ここで、インド人は勝ったと確信していた。
「そうです、私は電話を耳には当てずに、左で持ってハンズフリー機能で話していたのです」
と勝ち誇ったように言い放った。(カリフォルニア州の道交法で、運転中の携帯電話の使用は禁止されたが、ハンズフリー機能はOKである)

黙った警察官!!! その時、裁判官が重い口を開いた。
「お前は、ハンズフリーの意味を知っているのか?」
との問いに、不思議がるインド人。
「いいかね、ハンズフリーとは、手に携帯電話を持たずに、話すことだ。いいかね、手に携帯電話を持っていたら、それはハンズフリーでとは言わない」
裁判官はジェスチャーを交えながら続けた。
「ハンバーガーを持って運転しても良いんだよ。でも、携帯電話は駄目なんだ!!! 有罪」
と敢え無くインド人、玉砕!!! 残念!!!

世界中何処にでもいる大馬鹿野郎だお前は!!! でも、笑わせてくれたから、よしとする。
因みに、私の友人も玉砕である。
「あの警官だけは、絶対に許さない!!!」と捨て台詞を日本語で吐き、虚しく260ドルを払っていた。
余りの気の落ちように、スタバでコーヒーを御馳走したのは言うまでも無い!!!