弘前城植物園は、弘前城を中心とした国指定史跡である弘前公園内にあり、面積は7.65haで、1988年、弘前公園三の丸の一角に開園しました。この植物園には三の丸庭園と大石武学流庭園などがあります。園内の北西エリアにある三の丸庭園は、江戸時代後期、天守の再建と同時期に、茶人・野本道玄により作庭された枯池式の庭園を復元したものです。また、園内の南東エリア隅にある大石武学流庭園は、津軽地方に多く残る庭園様式で、主として明治・大正期に造られました。この大石武学流庭園を作庭したのは、弘前にある国の名勝・瑞楽園の作庭にも携わった武学流6代目を継ぐ外崎亭陽です。

 最初の写真は弘前城植物園の北入口です。次は芝庭に曲線を多用した枯池を設けている三の丸庭園の全景です。次の2枚は他に類をみない角柱型の自然石を立てた枯滝石組です。次の2枚は平地に造った川幅の広い枯池で、芝庭との境には池汀護石を並べています。次の2枚は大石武学流庭園の全景で、飛び石の先に池泉と二神石が見えます。次は七福神のうち2つの神に見立てた二神石です。2つの神とは財運と豊作の神である大黒天と、商売繁盛や漁業の神である恵比寿と思われます。次の2枚は池泉の全景です。次は池泉中央の築山で、奥に設けた小高い築山にひときわ大きな立石を据えて、滝石組を構成しています。また左手前から奥にかけて岩島が3石並んでいます。次は池泉の右側に設置された大石武学流の定番である山灯籠と右下の蹲踞です。(2025年4/21撮影)