天赦園(てんしゃえん)は愛媛県宇和島市にある池泉回遊式の大名庭園で、総面積が11千m2あり、標高962mの尻割山を借景とし、1968年に国の名勝に指定されました。ここは1672年に宇和島藩2代藩主・伊達宗利が海を埋め立てて造成した「浜御殿」の一部であったが、1863年に建物等が整備され、7代藩主の伊達宗紀が移り住み「南御殿」と称された後、1866年に庭園が完成し、天赦園と命名されました。天赦園の名は、伊達政宗が詠んだ「酔余口号」の中の以下の漢詩から採って命名されました。「馬上少年過 世平白髪多 残躯天所赦 不楽是如何」。園内には伊達家の家紋である「竹に雀」より竹を配してあり、また、藤原氏とも関わりが深いことから、多くの藤が植えられ、藤の名所としても知られています。
最初の写真は敷地の東に位置する正門です。次は宗紀がお茶を嗜んだ旧潜淵館付属の茶室です。次は池への通路のあった紅葉です。次は池畔に建つ茶室・春雨亭で、2019年に改修されました。次の3枚は池の全景で、池に突き出た2つの岬とそこに配された石組が美しい景観を作り出しています。次は池の中にある蓬莱島で、その左の岩島は三尊石に配列されています。次の2枚は岬内に置かれた子孫繁栄を願う陰陽石で、男根に見立てた陽石と女陰に見立てた陰石が置かれています。次は南側の出島にかかる白玉上り藤で、池泉に架かる橋のようです。次の3枚は枯川の脇にある臥牛石、起牛石と虎吠石です。次は枯滝流石組です。(2024年12/03撮影)














