「百寺巡礼」の第149番は根来(ねごろ)寺です。根来寺は和歌山県岩出市にある新義真言宗の総本山で、高野山の学僧であった覚鑁(かくばん)が1130年に高野山内に小伝法院を創建したことがその始まりです。覚鑁は1134年に高野山全体を統轄する金剛峯寺座主に就任したものの、その改革が高野山内の衆徒の反発にあったことから、1140年に覚鑁一門は高野山を下りて、大伝法院の荘園内の末寺・豊福寺がある根来に移りました。根来寺は室町時代末期の最盛期には、坊舎450の一大宗教都市を形成し、1万余の根来衆とよばれる僧兵軍団を擁しました。1584年に徳川側についたことから羽柴秀吉の紀州征伐を招き、1585年に大師堂や大塔などを残して根来寺は焼け落ちました。その後、江戸時代に徳川の援助で復興しました。

 最初の写真は大門で、1852年に建立されました。次は鐘楼門です。次は聖天池に浮かぶ聖天堂で、聖天尊を安置しています。次は行者堂で、役行者を祀っています。次は1804年に建立された光明殿で、覚鑁像を安置しています。次は、本坊の玄関です。次の3枚は紀州徳川家から拝領した名草御殿に面した滝と池を配した江戸時代の庭園で、国の名勝に指定されています。次は1391年に建立された大師堂で、空海像を祀っています。次は国宝・大塔で、1547年に覚鑁が創建した高野山大伝法院大塔を忠実に再現したものです。次は本堂に当る大伝法堂で、1826年に創建され、本尊は大日如来・金剛薩埵・尊勝仏頂の三尊です。次は奥の院で、覚鑁の廟所です。次は不動堂です。次は色づき始めたもみじ谷の紅葉です。(2024年11/25撮影)