識名園(しきなえん)は沖縄那覇市にある敷地面積42,000㎡の琉球庭園の一つで、識名の御殿(しちなぬうどぅん)とも、また首里城の南にあることから南苑とも呼ばれています。2000年に国の特別名勝に指定され、同じ年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコの世界遺産に登録されました。この識名園は1799年に造られた琉球王家の最大の別邸で、国王一家の保養や外国使臣の接待などに利用されました。その後、第二次世界大戦の沖縄戦で壊滅的な被害を受けたものの、1975年から約20年かけて再建されました。庭園は池泉回遊式庭園で、中央に心字池を配し、池に浮かぶ島には中国風あずまやの六角堂や大小の石橋が配され、池の周囲は琉球石灰岩が取り囲んでいます。
最初の写真は国王一家や冊封使が出入りした正門です。次は池の水源である育徳泉で、琉球石灰岩をあいかた積みにして巧みな曲線を描いています。次の2枚は御殿(ウドゥン)で、上流階級のみに許されたつくりの赤瓦屋根の木造建築です。次の六角堂は池に浮かぶ島につくられた六角形のあずまやで、屋根の形、瓦の黒い色付けに中国の影響がみえます。次は庭園の中心に位置する心字池です。次の2枚はその池に架かる大小2つの石橋で、中国風のアーチ橋です。次は池からあふれた水が石造の懸樋(かけひ)から流れる滝口です。次は舟揚げ場で、池に浮かべて楽しんだ小舟を引き揚げる場所です。次の2枚は高台の勧耕台のあずまやとそこから見た那覇の町並みです。次は番屋で、御殿の近くにある識名園を管理した番人の住居です。(2024年4/13撮影)












