「百寺巡礼」の第147番は圓成寺です。圓成寺は奈良市の柳生街道沿いにある寺院で、真言宗御室派に属しています。寺伝によれば、命禅上人が、1026年にこの地に十一面観音像を安置したのが始まりとされています。その後、1112年に経源が阿弥陀堂を建て、1153年に仁和寺の寛遍上人によって真言宗御室派寺院となりました。

 最初の写真は東門です。次の3枚は楼門前に広がる紅葉が美しい庭園で、平安時代末期に作庭されたと推定され、浄土式庭園として、国の名勝に指定されています。苑池中央と西には中島があります。次の2枚は楼門で、1466年の応仁の乱により焼失し、1468年に再建されました。次は後白河法皇が寄進したとされる多宝塔で、これも応仁の乱で焼失・再建され、現在の塔は1990年に再建されたものです。多宝塔内には仏師・運慶の最も初期の作品である国宝・大日如来坐像が安置されていました。今は庫裏の隣の相應殿に、十一面観音立像とともに安置されています。次は護摩堂で、不動明王立像などが安置されており、1730年再建の堂宇が老朽化したため、1994年に改修されました。次は本堂の阿弥陀堂で、1112年に創建されたが、応仁の乱後に再建されたものです。これは珍しい春日造社殿に両庇付の寝殿造です。堂内には本尊・阿弥陀如来坐像と四天王立像が安置されています。次の2枚は鎮守社である春日堂・白山堂の二つの小さな社殿で、春日造社殿の現存最古の例として国宝に指定されています。これは1228年の春日大社造営の際に、その旧社殿を拝領したものです。(2023年11/22撮影)