「百寺巡礼」の第105番は上徳寺です。上徳寺は京都市本塩竈町にある浄土宗の寺院で、世継地蔵の通称で知られています。平安時代、この地には、源融の別荘・六条河原院がありました。源融は陸奥国塩釜の景色を再現し、院の庭に難波江の塩水を運んで、塩を焼く煙をめでたと伝えられています。上徳寺は1603年に徳川家康の側室である阿茶局が、阿茶局の叔父である伝誉一阿を開山として創建しました。
最初の写真は富小路通に面して東に開く山門です。次は山門を入ると正面に建つ本堂で、1753年に建立された永観堂の祖師堂を明治期に移築したものです。堂内には、近江国矢橋の鞭崎八幡宮から移したといわれる本尊の阿弥陀如来像が祀られています。次はその左手奥に建つ世継地蔵堂で、1871年に再建され、高さ2mの世継地蔵が安置されています。この世継地蔵は江戸時代より安産と子授けで知られています。次は書院造の客殿の床の間です。次の5枚は客殿の前にある枯山水庭園です。低い築山に石組、植栽、燈籠が立てられています。手前に白砂が敷かれ、小石で川の流れが表現され、中島には2本の板石による橋が架けられています。今回、秋の非公開文化財特別公開で訪問しました。(2010年11/03撮影)








