月ヶ瀬梅渓は奈良市月ヶ瀬にある梅林で、月ヶ瀬梅林とも呼ばれ、800年前の鎌倉時代中期に、真福寺の境内に梅が植えられたのが始まりとされています。江戸時代には、月ヶ瀬は紅花染めの発色剤・烏梅(うばい)に必要な梅の一大生産地であり、その当時10万本の梅の木が栽培されていました。その後、合成染料の発達により烏梅の需要はなくなり、月ヶ瀬梅林は食用の青梅の栽培や観光資源としての梅林に変わっていきました。現在は、木津川支流の名張川をはさんだ両岸に1万本の梅が植えられています。この梅林がV字渓谷と相まって美しい景色が望めたことから、1922年に国が最初に指定した名勝の一つとなりました。しかし1969年に下流に高山ダムが完成し、名張川はせき止められて月ヶ瀬湖となり、景観が梅渓から梅湖へ変化したものの、その美しさは変わっていません。

 最初の写真は月ヶ瀬梅渓の入り口で、名勝月ヶ瀬梅林の石柱が立っています。次は坂を上った先にある「一目八景」で、眼下に広がる梅の花と美しい月ヶ瀬湖が見えます。次の2枚は「帆浦梅林」とその横にある帆浦茶店で、渓谷の中に咲く紅梅が美しい。次の4枚は梅の品種園である「梅林公園」で、全国から集められた40種270本の梅が植えられています。次は天神神社です。次はその神社の横から見える月ヶ瀬湖に架かる月ヶ瀬橋です。次は天神梅林で、一番高台にあり、香り高い梅畑が一面に広がっています。今年も2/12から3/26にかけて「月ヶ瀬梅渓・梅まつり」が開催されています。(2023年3/07撮影)