「百寺巡礼」の第135番は大通寺です。大通寺は真宗大谷派の別院で長浜御堂とも呼ばれ、本願寺12世・教如が湖北門徒に仏法を説き広めるための道場を旧長浜城内に開いたのがその始まりです。1602年に徳川家康によって京都に東本願寺の建立が許されたことに伴い、長浜御堂を大通寺とし、徳川の譜代大名・内藤信成が1606年に長浜に移封された際に現在地に移りました。

  最初の写真は、大通寺参道です。次は1841年に建立された総けやきで入母屋造の山門です。次は長浜城の追手門を移築したと伝わる脇門です。次は1363年の銘を刻んだ梵鐘が架かる鐘楼です。次は本堂の阿弥陀堂で、本尊は阿弥陀如来です。これは1653年頃東本願寺の御影堂を移したもので、伏見城の遺構と伝えられています。次の2枚は1760年に彦根藩主・井伊直惟の息女が建立した大広間玄関です。次の2枚の書院造りの大広間は、本堂と同様に伏見城の遺構です。大広間、書院に続く客殿は含山軒と蘭亭から成っています。次は含山軒にある狩野山楽の山水画です。1755年建立の蘭亭には円山応挙の蘭亭曲水宴図の襖絵があります。次の含山軒庭園は伊吹山を借景とした鑑賞式枯山水庭園で、前方に盛砂を敷き、中ほどに亀島を配して、伊吹山から枯滝に水が注いでいます。「含山」とは大通寺第5代住職・横超院の画号で、伊吹山を庭に取り込んだことも表わしています。次は蘭亭庭園で、小さい池に反橋が架かる鑑賞式池泉庭園です。この二つの庭園は大通寺含山軒及び蘭亭庭園として国の名勝に指定されています。(2021年10/15撮影)