「百寺巡礼」の第120番は紀三井寺です。紀三井寺は和歌山市にあり、もとは真言宗山階派の寺院で、現在は救世観音宗の総本山です。寺名は正式には紀三井山金剛宝寺護国院といい、本尊は十一面観世音菩薩で、西国三十三所観音霊場第2番札所です。寺伝によれば、ここは770年に唐僧の為光によって開基された古刹で、紀三井寺の名前は、山内に涌く清浄水、楊柳水、吉祥水の三井水(さんせいすい)が由来とされ、この三井水は日本名水百選に選ばれています。また境内は日本さくら名所100選にも選ばれる桜の名所で、本堂脇の桜の木が和歌山地方気象台のソメイヨシノの標本木に指定されており、近畿地方では最も早く開花することで知られています。

  最初の写真は1509年建立の楼門で、金剛力士像を安置しています。次は三井水のひとつ清浄水です。次は急な石段を上りきった境内の正面に建つ1750年頃に建立された六角堂で、西国三十三カ所本尊を祀っています。次は六角堂の左側に建つ1588年に建立された入母屋造・本瓦葺きの鐘楼です。次は鐘楼の左横に建つ太子堂です。次は正面に唐破風と千鳥破風を備えた総欅造りの本堂で、1759年に建立されました。千手観音像と秘仏本尊の十一面観音像は、現在は裏手の棟続きに建つ大光明殿に安置されています。次は本堂脇の石段をさらに上ったところに建つ1449年建立の多宝塔で、五智如来を祀っています。次は多宝塔の隣にある開山堂です。次は新仏殿の大千手十一面観世音菩薩像とその最上階からの眺望です。次はソメイヨシノの標本木です。

(2019年10/27撮影)