






北野天満宮は、903年に大宰府で亡くなった菅原道真を祀って建てられた全国各地の天神社・天満宮1万2千社の総社です。菅原道真は845年超エリートの学者の家に生まれ、32歳で大学教授に相当する文章博士となり、遣唐使の廃止を進言しました。899年に右大臣にまで上り詰めたものの、左大臣・藤原時平の中傷に遭い、太宰権師に左遷されました。その大宰府で無念の死を迎えた後、都では落雷や天変地異が頻発したことから、道真の怨霊を鎮めるために北野の地に鎮魂社として947年北野天満宮が創建されました。
最初の写真は楼門です。次は三光門と呼ばれている中門で、1607年豊臣秀吉の遺命に基づき、豊臣秀頼の寄進によって建てられました。次は1607年に造営された国宝・社殿で、本殿と拝殿、石の間、楽の間を連結した日本最古の八棟造です。次は史跡・御土居の上に建てられた茶室・梅交軒です。御土居とは、豊臣秀吉が長い戦乱で荒れ果てた京都の都市改造の一環として、外敵の来襲に備える防塁と鴨川の氾濫から市街地を守る堤防として1591年に築いた22.5kmに及ぶ土塁です。この御土居の内側を洛中、外側を洛外と呼び、現在市中に残る御土居10か所が史跡に指定され、北野天満宮はその北西端にあたります。次は御土居の上から眺めた色づき始めた紅葉です。次の2枚は御土居の西側の谷を流れる紙屋川とその周辺の紅葉です。ここ北野天満宮には国宝・北野天神縁起絵巻が伝わっています。今回、秋の特別公開で訪問しました。(2012年11/04撮影)