




京都平安ホテルにある庭園は、公家屋敷の庭園として江戸時代後期に作庭された池泉回遊式庭園で、その後1922年に、七代目小川治兵衛によって改修され、さらに1980年に旧平安会館改築時に再度改修されました。もともと、ここ京都平安ホテルの敷地には、1705年の京町絵図に九条家の、1868年の京町絵図に醍醐家の屋敷があったことが記されています。明治時代以降は京都新聞の前身である日の出新聞の社長が所有していました。
最初の2枚の写真は、庭園の全景で、庭園の周りには梅、花見月、躑躅、菖蒲、金木犀、紅葉、千両など四季折々の草花が植えられています。2枚目の左奥に竹を中心に造られた四阿(あずまや)が見え、池のほとりには全部で15基ある灯籠の内の一つである六角雪見灯籠が置かれています。次の2枚は池に架かる2本の石橋と飛び石で、庭園内には沓脱石や飛石として使われた京都名産の鞍馬石や加茂石、白川石が効果的に配置されています。最後は庭の奥にある雄滝から流れ落ちる水の流れです。この庭園は米国の日本庭園専門誌JOJGの2010年日本庭園ランキングで6位にランクインしています。このランキングは日・米・豪の専門家達が日本全国841箇所の庭園を調査し、庭の質、建物との調和、利用者への対応などを採点して順位が付けられました。因みに1位は島根県の足立美術館が2位の桂離宮を抑えて8年連続で選ばれています。(2010年8/08撮影)