




「百寺巡礼」の第98番は法観寺です。 高台寺の南西側にある八坂通に建ち、八坂の塔で知られる法観寺は、臨済宗建仁寺派の寺院です。 この五重塔は589年聖徳太子が如意輪観音の夢のお告げにより建てたとされ、仏舎利を三粒納めて法観寺と命名したという言い伝えがあります。 また、朝鮮半島系の渡来豪族・八坂氏の氏寺として創建されたという説もあります。 1179年、火災で焼失したが源頼朝により再建されました。 その後も火災に遭い、現在の塔は1440年に足利義教により再建されたものです。 境内は狭く、塔の他には太子堂、薬師堂、茶室があります。
最初の写真は八坂通から見上げた五重塔で、東寺、興福寺の五重塔に次ぐ46mの高さをもち、本瓦葺で、中心の礎石は創建当初のものがそのまま使われています。 次は正面から見た五重塔で、初層内部には大日如来を中心とする五智如来像を安置しています。 次は太子堂で、聖徳太子の3歳と16歳の時の像があります。 次は薬師堂で、本尊の薬師如来、日光菩薩、月光菩薩、夢見地蔵、さらに十二神将像が安置されています。 次は境内にある木曽義仲の首塚という石塔です。 木曽義仲は、源氏の先陣として北陸道から入京して平氏を追い落とし、一時征夷大将軍を任命されたものの、軍勢の蛮行で都の人心を失い、義経によって滅ぼされました。 その首は六条河原でさらされた後、この法観寺の境内に葬られました。 (2008年4/29撮影)