「百寺巡礼」の第88番は金峯山寺(きんぷせんじ)です。金峯山寺は吉野にある金峯山修験本宗の総本山です。金峯山とは奈良県の吉野山から山上ヶ岳に至る山岳霊場を指し、白鳳年間に修験道を始めた役行者(えんのぎょうじゃ)が、この金峯山で修行し、山上ヶ岳の大峯山寺と吉野山の金峯山寺にお堂を建ててお祀りしたのが蔵王堂の起こりであり、金峯山寺の始まりです。修験道とは、日本古来の山岳信仰に、神道や仏教・道教などが混合してできた日本独特の民族宗教です。吉野山は南北朝時代には南朝の中心地で、役行者が蔵王権現のお姿を桜の木に彫刻したことから、桜はご神木として保護され、吉野山は桜の名所となりました。この金峯山寺を含む吉野・大峯の霊場と和歌山県の高野山および熊野三山からなる「紀伊山地の霊場と参詣道」は、2004年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
最初の写真は金峯山寺の南口です。次は威徳天満宮です。次の2枚は愛染堂とその横に建つ観音堂です。次は本堂の国宝・蔵王堂で、入母屋造り檜皮葺き、高さ34m、幅・奥行ともに36mあり、現在の建物は1592年頃に再建されたものです。中に秘仏本尊・蔵王権現三体が安置されています。また蔵王堂の前に「四本桜」が植えられています。次は蔵王堂の北側に位置する高さ20mの国宝・仁王門で、南北朝時代の再建とされています。門の左右に安置された金剛力士像は寄木造りで、1339年南都仏師・康成の作です。(2009年9/26撮影)






