





「百寺巡礼」の第53番は醍醐寺です。豊臣秀吉が「醍醐の花見」を催した地として知られる醍醐寺は、伏見にある真言宗醍醐派の総本山です。醍醐寺の創建は874年、空海の孫弟子にあたる理源大師・聖宝が准胝観音並びに如意輪観音を笠取山頂上に祀ったのがその始まりです。その伽藍は上醍醐と下醍醐に分れ、下醍醐には金堂、五重塔、仁王門、三宝院が並んでいます。それに対して、山頂の上醍醐は険しい山あいに、醍醐寺の鎮守神である国宝・清滝宮拝殿、上醍醐の最古の建物である国宝・薬師堂、西国三十三所観音霊場の第11番札所である准胝堂、五大堂などが立ち並んでいます。また有名な「醍醐水」が今も湧き出ています。
最初の写真は総門です。次は奇跡的に951年の創建当時のまま現在に残っている国宝・五重塔で、38mの高さがあります。この五重塔内部に描かれた壁画も国宝に指定されており、中でも空海の肖像画は現存する最古のものです。次は平安後期の建築で紀州満願寺の本堂を1600年に移築した国宝の金堂です。次は金堂の前方に置かれた鐘楼です。次の2枚は霊宝館の庭に咲いている満開の枝垂桜です。この霊宝館には国宝、重文合わせて7.5万点を保管しており、1994年に古都京都の文化財の一つとして世界遺産に登録されました。また、三宝院庭園は金閣寺、銀閣寺と並んで国の特別名勝・特別史跡に指定されています。(2007年4/01撮影)