「百寺巡礼」の第45番は秋篠寺です。奈良時代の776年に光仁天皇の勅願により僧正善珠大徳を開基として建立された秋篠寺は、西大寺の北方にあり、宗派は当初の法相宗から真言宗、その後浄土宗に変わり、現在はどの宗派にも属さない単立寺院となっています。

 最初の2枚の写真は、本来の正門である南門と通用口の東門です。次は、南門から本堂までの森林・苔庭の中にある本堂跡です。この森林の中には東塔の礎石もあり、創建当時の伽藍が壮大だったことがわかります。次の2枚は、鎌倉時代の建立で、当時の和様仏堂の代表作の1つである国宝の本堂とその前の植栽です。本堂の中には本尊の薬師如来像、日光・月光菩薩像などが安置され、その左端には有名な伎芸天立像が立っています。この伎芸天像は中国では多く造られたものの日本では唯一の像だそうで、諸技諸芸の守護神として多くの芸術家や芸能人らに慕われており、その優美な身のこなしがとても印象的でした。次は本堂の東側に建っている鐘楼です。次は、本堂の南西に建っている大元堂です。この中には毎年6月6日のみ公開される秘仏の大元帥明王立像が祀られています。この大元帥明王像とは、秋篠寺のみに伝えられている国家鎮護のための大元帥御修法の本尊で、桧材寄木造の厳つい姿の彩色像です。次は大元堂の北に建つ開山堂で、開祖である善珠僧正の図像が祀られています。

(2006年12/24撮影)