





「百寺巡礼」の第41番は広隆寺です。東映映画村で有名な太秦にある広隆寺は、真言宗御室派の寺院で、法隆寺・四天王寺・中宮寺・橘寺・法起寺・葛木寺と共に聖徳太子建立の日本七大寺の一つです。帰化人系の氏族である秦河勝が大陸文明を日本に導入した功績に対し、聖徳太子から仏像を賜り、603年にこの広隆寺を建立しました。創建当初は弥勒菩薩を本尊としていたが、平安遷都前後からは薬師如来を本尊とする寺院となり、薬師信仰とともに聖徳太子信仰の聖地となりました。
最初の写真は、寺の正門である楼門で、1702年の建立と伝えられています。次は楼門に続く広い境内です。次は1165年に再建された京洛最古の建物で俗に赤堂と呼ばれている講堂で、講堂の中央に本尊の国宝・阿弥陀如来坐像、右に地蔵菩薩坐像、左に虚空蔵菩薩坐像が安置されています。次は本堂に当たる上宮王院で、その本尊は聖徳太子像です。次の3枚は上宮王院北側の紅葉が美しい庭園です。境内奥にある霊宝殿には数々の国宝が収められており、国宝第1号の弥勒菩薩半跏思惟像はじめ、不空羂策観音、千手観音、十二神将立像を拝観できました。中でも特に2体ある弥勒菩薩半跏思惟像のうち「宝冠弥勒」と通称される仏像は、高さ123センチの赤松材の一木造で、右手を頬に軽く当てた思索のポーズに魅了されました。(2006年11/30撮影)