









「百寺巡礼」の第35番は天龍寺です。1339年足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うため夢窓疎石を開山として創建した天龍寺は、京都五山の第一位に格付けされている臨済宗天龍寺派の大本山です。尊氏はこの寺を造営する資金を得るため、天龍寺船を派遣し元寇以来絶えていた元と貿易を結びました。この天龍寺は嵐山の渡月橋を渡って北すぐのところにあり、今の時期は紅葉の名所としてたくさんの観光客で溢れています。
最初の写真は嵐山メイン道路に面する総門です。次は寄棟造単層の法堂で、正面須弥檀中央には、釈迦・文殊・普賢の釈迦三尊像が祀られています。その天井には加山又造画伯による「雲龍図」が描かれています。今秋の特別公開でこの躍動する雲龍図を見ることができました。次の2枚はいずれも1899年に建立された庫裏と大方丈です。次の4枚は大方丈の前にある曹源池庭園です。この庭園は夢窓疎石の作庭と伝えられ、曹源池を中心とし嵐山や小倉山を借景にした日本最古の池泉回遊式庭園で、国の特別名勝・史跡に指定されています。次は庭園の正面対岸に組まれた龍門瀑と呼ばれる滝で、この滝の下に3枚の石橋が架けられています。この龍門瀑は宋からの渡来僧・蘭渓道隆が創案したとされています。この庭園全体が、白砂に見頃の紅葉と緑が映えてその優雅で格調高い美しさは格別でした。次は北門近くの竹林です。天龍寺は1994年に古都京都の文化財のひとつとして世界遺産に登録されました。 (2006年11/30撮影)