







「百寺巡礼」の第30番は永観堂です。昔から紅葉で名高い永観堂・禅林寺は863年に清和天皇の勅額を賜って創建され、最初は真言密教の道場であったものが、平安時代に永観が浄土念仏を唱えて専修念仏道場となり、現在は浄土宗西山禅林寺派の総本山です。平安時代中期に入寺し貧しい病人に徳を施した永観律師を慕い、いつしか永観堂と称されるようになりました。広い境内には、放生池の東側に釈迦堂、御影堂(みえどう)、阿弥陀堂、多宝塔などが並んでいます。
最初の写真は諸堂の入口となる大玄関です。次は壮麗な唐門と釈迦堂の西庭で、小判形の盛砂には市松模様が描かれています。訪れた日は運良く管主さまと一緒に、釈迦堂の一室で振るまわれたお抹茶を頂くことができました。次は池の端に木々が生い茂る古方丈と釈迦堂に囲まれた中庭です。次は1912年に建立された御影堂で、内陣須弥壇上に法然上人像が祀られています。次は御影堂と開山堂とをつなぐ曲線状の臥龍廊です。また、御影堂の南隣にある阿弥陀堂には、永観堂の本尊である「みかえり阿弥陀」と呼ばれる後ろを振り返る珍しい姿の阿弥陀如来立像が安置されています。次は開山堂のさらに上にある多宝塔で、ここからの眺めは絶景でした。次は極楽橋から御影堂への参道にわずかに色づいた紅葉で、11月下旬には境内の3千本の紅葉が見頃を迎えます。また、ここ永観堂には、国宝の「山越阿弥陀図」が所蔵されています。(2006年10/20撮影)