「百寺巡礼」の第23番は三千院です。「京都~、大原三千院 ♪」の歌で知られる大原の里にある三千院は、8世紀、最澄が比叡山に建立した円融房がその始まりで、その後山麓の坂本で梶井門跡となり、1871年に大原に移り三千院と改称されました。三千院は皇族や親王が住職をつとめた門跡寺院で、妙法院・青蓮院とともに天台宗三門跡の一つに数えられています。

  最初の写真は、城門を思わせる構えの御殿門です。次は天正年間に京都御所修理の際の余材で建立されたという客殿です。次の2枚は客殿の前にある聚碧園(しゅへきえん)で、池と植栽の刈込が調和した鑑賞式庭園です。次の1926年建立の宸殿は、三千院の本堂で、宸殿玉座の間には下村観山筆の「虹の襖絵」があります。次は入母屋造り、柿葺きの往生極楽院です。堂内には2mを超える本尊の阿弥陀如来坐像が安置されています。その両側には、前屈みにひざまずく「大和坐り」をした勢至菩薩と観音菩薩が並んでいます。これら阿弥陀三尊像は国宝に指定されています。次は往生極楽院のまわりの庭園・有清園(ゆうせいえん)で、杉木立と苔が美しい池泉回遊式庭園です。次は往生極楽院の北東側を取り巻く弁天池です。次は有清園に置かれた杉村孝が製作したわらべ地蔵です。聚碧園は江戸初期の茶人・金森宗和が作庭したといわれ、有清園とともに京都市の名勝に指定されています。次の2枚は金色不動堂と観音堂です。次は観音堂横の補陀落浄土を再現した「慈眼の庭」の美しい紅葉です。

(2020年11/18再撮影)