- もうすぐ8月ですが、この時期になると書店にも先の戦争関連の本が増えたりします。
- そして8月6日広島原爆の日、8月9日長崎原爆の日、8月15日終戦記念日と続くなかで
- 僕の読む本もそういった戦争関連の本が増えます。
- 沖縄に行かれる方は多いかと思われますが、皆さんは海軍司令部跡やひめゆりの塔など
- 戦争跡をご覧になったことはありますか。本当に何とも言えない気持ちになると共に僕たち
- 今の日本人がしっかりしないとという気持ちになります。
- 僕は海軍司令部跡で大田実海軍中将が死ぬ前に海軍次官宛てに打電した 所謂
- 沖縄県民斯ク戦ヘリ県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ
- で結ばれる文章をみると本当に胸が締め付けられる思いです。
- (ちなみに僕の高校時代の国語の先生が偶然にもこの大田中将のお子さんでした。)
- そして今回ご紹介するのは前回同様、
- 小室直樹さん著の 「硫黄島 栗林忠道大将の教訓」です。
- この栗林中将(大将に昇進したのは突撃直前です。)は元々、親米派でアメリカの日本大使館
- 駐在武官として アメリカの凄さを実感し、そしてアメリカの政治を動かすのは世論であるという事を
- 誰よりも理解していた陸軍軍人でした。
- ですからその戦略は玉砕ではなく徹底的な持久戦です。粘りず良く相手に損害をし得る戦い方
- です。(この戦略は後にベトナム戦争でアメリカを相手にベトコンが採用しました。)
- これによりアメリカ軍は制海権・制空権を確保し、日本の3倍の兵力と圧倒的な重火器を使用した
- にも関わらず、アメリカの死傷者数が日本を上回った唯一の戦場でした。このことによりアメリカ世論
- が厭戦ムードになり早期の戦争終結になると栗林中将は考えたのでしょう。
そしてこの硫黄島の戦いと沖縄戦によって日本本土での戦いがあまりにもアメリカ軍の
甚大な損害を想定されるようになり、日本本土戦を回避し、すみやかにポツダム宣言の受諾により
戦争を終結させようという方向にアメリカ上層部は方針転換しました。
このことはソ連や中国の干渉を排し、連合国最高司令部(実態はアメリカ)による占領統治となり、
連合国4カ国(アメリカ・イギリス・中華民国・ソ連)による日本分割統治の回避に繋がりました。
- もしかしたら日本は4つに分割されて朝鮮やドイツのように日本人同士が相対していたかも
- 知れないのです。
- それが起きない様、死力を尽くしてがんばってくれたのがこの栗林中将でした。
- あの当時の日本人は自分の人生、青春、家族との生活を犠牲にして後世の日本を守って下さった
- のだと思います。 どうか後世の日本に尽くした人に感謝をもって・・・・。
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