今かいんは岩山の洞窟にいた。
リベンジ心からドラゴンに再挑戦をしたものの、
その奥にローラ姫が捕えられているかもしれないのに、
一向に助けに行こうとしないで、
むしろ逆方向である西のほうへと足を向けていた。
西の町ガライから今度は南に下り、
しばらく進んだところにある岩山の洞窟で、
宝探しをしていたのである。
ドラゴンの奥の部屋には鍵がかかってたんだ。
急ぐ必要もない。
ローラ姫は生きている。
死んでいるんだったら、
鍵なんてかける必要がない。
生きたローラ姫が逃げ出さないように、
鍵をかけていたんだ。
しかし、ドラゴンを倒した今、
ローラ姫の食事なんかはどうするんだ?
ドラゴンが面倒を見ていたんだろうから、
そのローラの番がいなくなっては、
むしろローラ姫の身が危険なのではないか?
いやいや。
そんなもの、
もう竜王が次のドラゴンを送り込んでいることだろう。
竜王側にはきっと、
ローラ姫を殺せない理由がなにかあるのだ。
でないと、
わざわざ番を置いてずっと幽閉している意味がない。
もしかしたら、
ロトの勇者である俺を
おびき寄せるのが目的なのかもしれない。
そうだとしたら、
むしろ俺が急いで助けに行くのは敵の思うつぼ。
俺はそんな愚行は犯さない。
そう。
だから俺はローラ姫を助けに行かない。
行きたいけど行かないのだ。
決して行きたくないわけじゃない。
面倒くさくて行かないわけじゃない。
宝箱から戦士の指輪を拾い上げながら、
たいまつの明かりの下で、
ひとり喚くかいんの姿がそこにあった。
このアレフガルドは、
かつては太陽が封じられ、
朝の来ない闇の世界であったという。
ところが、その闇の支配者たる大魔王をロトが倒し、
アレフガルドに日の光が戻った。
それ以来、アレフガルドには夜が来ていない。
日の光が戻ったアレフガルドには今や夜はなく、
ずっとずっと昼が続いている。
かいんは今まで一度も夜を見たことがない。
そのアレフガルドで、
夜行性であったはずのドラキーなどは、
今では環境に適応し、
コウモリであるにもかかわらず、
昼の日中から空中を遊泳する生活を送っている。
そんなコウモリの世界で、
純然たる夜行性を保っているのが、ドラキーマ。
暗い洞窟から決して出ることのないドラキーマは、
むしろ自分が白く光りながら、かいんに襲い掛かる。
その光ときたら、
かいんが持つ頼りないたいまつの光よりも、
ずっと明るいでのはないかと思える。
どうだ、まぶしいか!
と言わんばかりの、
ドラキーマのギラに痛い思いをしているうちに、
かいんのほうもレミーラの呪文を覚えた。
レミーラは、
たいまつの実に3倍先までの見通しを可能にし、
照明面積は5倍以上にもなった。
どうだ、まぶしいか!
これでもう出て来れないだろう!
所詮は夜行性。暗い所にしかいられないのだろう!
かいんは、
もうどこにもいないドラキーマに対して罵る。
その効果があったかどうか、
もうドラキーマは姿を見せなかった。
その代わり、
ドロルの怖い顔や、
メトロゴーストの馬鹿にするような表情がよく見えた。
なぜかかいんの斧の切れ味が増し、
ドロルたちは木こりに割られた薪のごとく姿になったという。
やがて、
それなりに潤沢な資金を貯めることができたかいんは、
800ゴールドを投じて鉄の盾を買った。
おかげで、
痛い痛いがいこつの攻撃でも1のダメージしか受けなくなり、
また意気揚々とリムルダールへと向かった。
リムルダール南の聖なる祠は、
雨と太陽が合わさる場所だという。
そして、
雨と太陽の合わさるときには、虹の橋ができるという。
そしてそして、
そのひとつである太陽の石はラダトームにあるという。
しかし、その雨と太陽が合わさる祠の老人は、
かいんの顔を見るなり、
「この愚か者!」と言ってかいんを追い出した。
ロトの子孫という証拠を見せろ、というのである。
なんだと!このくそジジイ!
おおし、いいだろう!
その証拠とやらを見つけて、その顔に叩きつけてやる!
叩きつけられて死んでも知らないからなっ!
憤りながら祠を出てきたかいんの前に現れたのはキメラ。
おう!なんだ!?
俺は今気が立ってるんだ!
死にたくなければとっとと失せろ!
そう言って、一目散に走って、とっとと失せるかいんであった。
さて、
リムルダールで鍵を買ってラダトームへと帰還したかいん。
さっそく鍵を使って城の中の扉を開ける。
宝物庫の鍵を開け、中にいる兵士に話しかけると、
「ロトの勇者が宝を盗んだりはしないでしょう。」
などと言う。
うん。ボクそんな悪いことしないよ?
と言って、兵士が後ろを向いた隙に、
かいんは4つあった宝箱をすべて開いた。
宝箱からは40ゴールドほどのお金が出てきたのだが、
扉の鍵は53ゴールド。
バカヤロー!城の宝箱が4つもあってたったそれだけか!
大したもの入ってないのに、泥棒の心配すんな!
お前もこんなところで番兵すんな!給料泥棒!税金返せ!
開いた宝箱のフタを蹴飛ばして閉めて、
かいんはまた次の扉へと進む。
今まで知らなかったが、ラダトームには鍵屋があった。
ところが、不思議なことに、
鍵屋は鍵のかかった扉の向こう側で商売をしているのである。
鍵を使わなければ鍵を買えないとはどういうことだ!
とんでもない悪質商法だ!
しかも、リムルダールで53ゴールドで売っていた鍵を
ラダトームで85ゴールドで売りつけるとは!
ぼりやがって!
今度からお前のことはボリーと呼んでやる!
そんなかいんの怒りも、
隠し部屋で太陽の石を見つけたときには消えていたという。
ローラ姫のことをすっかり忘れているかいんは、
キム皇のことも3種の神器のことも忘れかけていた。
かいん:レベル9
鉄の斧、鎖帷子、鉄の盾
重要アイテム:太陽の石
さらるはま だきはほほちぢ ばねめにみ ぼへご
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