ここはバトランドという小さなお城。
そのバトランドの王宮戦士のひとりに、ライアンという男がいた。
王宮戦士というのは、旅の戦士とは違い、
城仕えをして、王や国を守ることを勤めとしている。
ゆえに、王の側近であるライアンは、
城の中ばかりに詳しい代わりに、
城の外のこととなると、滅法疎いところがある。
そんなライアンに、今回は遠征の指令が出た。
なんでも、
国内のイムルという村で事件が起こっている、というのだ。
バトランド王は、城の警備が手薄になることを承知の上で、
側近たちに指令を出した。
イムルでの事件を調査し、報告せよ、と。
一見、探偵の仕事のように思える職務であったが、
ライアンは、城の外を見て見聞を広める好機であると感じた。
職務内容が探偵染みているだけに、
ライアンも調査を入念に行う。
まずは、
知り尽くしているバトランド城での情報収集から行うことにした。
この城での調査でわかったのは、
地獄の帝王という者が存在すること、
バトランドの開祖はバトレアという名前であること、
バトレアは神から授かった盾で国を守ったこと。
そして、イムルの事件というのは、
子供が何者かに次々にさらわれてしまうというものであること。
この情報を得たライアンは、
国の未来を担う子供たちがいなくなってしまうという、
連続行方不明事件を追って、イムルへ向かうことにした。
イムルへと向かう途中で、バトランドの城下町を通過するのだが、
ここに、王宮戦士に憧れている老人がいた。
老人は、ライアンを見るなり、仲間にしてくれと言う。
最初、ライアンは、危険なのでその申し出を断ったのだが、
老人の寂しそうな顔を見ていると、どうにも断り辛くなってきた。
そして、つい、仲間にするということを言ってしまった。
老人を仲間にしたライアンは、
同じく城下町にいるフレアという婦人と出会う。
彼女には、アレクスという夫がいるのだが、
アレクスは探究心が旺盛で、旅に出てしまったと言う。
もし、アレクスに会ったならば、私のことをお伝えください、
と、フレアは言う。
フレアの話に夢中で気が付いていなかったが、
老人は、ライアンの歩く速度についてきていなかった。
フレアとの会話が終わり、
やっと追いついてきた老人にライアンは言う。
もっとゆっくり歩くでござるか、と。
老人は、
いや、気にしないでくだされ、と言う。
気にするなと言われても、
王宮戦士たる者、やはり国民を危険に晒すのは気が引けた。
だからライアンは、老人には悪いと思ったが、
ひとりで先に行かせてもらうことにした。
老人を城下町に置き去りにして、ひとりイムルを訪れたライアン。
事件現場での調査を行っているうちに、
いくつかの証言が得られた。
最近、宿屋の息子のププルが、靴か何かで遊んでいるときに、
ぱっと消えてしまった、というのである。
また、子供たちは、大人に内緒で、
町の外で遊んでいるようである。
この驚くべき人体消失の事件に対し、
どうにも話が見えて来ないライアン。
町の外で遊ぶことと、靴で遊ぶことに、
何の繋がりがあるのか?
人体消失の目撃証言がありながら、
「さらわれた」という情報が王宮に上がってきているのはなぜか?
ぱっと消えてしまったことがわかったが、
この情報だけで、バトランド王への報告としていいものか?
ほぼ、何の情報も掴んでいないに等しいライアン。
こんな報告を王にするわけにはいかない。
手詰まりになったライアンは、
この事件は、迷宮入りするのではないかと、
ちょっと自信を失くしていた。
そんな折に、
ライアンは、パン泥棒で捕まったアレクスという男と面会をした。
アレクスは、どういうわけか自分の名前以外思い出せない上に、
大人であるはずなのに、幼児返りを起こしていた。
そして、幼児返りしているおかげで、村の子供たちと仲が良かった。
ライアンは、アレクスという名に聞き覚えがあった。
それは、バトランドで、フレアという婦人から聞いた名であった。
手詰まりだったライアンは、
事件のことは一旦離れて、
アレクスのことをフレアに伝えるために、
バトランドへの帰路へ就くのだった。
ライアン:レベル3、プレイ時間33分

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