僕の正月のモットーは、「酒、ミステリー、& 駅伝」。
即ち、極上の日本酒を飲みながら、駅伝をチラチラ見つつ、新刊ミステリーを読む・・・と云うことである。
しかしながら、今年の正月は読みたい新刊ミステリーがなかった。
まあ、意識して探さなかった。 こだわるほどのことではないし・・・
その代り、次の2冊を用意したのだが・・・難しくてあまり捗らなかった。
湯川豊 小山鉄郎 『村上春樹を読む午後』 (2014年)と、
内田 樹 『もういちど村上春樹にご用心』 (2014年)
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僕はやったこともないし良く知らないが、コンピュータゲーム(ロールプレイングゲーム)には解読本(攻略本)というものがあるらしい。
まあ、いささか趣は異なるが、村上春樹解読本なるものが、それこそワンサと出版されている。
彼の小説には謎がいっぱいあるし、多様な解釈が有り得るからだろう。
村上さんご本人は嫌っているらしいが、僕はこの手の本が好きなのだ。
相当数読んだ気がして、本棚を調べてみると、
○ 加藤典明 『村上春樹論集 ①』 (2006年)
○ 加藤典明 『村上春樹イエローページ ①②』 (2006年)
○ ジェイ・ルービン 『ハルキ・ムラカミと言葉の音楽』 (2006年)
○ 柴田元幸 沼野充義 藤井省三 四方田犬彦
『世界は村上春樹をどう読むか』 (2006年)
○ 清水良典 『村上春樹はくせになる』 (2006年)
○ 風丸良彦 『村上春樹短編再読』 (2007年)
○ 石原千秋 『謎解き村上春樹』 (2007年)
○ 加藤典明 『文学地図 大江と村上と二十年』 (2008年)
○ 加藤典明 『村上春樹イエローページ ③』 (2008年)
○ 小山鉄郎 『村上春樹を読みつくす』 (2010年)
○ 市川真人 『芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか』(2010年)
○ 小山鉄郎 『空想読解 なるほど、村上春樹』 (2012年)
まあ年に一冊くらいは読んでいるみたい。
小説そのものを読むのとはまた違う楽しさがあって、つい購入してしまう。
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話は変わるが、同じ村上春樹さんネタではあるが、
一昨昨日(さきおととい)、即ち1月15日(木)から村上春樹さんの期間限定のウェブサイト 「村上さんのところ」 なるものが開設された。
読者が質問や相談,あるいは話したいことなんかをこのサイトで村上さんにメールすれば、村上さんが(出来る限り)答えると云う。
これまでも同じようなことをやったことがあり、僕も『村上朝日堂』という本を持っている。
まあ、適当にはぐらかしたり、論点をずらしたりして(しかし、シリアスな問題には誠実に答える)
まあ、なんとなく面白い、語り口が。
僕も何か書いて送ろうと思うんだけれど、敬愛する村上春樹さんへの文章となると一寸躊躇しちゃうなぁ・・・
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またまた話はかわるが、
実は、村上春樹解読本に出会う前に、衝撃を受けた解説書(いや、研究書と言うべきか) に出会っているのだ。
○ 亀山郁夫 『ドストエフスキー 父殺しの文学(上)(下)』 (2004年)
○ 亀山郁夫 『『悪霊』神になりたかった男』 (2005年)
まさに、“そういう事だったのか・・・”と、今更ながら、ドストエフスキーの深淵さを思い知る。
そしで、亀山郁夫さんの新訳で,『罪と罰』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』を読み返すことになる。
○ 亀山郁夫 『謎解き『悪霊』』 (2012年)を読んだのはその後のことである。