曽野綾子さんの言葉が響いてきます。
『動物と違い人間になるためには、利害を離れて、
人のために働くことのできる存在にならなければならない。
そしてそれは不思議な見返りを伴っている。
人の役に立つことは、金銭的、時間的、労力的な面だけ計算すれば、
損をすることになるかもしれないが、それを補って余りある充足感が残る』
『今は自分自身が何より大切で、
社会も他人もそのことを認めて自分の希望を叶えるべきだと、
信じている子供や大人が珍しくない。
こういった利己主義者は、個性が強いように見えるが、
実は精神もひ弱で、個性も稀薄な、内容のない人物なのである。
たった一人、その人らしい強烈な個性を育てたかったら、逆説めくが、
他人の存在の真っ只中に、常に自分をさらさなければならない。
そしてある程度傷つかなければならない。
満身創痍の人が強く、味わい深くなるのである。』
自衛隊員の心がなぜ強いのか?
少しずつ分かり始めている。
震災後。テレビ、新聞、雑誌で
大学の先輩、同期、後輩が
指揮官として活躍している様子を目にする。
皆、本当にいい顔をしている。
かなわない。そして申し訳なくも思う。
でも負けないよう自分の持ち場で頑張りたい。