キッチン①<考え方> の続きです。
●キッチンは検討事項が多いですよー。
●基本的なキッチン動線は、どのおうちも同じですよー。
●冷蔵庫がポイントになりますよー。
という内容のことを、前回書きました。
冷蔵庫については次回取り上げるとして、
今回は書くのは、背面収納についてです。
「背面」と書くからには、対面キッチンの場合に限定した内容です。
しかも、かなり最小寸法のケース。
なお、我が家よりももっと狭小で、本当に最小の面積でキッチンを作りたい
のであれば、対面式よりも壁付にした方が良いでしょう。
その場合は、食器や調理器具の収納位置が重要になってきます。
キッチンのスペースを比較的ゆったり確保できていたり、背面収納が
建築家や工務店によるオリジナル設計の場合はあまり参考になりません。
「狭いなりに使い易い対面キッチン」をお望みの方には、
“どの程度の寸法になるのか”多少は参考になると思います。
↑うちの背面収納。引き違いアルミ框扉(半透明パネル入)です。
■収納の奥行寸法
収納に行く前に、ちょこっと冷蔵庫について触れます。
前回の記事で使い勝手の観点から「冷蔵庫がポイント」と
書きましたが、寸法的にもなかなかやっかいなヤツなんです。
↑「無印良品の家」のどこかのモデルハウス。(HPから拝借。)
上の写真のように冷蔵庫までパネルで隠すのと、
我が家のように冷蔵庫を外部に出して見せるかどうかで、
収納の奥行必要寸法が150~200mmは違ってきます。
↓うちの背面収納の寸法を測っているところです。
主に常温保存可能な食料と、一部の食器類を置いています。
棚はステンレスにしたかったけど、高いんですよね…。
コンセントも中に1ヵ所付けましたが、当面使う予定はありません。
左側の壁の奥行は590mm。(幅木分+誤差がありますが。)
また、スチールシェルフからアルミ戸の面(つら)まで、
多少の“空き”を取ってあります。
この理由は、棚のすぐ近くにアルミ戸を設置すると、
食器類が丸見えになってしまうためです。
すりガラスのような半透明の板は、MS板という軽くて丈夫な素材。
ほどほどに離した方が、ぼんやりした感じが強くなります。
我が家では100mm程度の空きを確保してもらいました。
それでも、この記事の一番最初の写真のように、結構透けますね。
■通路部分の寸法
この寸法、とても大事です。
我が家の場合、先ほどの「スチールシェルフ左側の壁」から
「キッチンカウンターの面(つら)」までの寸法は、770mm。

普通に設計したら、この最小寸法は800~900mm、
ゆったりしたキッチンなら1000mmぐらいあると思います。
僕が住宅設計者なら、最初は最低900mmぐらいで提案するかな。
これより狭くする場合は、使い勝手を含めて慎重な検討が必要です。
うちの場合、入居者宅見学会で伺ったお宅のキッチンでこっそり確認。
僕:「フローリング1枚が100mmだから、だいたい800mmぐらいかな?」
妻:「このぐらいあれば十分じゃない?」
みたいな感じのやりとりをしました。
このシミュレーションがなかったら、もうちょっと空けてたかも。
でも現状の寸法で全く困ってないし、問題ないですよ。
もちろん食洗機とか引き出しを開けた状態でもう1人は
通りずらいけど、そういう場面はめったにありません。
3~4人用の家なんだから、同時使用率は低いのでOKです。
■キッチンの奥行方向全体の寸法
一般的なキッチンカウンターの奥行は650mm。
(もちろんこれも要望次第でなんとでもなりますが。)
普通に使いやすく、何の問題もありません。
置き型の食洗機やポットなどを置くならもっと広い方がいいでしょう。
我が家の場合の奥行方向の寸法をまとめると、こうなります。
・壁芯~背面収納 60mm
・背面収納の奥行 590mm
・キッチンの通路部分 770mm
・キッチンカウンターの奥行 650mm
・キッチンカウンター~壁芯 60mm
つまり、背面収納側の奥の壁芯から、
コンロの前の壁芯までの寸法は、2130mmになります。

この記事を読んだ方で、これから家作りをする方に注意して
いただきたいのは、この寸法は「絶対ではない」ということです。
特に770mmの通路部分については、いい加減に決めると危険。
うちは冷蔵庫がキッチンカウンターから完全に外れた位置にあるから
成立しています。(我が家のキッチンカウンターの幅は2400mm。)
出入りの頻度。
収納する物の寸法。
ダイニング側の空間とのバランス。
そして何より、広い・狭い等の感じ方は人それぞれです。
また逆に「広ければいい」というわけでもありません。
調理中に背面収納から物を取る場面があるとしたら、
振り返ってすぐ届くのと、一歩踏み出して取るのでは、
使い勝手が違ってきます。
汐留にあるパナソニックのショールームでは、高さや奥行を稼働棚で
調整して寸法の体感できる「セット」がありました。
他の場所でもあるでしょうから、ぜひ試してみると良いでしょう。
次回は、主に冷蔵庫について書こうと思います。