昨日に続いて、エアコン設置について。
今日は取付工事編です。
写真を中心に、その様子を紹介します。
工事に来たのは、元々大工をしていたという方でした。
建物のこともよく知っていて、手際も良く、
取付開始から終了まで、約1時間でした。
まずは、室内機の正確な設置位置を確認。
背板の位置を決めたら、配管の穴を通す位置を決めます。
そして、穴開け。ウィ~ン、ガリガリガリ…。
こういう建築設備関連の配線や配管を通すために開ける壁や梁などの
穴のことを、建築屋さんはよく「スリーブ(sleeve)」といいます。
元々の意味は「袖」です。「ノースリーブ」(袖のない服)って言いますね。
袖に腕を通すように、壁の穴に配線・配管を通すわけです。
こちらが外壁(ガルスパン)の残骸。
断熱材もろとも、きれいに穴が開きます。
新築の建物への穴開けって、ちょっと切ない気分です…。
真ん中の小さい穴は、大きい穴を開けるための下準備用です。
内側から外側を見たところ。
外が光が眩しいです。
雨天時は工事できないですね。
次に冷媒管を通します。
エアコンは「ヒートポンプ方式」と言い、室内と室外とで
熱の交換を行っています。
文字通り、ポンプで熱を運ぶイメージです。
夏は、冷風を室内に出し、温風を室外に放出します。
冬は、温風を室内に出し、冷風を室外に放出します。
その熱を運んでやるのが冷媒。
で、冷媒は行きと帰りがあるので、2本あるわけです。
(この2本の他に、ドレン管と言って、結露水を出す管があります。)
こちらは、とりあえず外に冷媒管を通したところ。
丸まっています、びろ~ん。
ビス穴からの漏水を防止するため、コーキングをしています。
室外機用の電気配線やドレン管も通したら、
庇やバルコニーの下にスリーブが来る場合は、パテ埋めだけだったり、
冷媒管等をテープで巻いているだけの家も時々見かけます。
しかし、外壁からの漏水防止や美観の点からは、
化粧配管カバーをするべきだと思います。
そもそも室外機等はあまり見えないところに設置するのがベストですが、
間取りとの兼ね合いでなかなかそうもいかないこともあります。
スリーブ外側の化粧配管カバーの回りには、しっかりとコーキング。
もちろん、ちゃんと外壁の凸凹に合わせて施工しています。
半透明の材質だったので、この写真では分かりにくいですね。
コーキングの寿命は、日差しや風雨にされされる環境にもよりますが、
一般的には5~10年程度です。
劣化してくると、硬化しひび割れします。
こういう漏水につながりかねない箇所はできるだけ作りたくないですね。
配管の化粧カバーは、よく「スリムダクト」と呼びます。
因幡(イナバ)電工の商品の名称なのですが、あまりに一般的なので。
(セロテープとかホッチキスとかもそうですよね。)
色はホワイトを採用。
通常は、アイボリー、グレー、ブラウン、ブラックの4色が
標準カラーなので、ガルバリウム鋼板のホワイトで建てた方は、
「アイボリーじゃなくて、ホワイトでお願いね!」
とエアコン業者の方にはっきり伝えた方が良いと思います。
アイボリーでは、外壁の色と合わなくなります。
そしてほどなく室内機の取付も終わり、工事完了。
ご覧の通り、エアコンの設置位置にはほとんど余裕がありません。
狭い我が家のどこに付けるか悩んだ挙句、このプチ書斎にしました。
位置決めって、意外と考えることが多いです。
●美観
・室外機:玄関など、家の「顔」の廻りは避けたい。
・室内機:部屋にいる時、見た目的に気になる場所かどうか。
●性能
・室外機:塀などが近過ぎると効率的な熱交換ができない。
・室内機:吹抜や窓との位置、センサーの性能を発揮できるか。
●音・風
・室外機:隣地側に向くと、クレームやトラブルの元になりやすい。
・室内機:直接風が当たると不快。
上の赤文字は、僕が重視した点。全部、室外機の側ですね。
狭小敷地の我が家では、隣地側は全て塀が立っていました。
そのため、性能を確保するためには、通行人には申し訳ないけれども、
道路側に室外機を設置するのがベストでした。
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さて、そんなわけで今回のエアコン設置工事は滞りなく完了しました。
しかしながら、我が家の施工中には、エアコン用コンセント位置の
手直しを要求する場面がありました。
↓
最初の写真、やけに壁際にあるでしょ?
あのままだと、本棚かエアコンかどちらかの設置に支障がありました。
たかだか20cmの位置の違いですが、工事の途中で
気付いて本当に良かったです。翌週には直っていました。
我が家の設計図には、「エアコン」も「本棚」も「机」もちゃんと
図示されています。(設計の方に図示してもらいました。)
写真には写っていませんが、PC用のコンセントは、本棚の厚みを
避ける趣旨で、「壁から280以上離して設置」と記載してあります。
「エアコン用コンセント」にはそこまでの記載はしていませんでした。
まぁ現場の方も分かるだろうと。
ところが、こういうことが起きました。
できれば電気工事をする業者の人にも、分かって欲しかったなぁ。
「コンセントがそこにあったら、本棚で隠れちゃうでしょ!」
ってこっちが言わないといけないようじゃ、ねぇ。
家全体のことからすれば、すごくささいなことです。
でも、マイホーム購入者が、住み始めてから一番後悔することが、
「スイッチ・コンセントの位置」だそうです。
これから家作りをする方は、できるだけ家具の位置や大きさを
具体的に想定して、「図面に記入してもらうこと」をお勧めします。
営業・設計の方に話した内容の99%が現場にちゃんと伝わっても、
残り1%のために不満が残る可能性があります。
自分たちの要望は、設計図面で表現してもらいましょう。
そして現場では、その通りになっているかを確認しましょう。
エアコンの話から大きく脱線しちゃいました。
