本屋には、家相・風水の本が売られています。
メディアによく出る「風水建築デザイナー」なる肩書の人がいるそうです。
デパートの上の階にいる占い師・霊能者も、きっと間取りを見てくれます。
でも住みやすく、使い勝手の良い、満足のいく家作りをしたいなら、
こういった方々による間取り診断なんて絶対にやめた方がいい。
と僕は思っています。
別に商売の邪魔をするつもりはないんですけどね。
真剣に気にしている方の場合、
計画の初期だろうが、間取りが確定してからだろうが、一度見てもらうと
きっとその言葉が引っかかってしまう可能性が高いです。
それがどんなに非科学的で非現実的で理不尽なアドバイスだとしても。
やっと完成した間取りを見せたら「階段の位置を変えろ」と言われて
また一から設計をやり直しになったとか…
北道路の敷地なのに南に玄関と言われて滅茶苦茶になったとか…
そんなことが現実には起きているようです。
ここまでくると「設計者を馬鹿にするな
」と言いたくなってしまいます。
もし自分が必死になって設計したプランに対して、
「風水ではここに階段は良くないらしいんですけどー、どうしましょう?」
なんて言われたら…
ウキーーーーーッッッ!![]()
ってなってしまいそう。
想像するだけでちょっと腹が立ってきた(笑)
というか、その後の設計のモチベーションは相当低くなりそうです。
きっと法外な設計変更料を取られますので、セレブな方以外は
ぜひ安直な気持ちで風水診断とかしないでください![]()
同じように非科学的でも、建築業界では「暦」については
配慮するケースが多いですね。
僕自身は自邸の建築の際にはほとん気にしなかったけど、
お客さんが気にするなら配慮するし、地鎮祭のように
「神様よろしく」的なイベントもあっていいと思います。
日本人は無宗教だの多神教だの言われますが、何かにすがりたいと
いう想いは誰にでもあると思います。
僕はめざましテレビの占いですら会社に着いた頃には忘れてますけどね。
学生時代にバイトしていた設計事務所の所長が、代表を務めるように
なってから時々占ってもらうようになったと言っていました。
トップに立つ人間には、それより上の立場で自分に助言してくれる人が
いないために、そういう傾向があるのだと思います。
僕は下っ端のサラリーマンに過ぎませんが、ちょっと分かる気もします。
それにしても…
「風水建築デザイナー」なる肩書は、アリなのか?
風水で建築がデザインできるのか?
誰も被害を受けてはいないからとりあえず詐欺ではないとして…
景品表示法とか抵触はしないのか?
まぁどっちでもいいか。