間取りの優先順位 | In My Life■無印良品の家

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建築士の視点から見た「無印良品の家」(木の家)の紹介を中心に、
インテリア・音楽・食べ物・旅行・日々の出来事を自由に書いています。

日常生活において、様々な「優先順位」をつけますよね。


今回は、間取りにおける優先順位について、です。



■優先順位って?


家事や仕事において優先順位を付けるという行為は、

大抵は『時間の効率化』を目的としています。


例えば、調理の際には、ほとんど無意識というか、瞬間的に

“何を先にやるか”って順位をつけているでしょう。


洗う、切る、沸かす、焼く、煮る、茹でる、温める、他にも

様々な行為があり、それを手際よく順序よく行います。


何時間もかけて料理を作るのは『シェフ大泉』ぐらいです。

(すいません、「水曜どうでしょう」ファンしか分かりません。)


時間の効率化を目的とする順位付けは、最もベストな解答、

またはそれに準ずる正解に近いものが存在します。




■注文住宅の存在意義


一方、「間取りの優先順位」というのはもっと抽象的で、

調理の順番のようなベストな解答はありません。


しかも、人や場所によって異なります。



もし間取りに正解があるなら、建築設計者なんて存在する

必要がなくなってしまいます。


注文住宅の存在意義がそこにあります。

オーダースーツのように、

その人・家族に合ったものを作るのです。



逆に言えば、建売住宅は「間取りの正解」に近いものを

形にした建物と言えます。


しかしながら建売住宅の場合、大抵の人がこう住みたいであろう、というものを想定して建てた家ですから、極端に住みにくい家は少ないのですが、本当に自分たちの「住まい方」にフィットする家も少ないのが現実です。




■我が家の場合


家作りの計画段階で、間取りや開口部を決定する際の

優先順位について、我が家のケースを紹介します。


我が家の優先順位はこうでした↓



【これだけは譲れない!】

・スムーズな動線計画
 (水回りは特に重視)



【かなり重要!】

・採光・通風
・居心地の良さ

・コスト

 (厳密に言えば、コストに対して間取りが影響するもの。

  外壁の凸凹・水回りのコンパクトさなど)


【考慮はします】

・外観
・構造的に無理のない平面
・日当たり


【どうでもいいかー】

・家相・風水・暦




妻の意見との食い違いがほとんどなかったのが幸いでした。


ここで食い違うと、

「この人とは価値観が合わないわ…」ダウン

なんてことになりかねません。


設計事務所や建築家に設計してもらう家なら「外観」はもっと上に来て、占い好きの人なら「家相・風水」がもっと上に来るでしょう。

我が家においては、日当たりの優先順位は下でした。

でも暗い家にしたくはなかったから、採光は欲しかったんです。


「日当たり」に関しては、また別の時に記事にします。


そんなこんなで、土地の候補(=今の場所)が見つかった日の夜に描いたスケッチがこちらです↓


注文住宅の建て方■無印良品の家-最初の提案図


SE構法の基準も知らないし、無理のある部分がいくつかあります。


ぶっちゃけた話、車は敷地に入りきっていません(笑)

大きさだけ軽自動車で、普通車の形をしていますあせる



とはいえ、2階の部屋が入れ替わったり、

玄関の位置が変わったりしていますが、

おおざっぱに言えばこのままできてます。




■まとめ


我が家の間取りはさておき、今回言いたかったのは、


『優先順位は十人十色』


ということなんです。


注文住宅は、「その人たちだけの正解」があります。

でも、普遍的な「間取りの正解」はないのです。