東京国際アニメフェア参加拒否⇔都の漫画規制案に抗議〓出版10社
12月10日、講談社、小学館、角川書店などの出版社で構成する「コミック10社会」は、過激な
性描写のある漫画の販売規制を盛り込んだ東京都青少年健全育成条例改正の動きに抗議して、
石原慎太郎都知事が実行委員長を務める「東京国際アニメフェア2011」への出展をボイコットす
ると発表しました。
10社会は、改正案を「これまでの出版界と都当局の話し合いの歴史を踏みにじるもので、規制対
象は依然あいまい」と声明で指摘し、石原知事らの対応についても「事実誤認に満ちた不誠実な発
言を繰り返している」と強く批判しました。
東京都青少年健全育成条例改正の動きでは、驚くべきことに“漫画家やアニメ制作者との話し合
いが持たれないままに議論が進められ”ているそうです。
また、その過程で石原都知事から漫画やアニメ、およびその制作者に対しての不誠実な発言が何
度も繰り返されたことから、強い不信感を持った「コミック10社会」が抗議の意味を込めて、石原
都知事が実行委員長を務めるアニメフェアへの参加を拒否したと表明しました。
そして、前述の理由のため、声明の中では「アニメフェアへ不参加」ではなく「協力・参加を断固、
拒否します」と異例に強く宣言されています。
改正案は6月都議会で否決後、一部修正の上12月議会に再提出され、東京都議会総務委員会
は13日午後、過激な性行為を描いた漫画やアニメの販売などを規制する都青少年健全育成条例
の改正案を賛成多数で可決しました。
そして、15日の本会議でも可決の見通しです。
思想言論の自由は、細心の注意をはらっていないと、こういう一見正当な姿を装って第一歩踏み出
してくる弾圧者達によって蹂躙されるのです。
「歴史に学べ!」と言います。 戦前までの過去事例を勉強されてないのでしょうか?
これは恐ろしいことです。(-_-;)
※東京国際アニメフェアは来年3月下旬に開催予定。
URLは下記です。
http://www.tokyoanime.jp/ja/
コミック10社会が発表した緊急声明の全文は以下のような内容です。
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緊急声明
平成22年12月10日
12月7日深夜、角川書店の井上伸一郎社長がツイッターで表明した「東京国際アニメフェア2011」への出展取りやめは、瞬く間にネット上で大きな反響を巻き起こしました。
言うまでもなく、同アニメフェアの実行委員長は石原慎太郎東京都知事です。
石原都知事は、今回の「東京都青少年健全育成条例」改正に関して、たびたび漫画や漫画家に対する不誠実で無理解な発言を繰り返し、同改正案の成立を突き進めております。
「東京都青少年健全育成条例」改正に関しては、規制の対象が極めてあいまいであるとして多くの議論を呼び、本年6月に否決されたことは、周知の事実です。こうした改正案に新たに修正を加える場合、その内容と条文をあらかじめ公にして、議論を尽くすべきですが、今回、都側は、そのようなことを一切実施していません。この改正案は、最も重要視されるべき漫画家やアニメ制作者との話し合いが一度も行われないまま、今日に至っております。
また、提出された改正案についても、これまでの出版界と都当局との話し合いの歴史を踏みにじるものであり、規制の対象は依然あいまいで、むしろ拡大さえしています。
こうした経緯を踏まえれば、当事者である漫画家やアニメ制作者が、都側の一連の行動および改正案に強い怒りと不信感を抱くのは当然です。漫画家・アニメ制作者の、漫画やアニメの未来を憂える発言に対して、本来ならば石原都知事と都当局は、真摯に耳を傾けるべきだと考えますが、それさえ行おうとせず、事実誤認に満ちた不誠実な発言を繰り返し続けています。
我々は、こうした石原都知事および都当局の、漫画・アニメ制作者たちに対する敬意に欠けた態度に強い不信感を抱かざるをえません。
このような状況において、石原都知事が実行委員長として開催しようとしているアニメのイベントに賛同し、行動をともにすることは到底できるものではありません。
我々は、「東京国際アニメフェア2011」への協力・参加を断固、拒否します。
以上
コミック10社会
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