アポロンとデュオニュソス | CACHETTOID

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Art is long, life is short.
一人の人生で得ることのできる知識や経験は、ひどくちっぽけなものですが、僕らは巨人の肩の上に立つことにより、遥か彼方まで見渡すことができます。
文学、芸術、神経科学、哲学、思考などを自由に展開していくブログです。

 
アポロン
 彼は、太陽神として、文字通り、輝き続ける。
対して、デュオニュソスは、酒を飲み、踊り、我を忘れて陶酔する。
この二人を対立して考えたのが、ニーチェだ。
悲劇の誕生より。 
 *ギリシャ・ローマ神話の絵画、千足伸行
 
アポロンは、大蛇ピュトンを仕留めた時に、弓をいじくるキューピッドをからかった。
からかわれたキューピッドは仕返しに、アポロンの胸に恋心を掻き立てる黄金の矢を、アポロンが愛するダフネには冷めた心しか生まない鉛の矢を打ち立てた。
 
変身物語の一文がかっこいい・
「なんと悲しいことだろう。恋だけはどんな薬草でも癒されず、万人に役立つ医術が、その発明者には役立たないのだ。」
 
*参考
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ
 アポロンとダフネ (ワシントン ナショナル・ギャラリー・オブ・アート)
 
アポロンの神話はもう一つ。
ヒュアキントスとの一場面。
アポロンのかわいがるヒュアキントス。円盤投げで遊んでいる最中に円盤が頭にあたり、絶命してしまう。医術に長けたアポロンでもヒュアキントスの命を止めることはできない。
「お前はこれから私の記憶と歌の中に私と一緒に生きなければならぬ。私の堅琴はお前を名高くするだろう。お前は、私の哀惜を刻んだ花となるだろう。」
彼が亡くなった後に、テュロス染よりもっと美しい色をした花が咲きました。アポロンはその花弁にAi, Aiと書きました。ギリシャ語で「悲し、悲し」という意味です。それは今も私たちは見ることができます。
ヒュアキントス(ヒアシンス)は今も、春ごとにその記憶を蘇らせます。
 
さて、ヒアシンス!!!なんてこと。ダロウェイ婦人の一人娘、エリザベスの形容に何度も何度も出てきたヒアシンス。こういう意味があったのか。ん??
あ、でも、ヒュアキントスは、ヒアシンスではなく、多分、アイリス、ラクスパ、あるいはパンジーとのことですが。