素晴らしい天気。
早く出発したいと思いながらも、昨日のブログが書けていないためにテントに籠る。
辛い時間である。
旅をしに来ているのか、ブログを書きに来ているのかわからなくなる時がある。
そういう時は、その両方をしに来たのだと思うようにしている。
ブログのために半日使ったって良い。
今まで電車やバスの旅で、それをやらずに後悔してきたのだから。
現在いるのは北海道北東部、網走地方のサロマ湖という湖の畔。
今日はここから海沿いに走り、北海道の東に伸びる知床(しれとこ)半島を目指す。
正午を回って、ようやく出発。
北海道北東部に入ってからの道中は道端に警察が隠れている事が多かったので、40㎞をキープしてチンタラ走る。
50ccのカブに乗った女の子にも追い越される始末。
だが決して急ぐまい。
もし捕まって反則金など払わされようものなら、その時点で原付の旅は終了。
ヒッチハイクと断食の旅に切り換えなければならなくなる。
真っ青な空の下をどこまでも、ず～～～～～～っと走っていく。
北海道に来てからというもの、毎日この景色だ。
能取湖(のとろこ)という湖で昼食。
安売りしていた食パンを、オリーブオイルでひたすら流し込む。
意外といける。
6枚切りのうち3枚食べるとしても、1食40円ほどで済ませられる。
これからは食パンをメインの食材に据えても良いかもしれない。
湖の周辺は道路も曲がりくねっている。
ずっと真っ直ぐな道ばかり走ってきたので、カーブが気持ち良くて仕方ない。
原付だからというのもあるかもしれないが、やはり自分は長い直線よりもコーナーを走る方が好きだ。
網走付近まで来ると、景色もどことなく北海道らしくないと言うか、小高い山が間近にまで迫ってきているのが嬉しかった。
そして網走と言えば網走刑務所。
明治時代から実際に使用されてきた建物を保存公開している博物館があるらしい。
有り難い事に、今まで刑務所に触れる機会というのは無かったので、この際に行ってみる事にしよう。
と、思ったら…。
現在使用されている方の刑務所(本物)に来てしまった。
現行の方もなかなか趣のある建物なので、たまに間違えてこちらに来る人がいるらしい。
さすが本物。
建物の美しさとは裏腹に、静かに重い空気が漂っている。
こんな所の世話になるような人生でなくて、本当に良かった。
と言ってもこの先世話になる可能性もゼロではないのだが…。
看守「798番！早く房に戻らんかっ！」
はい！申し訳ありませんでしたっ！！
くそぅ、あの程度の壁ぐらい越えてくれるわっ！
とりゃっ！！
へへっ♪ちょろいぜ！
あばよ！とっつぁん！！
※本物の刑務所です。
無事に脱走完了！！
シャバの空気はうまいぜ～♪
シャバ…じゃなくて国道に戻り海沿いをしばらく進む。
海の色が真っ青で綺麗だ。
外の世界は…じゃなくて、天気が良いと見るもの全てが美しく感じる。
いや～、自由って素晴らしい！
濤沸湖(とうふつこ)。
湖といっても広大な湿原のようなものらしく、道路の横にはサバンナのような景色が広がっている。
キリンとかシマウマとか居てもおかしくない風景だ。
普通の馬なら居た。
シャバの景色は美しいなぁ～。
いや～。
自由だなぁ～。
17:00
浜小清水(はまこしみず)駅前の道の駅に到着。
東屋もあり快適そうだったので、ここを本日のキャンプ地とする。
テントを張っていると、夜釣りに来たオジサンに話し掛けられた。
オジサンは以前は東京に住んでいて、カブで札幌まで帰ってきたという。
まさに東日本縦断ラリーを達成した人だった。
今日の夕飯は何だと聞かれたのでカップラーメンだと言うと、「ちょっと待ってろ」と言って売店で色々買ってきて差し入れてくれた。
ちゃんとしたサイズの弁当に、コロッケ、サイダー、なにより有り難いのが卵だった。
今、欲している物をわかってくれている。
さすが元旅人！
生卵はバイクで持ち運べるように全部ゆで卵にしました。
オジサンありがとうっ！
パンもあるし、明日はタマゴサンドだ！
久しぶりに腹一杯になって就寝。
寒い北の大地で、温かい人の心に触れた夜だった。
2014.08.28
■天候:晴れ
■走行距離:73㎞
■総走行距離:12540㎞
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