ここで一気にICMが、二週連続更新っす。
Extracorporeal membrane oxygenation, acute kidney injury, fluid balance, and continuous renal replacement therapy: Acute Disease Quality Initiative (ADQI) and Extracorporeal Life Support Organization (ELSO) joint consensus conference
一言でいうと
「ECMO患者ではAKIとfluid overloadが極めて多く、CRRTは単なる腎代替療法ではなく、体液管理ツールとして考えろ」
がメッセージ。
⸻
背景
* ECMO患者の約半数でAKI発症
* 約半数でCRRT併用
* AKIもfluid overloadも死亡率上昇と関連
という認識からまとめられた。
⸻
1. AKIはECMO開始前から始まっている
重要なのは、
「ECMOがAKIを起こす」
ではなく、
「AKIを起こすような重症患者がECMOになる」
こと。
原因は
* ショック
* 低灌流
* 炎症
* 溶血
* 右心不全
* カテコラミン大量投与
など。
心外領域だとかなり実感に近い話。
⸻
2. Fluid overloadを軽視するな
特に強調されている。
Fluid overloadは
* ECMO離脱率低下
* 人工呼吸器期間延長
* ICU滞在延長
* 死亡率増加
と関連。
つまり
Crが1.0だから安心
ではなく、
「何kg増えてる?」
が大事。
⸻
3. CRRT導入はCrだけで決めるな
従来の
* K上昇
* 重症アシドーシス
* 尿毒症
だけでなく、
体液過剰そのもの
がCRRT開始理由になりうるとしている。
これは最近の流れそのまま。
⸻
4. CRRT早期導入は推奨されない
面白い点。
AKIだから即CRRT
ではなく、
* 体液バランス
* 尿量
* 電解質
* 酸塩基
を総合評価しろ、と。
「早ければ早いほど良い」
という根拠はない。
⸻
5. ECMO中の除水
除水は必要だが、
急激な除水は危険。
特に
* VA ECMO
* RV failure
* post-cardiotomy
では慎重に。
心外麻酔・ICU的には
「昨日+8Lだから今日全部引こう」
はダメという話。
⸻
6. CRRT接続方法
結論としては
* ECMO回路組み込み
* CRRT単独回路
どちらも可
施設経験を優先。
これは予想通り。
⸻
7. バイオマーカー
期待はあるが、
NGAL
* TIMP-2 × IGFBP7
などは
まだルーチン推奨には至らない。
⸻
心外・ECMO屋としての実践ポイント
超要約すると、
昔
Cr上がった
↓
CRRT
今
体液過剰
↓
肺が乾かない
↓
離脱できない
↓
CRRT
という考え方。
特に
* CABG後VA ECMO
* PCS
* RV failure
* graft dysfunction
あたりでは、
Crより累積fluid balanceを見る
方向に完全にシフトしている。
⸻
個人的には、このコンセンサスで一番重要なのは
「ECMO中のCRRTの主目的は腎臓治療ではなく、体液管理であることが多い」
と明文化された点だと思う。
心外ICUでよくある
「Cr 1.3だけど+10kg」
みたいな患者は、まさにこの文書のど真ん中の対象だね。
Impact of appropriate antimicrobial therapy on patient outcomes and antimicrobial use: a sub analysis of the DIANA Study Dataset
初期治療ほど大事なモノはない。
特に、Vital管理と抗生剤。
目的(Objective)
不適切な抗菌薬治療が予後不良と関連することは一貫して示されている一方で、
「適切な経験的抗菌薬治療(empiric therapy)」がどの程度患者の転帰を改善するかについては、まだ明確ではない。
そこで本研究では、
* ICU患者における適切な経験的抗菌薬治療の実施率
* その治療が予後や抗菌薬使用量に与える影響
を、大規模国際コホートで評価した。
⸻
方法(Methods)
本研究は、DIANA研究の事前規定サブ解析である。
対象は、
* ICU入室中
* 細菌感染症が疑われる、または確認された
* 経験的抗菌薬治療を受けた成人患者
のうち、
微生物学的に病原体が同定された患者のみ
を解析対象とした。
適切な経験的治療とは、
投与された抗菌薬のうち少なくとも1剤が、培養で同定された病原菌に対してin vitroで感受性を有していた場合
と定義した。
評価項目は、
* 28日死亡率
* 28日間の抗菌薬非使用日数(antimicrobial-free days)
であり、
多変量ロジスティック回帰およびCox回帰モデルを用いて解析した。
さらに、
* 重症度
* 診断確実性
による効果修飾(interaction)も事前に検討した。
⸻
結果(Results)
845例の培養陽性患者のうち、
87.7%が適切な経験的抗菌薬治療を受けていた。
不適切な治療群と比較すると、
適切な治療群では
* ICU死亡率が有意に低かった
* 28日間の抗菌薬非使用日数が長かった
* 人工呼吸器非使用日数も長かった
。
患者背景を補正した後でも、
適切な経験的治療は
28日死亡率低下と独立して関連していた。
* 調整オッズ比(OR):1.83
* 95%CI 1.11–3.06
* p=0.02
* 調整ハザード比(HR):1.51
* 95%CI 1.03–2.21
* p=0.035
(※解析の向きの関係で、数値は「不適切治療群の死亡リスク上昇」を示している。)
効果修飾解析では、
* 診断確実性にかかわらず効果は一貫していた
* 特にSOFAスコア3~9の中等症患者で利益が大きかった
ことが示された。
⸻
結論(Conclusion)
ICU重症患者において、
病原菌に対して適切な経験的抗菌薬治療は、28日死亡率の低下と独立して関連していた。
またその利益は、
* 診断が確実かどうかに関係なく認められ、
* 特に中等度重症患者で顕著であった。
⸻
臨床的な解釈
この研究のメッセージはかなりシンプルで、
「とりあえず広域にしておけばいい」
ではなく、
初回から病原菌をカバーできているかが重要
ということ。
面白いのは、
SOFAが非常に高い患者では利益が相対的に小さく、
SOFA 3~9くらいの『まだ救える重症患者』で最も恩恵が大きかった
点だね。
ICU実践的には、
* 敗血症
* VAP
* 腹腔内感染
* 術後感染
などで、
「培養結果待ちだから適当に広めに出す」ではなく、
その患者のリスク因子から最初の1本を外さないことが重要
という結果といえる。
確実に当てていけ‼︎ エンドランみたいっすね。
Temporal trends and prognostic factors in critically ill adult patients with acute leukemia: an individual participant data meta-analysis
急性白血病✖️ICU
確かに、、、、良い印象は全くないが。。。
目的(Purpose)
急性白血病患者は重症化するとICU管理を必要とすることが多い。
近年、
* 化学療法の進歩
* 支持療法の向上
* ICU管理の進歩
がみられているため、
本研究では
* ICU死亡率の経時的変化
* ICU予後に影響する因子
を明らかにし、ICU入室判断や治療方針決定に役立てることを目的とした。
⸻
方法(Methods)
急性白血病患者のICU入室を扱った研究の
個別患者データ(IPD)メタ解析
を実施した。
対象:
* 成人急性白血病患者
* ICU入室患者
除外:
* 同種造血幹細胞移植後患者
解析では、
ICUごとの違いをランダム効果として考慮した混合効果ロジスティック回帰を用いて、
特に
* ICU入室年
* 年齢(65歳超)
* 人工呼吸管理
が死亡率へ与える影響を評価した。
⸻
結果(Results)
患者背景
* 19か国
* 55 ICU
* 2003例
中央値年齢
* 58歳(44–67歳)
疾患内訳
* 急性骨髄性白血病(AML):72%
ICU入室時期
* 診断時または寛解導入療法中:64%
⸻
ICUで必要となった治療
* 人工呼吸器:55%
* 昇圧薬:57%
* 腎代替療法(RRT):21%
⸻
ICU死亡率
全体
* ICU死亡率 45%
人工呼吸器使用患者
* ICU死亡率 66%
⸻
ICU死亡率を上昇させる独立因子
① 高齢(65歳超)
OR 1.98
→ 死亡リスク約2倍
⸻
② AML
OR 1.70
→ ALLなどと比較し死亡率高い
⸻
③ 診断時または導入療法中の入室
OR 1.50
⸻
④ 再発・難治例
OR 2.08
→ 死亡リスク約2倍
⸻
⑤ 人工呼吸管理
OR 6.46
→ 最大の予後不良因子
⸻
⑥ 他の生命維持治療
(昇圧薬・透析など)
OR 2.21
⸻
時代による変化
興味深い結果として、
ICU入室年が新しいほど生存率は改善していた。
しかし、
この改善は
人工呼吸器を要した患者でのみ有意
だった。
OR 0.93/年
つまり、
毎年約7%ずつ死亡リスクが低下していた計算になる。
⸻
結論(Conclusions)
急性白血病患者のICU予後は近年改善しており、
特に
人工呼吸器管理を必要とした患者で改善が顕著
であった。
一方、
以下は依然として強力な死亡予測因子である。
* 高齢
* 人工呼吸管理
* 昇圧薬や透析など追加の生命維持療法
今後は、
単なる年齢だけではなく、
* フレイル
* ADL
* 機能評価
を組み合わせて予後予測を行う必要がある。
⸻
ICU・麻酔科的な実践ポイント
昔(2000年代前半)は、
「急性白血病+人工呼吸器=ほぼ助からない」
という印象が強かった。
しかしこの研究では、
人工呼吸器患者でも死亡率は66%。
裏返せば、
3人に1人は生存退室している。
さらに予後は年々改善している。
なので現在は、
「白血病だからICU適応なし」ではなくなった
というのが最大のメッセージ。
一方で、
* AML
* 再発例
* 高齢
* 人工呼吸+昇圧薬+透析
が重なると予後はかなり厳しく、
家族説明や治療強度の判断では重要な情報になるね。
少しづつ、、、、改善。
でも、やっぱ、恐ろしい病気っすね。。。
Effects of out-of-bed armchair positioning on oxygenation in spontaneously breathing ICU patients receiving respiratory support: a randomized controlled trial
座位って、そんなに横隔膜にGoodな体位じゃないよね〜、って話は結構あって、結局内蔵脂肪を、肺じゃないとこへ逃すには、うつ伏せに近い体位が必要だと思うっすけどねえ僕も。
目的(Purpose)
ICUでは、
ベッドから離れて椅子(アームチェア)に座らせる
ことがしばしば行われるが、
実際に
* 酸素化
* 呼吸状態
を改善するかについての質の高いエビデンスは少ない。
そこで本研究では、
自発呼吸を有するICU患者において、
* ベッド外のアームチェア座位
* ベッド上の半座位(semi-recumbent)
を比較し、
酸素化への影響を検討した。
⸻
方法(Methods)
単施設RCT。
対象は、
自発呼吸があり、
以下のいずれかを受けている成人ICU患者。
* PSV(Pressure Support Ventilation)
* HFNO
* NIV
患者を
アームチェア群
ベッドから移乗して椅子へ座る
ベッド群
ベッド上半座位を維持
に無作為割付した。
介入時間は3時間。
介入前後で動脈血ガスを測定した。
主要評価項目は
PaO₂/FiO₂比(P/F比)
の変化。
⸻
結果(Results)
登録患者
284例
* アームチェア群:146例
* ベッド群:138例
介入前のP/F比は両群で差なし。
⸻
酸素化
群と時間の交互作用は有意
(p = 0.002)
⸻
アームチェア群
P/F比
+13 mmHg
(95%CI 1〜24)
改善
⸻
ベッド群
P/F比
−13 mmHg
(95%CI −25〜−1)
悪化
⸻
介入3時間後
アームチェア群
P/F
241 mmHg
(95%CI 214–268)
ベッド群
P/F
206 mmHg
(95%CI 179–233)
群間差
+35 mmHg
(p = 0.004)
⸻
安全性
重篤な有害事象なし。
軽微な有害事象は
アームチェア群でやや多かったが、
介入継続にほぼ影響しなかった。
⸻
結論(Conclusion)
呼吸補助を受ける自発呼吸ICU患者では、
ベッド上半座位を続けるよりも、実際にベッドから離れて椅子に座らせた方が3時間後の酸素化が改善した。
また、
重篤な有害事象は認めなかった。
⸻
ICU実践での解釈
これ、意外と面白いRCTだね。
従来は
「起こした方が良さそう」
という経験則だったけど、
実際にRCTで
P/F比が35 mmHgも改善
している。
例えば、
* P/F 200 → 235
* P/F 180 → 215
くらいの差。
結構大きい。
⸻
考えられる機序は
① 横隔膜の動き改善
座位になると
* FRC増加
* 横隔膜の可動域増加
⸻
② 背側無気肺改善
背中がベッドに圧迫されなくなる
↓
リクルートメント
⸻
③ 分泌物排出促進
⸻
④ 呼吸仕事量低下
⸻
というところ。
⸻
現場目線だと、
HFNOやNIV中の
* 肺炎
* AHRF
* 術後呼吸不全
患者で、
「ベッドギャッジアップ45度」
より
実際に椅子へ移乗させる方が酸素化改善に効く
可能性を示したRCTと言える。
特にP/F 150〜250くらいの患者では、
PEEPをいじる前に
「まず座らせる」
という介入の価値を裏付けるデータだと思う。
ふうん、、、、思ったより、座らせる、という行為は大事なのかも知れませんね。でもSemiProneとか、とも比較して欲しい。後、肥満の有無ね‼︎
Personalized automatic management of tracheal cuff pressure and subglottic secretions drainage to prevent pneumonia in critically ill intubated patients. The MICROINHALO multicenter randomized controlled trial
it's Automatic‼︎ 宇多田ヒカルもビックリだぜ。
目的(Purpose)
MICROINHALO試験は、
呼気CO₂を利用して個別化した自動カフ圧管理(Pcuff)と、自動声門下吸引(SSD)を組み合わせることで、挿管患者の気管内細菌定着を予防できるか
を検証した研究。
背景として、
VAPの発症には
* カフ圧低下によるmicroaspiration
* 声門下分泌物の貯留
が重要と考えられている。
⸻
方法(Methods)
国際多施設クラスターRCT
参加施設
* 10 ICU
対象
* 成人ICU患者
* 気管挿管患者
⸻
自動管理群
専用チューブを用いて
* 呼気CO₂を利用した自動カフ圧調整
* 自動SSD
を実施
⸻
対照群
通常管理
* 手動カフ圧管理
* 手動SSD
⸻
主要評価項目
挿管3日目の
気管内細菌定着
(>10³ CFU/mL)
⸻
結果(Results)
解析対象
* 自動群 127例
* 手動群 123例
計250例
⸻
主要評価項目
気管内細菌定着率
自動群
37%
(47例)
手動群
41.5%
(51例)
差
−4%
95%CI
−16~8%
P=0.52
⸻
有意差なし
つまり
主要評価項目は達成できなかった。
⸻
しかし副次評価項目では興味深い結果
臨床的VAP
自動群
12.6%
手動群
24.4%
P=0.016
⸻
微生物学的VAP
自動群
10.2%
手動群
19.5%
P=0.039
⸻
約半減
している。
⸻
カフ圧管理
安全域外のPcuff
自動群
10.2%
手動群
24.4%
P<0.001
⸻
つまり
自動管理の方が
カフ圧を適切に維持できた。
⸻
SSD量
1日あたり
自動群
25 mL
手動群
10.5 mL
P<0.001
⸻
自動群の方が
約2倍以上の分泌物を除去できた。
⸻
結論(Conclusions)
重症挿管患者において、
自動カフ圧管理+自動SSDは、気管内細菌定着の予防という主要評価項目では手動管理に優越性を示せなかった。
一方で、
VAP発症率は有意に低下しており、
この効果については今後さらなる検証が必要である。
⸻
ICU的な解釈
面白い試験で、
実は
Primary endpoint
×
(陰性)
なのに
臨床的に一番大事なVAP
○
になっている。
⸻
つまり、
研究者が想定した
自動Pcuff
→細菌定着減少
→VAP減少
というメカニズムは証明できなかった。
しかし実際には
VAPは減った。
⸻
なので、
現場的には
得られるメッセージ
* カフ圧は自動管理の方が安定する
* SSDは自動の方がよく吸える
* VAPは減る可能性が高い
* ただし機序はまだ完全には説明できない
という感じ。
⸻
ICU・心外目線だと、
この結果は
「カフ圧管理なんてどっちでも同じ」ではなく、かなりVAP予防に寄与する可能性がある
という印象。
特に
* 長期挿管
* ECMO
* 重症肺炎
* CABG後長期人工呼吸
みたいな患者では、
自動Pcuff+連続SSDの価値を支持するデータと言えそうだね。
ただし論文としては、
Primary endpoint陰性なので“VAPを減らすと証明された”までは言えない。
「有望なシグナルが出た」という位置付けが妥当だと思う。
ICU管理とか、、、、全部自動でイケる時代くんじゃね?モニターでさ、BP、HR、CO2、さらにBisとか、尿量もいけるっしょ。人工呼吸器、気管チューブもコレでイケる、と。
人間、、、、要らんな(^。^)
Airway management in critically ill patients with obesity
要約。
肥満の挿管管理。
これはRCTじゃなくて、
“Airway management in critically ill patients with obesity”
(ICM 2026 Narrative Review)
肥満重症患者の気道管理についての総説だね。
靖久さん向けに実践的なところだけ抜くと、
⸻
結論
肥満患者の挿管で一番重要なのは
「解剖学的困難気道」よりも「生理学的困難気道」
である。
つまり
見えるか見えないか
より
SpO₂が落ちる前に入れられるか
が勝負。
⸻
なぜ危険か
肥満患者は
* FRC低下
* 酸素消費量増加
* 無呼吸耐性低下
がある。
そのため
健常者なら数分耐えられる無呼吸でも
重症肥満患者では
数十秒〜1分程度で急速脱飽和する。
⸻
1. ランプポジション推奨
最重要。
単なるスニッフィングではなく
ramped position
* 耳孔
* 胸骨上縁
が水平になる位置
を作る。
⸻
麻酔科的には
枕積み上げるやつ。
ICU挿管でも推奨。
⸻
2. プレオキシジェネーション強化
普通のリザーバーマスクでは弱い。
推奨は
NIV
または
HFNO+NIV
併用。
⸻
特に
* BMI 35以上
* 肺炎
* ARDS
* HF
ではPEEPをかけて肺胞を開いた状態で挿管室に入る。
⸻
3. Video laryngoscope第一選択
最近の流れ通り。
肥満患者では
VLの方が
* 声門視認
* First pass success
で有利。
⸻
ICUなら
McGrath
C-MAC
が第一選択。
⸻
4. First pass successを最優先
論文全体を通して
これが最大メッセージ。
複数回喉頭展開すると
* 低酸素
* 循環虚脱
* 心停止
が増える。
⸻
だから
肥満患者では
最初から
* VL
* スタイレット
* ブジー
を惜しまず使え
というスタンス。
⸻
5. Apneic oxygenation
HFNOを鼻につけたまま挿管は合理的。
ただし
劇的な効果は証明されていない。
⸻
6. 血圧低下にも注意
肥満患者は
* OSA
* 肺高血圧
* RV dysfunction
を合併しやすい。
そのため
挿管後の
* severe hypotension
* peri-intubation collapse
にも警戒。
⸻
麻酔科・ICU向け実践まとめ
BMI 35超のARDS患者が来たら
挿管前
* Ramp
* NIVでプレオキシ
* HFNO併用
挿管
* VL第一選択
* スタイレット使用
* ブジーすぐ使う
目標
一発成功
これが総説全体のメッセージ。
意外だったのは、
「肥満だから難しい」ではなく、
“肥満だから酸素が持たない”
という生理学的問題を何度も強調していた点かな。ICUの肥満患者挿管で実際に困るのも、視野よりSpO₂だからね。
一発で仕留めろ,ダネ。
Standard of care for rehabilitation in critical illness
普通の話。
でも最近、ICUの外〜、退院後も含めてリハビリって念を押すケース増えてるね。
これはICMの
「ICUリハビリテーションの現状と今後」レビュー
だね。
新しい介入の話というより、
2026年時点でのICUリハの総まとめ
という位置づけ。
⸻
背景(Background)
リハビリテーションは、
現代ICU医療において重要な柱の一つと考えられている。
近年のICU患者は
* 高齢化
* 多疾患併存
* ICU長期滞在
が増えており、
その結果、
* 筋萎縮
* 長期臥床
* フレイル
* 認知機能低下
* ADL低下
のリスクが高い。
これらを軽減するためには、
ICUから病棟、退院後までを含めた
患者中心の継続的リハビリテーション
が必要である。
⸻
本レビューの内容(Content)
本レビューは、
* RCT
* メタ解析
* ガイドライン
をもとに、
ICU内外のリハビリテーションについて整理している。
⸻
ICUリハの基本
ベストプラクティスとしては
① 早期覚醒
深鎮静を避ける
⸻
② 早期離床・早期運動
が重要。
⸻
既存研究では、
身体リハビリは
安全であり重篤な有害事象は少ない
ことが示されている。
⸻
ICU後も重要
重要なのは、
リハビリは
ICUだけで完結しない
という点。
⸻
重症患者は退院後も
身体的障害
* 筋力低下
* 歩行障害
⸻
認知機能障害
* 注意力低下
* 記憶障害
⸻
心理的障害
* PTSD
* 不安
* 抑うつ
を抱えることが多い。
⸻
そのため
ICU
↓
一般病棟
↓
回復期
↓
地域
まで含めた
多職種連携が必要とされる。
⸻
今後の課題(Future Directions)
現在のICUリハ研究の問題点として、
リハ内容が曖昧なことが挙げられる。
例えば
* いつ始めたか
* 何分やったか
* どれくらいの強度か
が十分に記載されていない。
⸻
そのため今後は
Dose
つまり
* 開始時期
* 強度
* 頻度
* 継続時間
を詳細に報告する必要がある。
⸻
また、
研究で有効でも
実臨床で実施されなければ意味がない。
そのため
implementation science
(現場導入研究)
の重要性も強調されている。
⸻
結論(Conclusion)
リハビリテーションは、
現代ICU医療において不可欠な要素であり、
ICUから地域社会への回復過程全体を通じて実施されるべきである。
ICU内では、
経験を持つ多職種チームが
* 病態評価
* 安全性評価
* 回復予測
を行いながら、
個々の患者に合わせたリハビリを提供する必要がある。
今後は、
介入内容の標準化と実装研究を進めることで、
エビデンスを強化し患者予後の改善につなげるべきである。
⸻
超要約
正直このレビューで新しい発見は少なくて、
メッセージは
「早期離床は安全」
「でもICUだけ頑張ってもダメ」
「退院後まで含めて考えよう」
の3つ。
最近のRCTを見ると、
「早期リハをやれば死亡率が下がる」
までは証明できていないけど、
筋力・ADL・機能予後の維持には意味がある
という立場はかなり固まっている。
なので現場的には、
* 深鎮静を避ける
* 人工呼吸中でも座位・立位を目指す
* ICU退室後もフォローする
という今の流れを再確認するレビューだね。
Nutrition support in the ICU: current evidence and evolving standards
栄養は、急性期少な目!
このレビューの結論
急性期は“少なめに入れる”
回復期は“しっかり入れる”
が今の主流。
⸻
背景
昔は
「筋肉が減る」
↓
「カロリーたくさん」
↓
「蛋白たくさん」
が正しいと考えられていた。
しかし近年のRCTで
* EPaNIC
* EDEN
* TARGET
* EFFORT Protein
などから、
急性期に頑張って栄養を入れても良い結果にならない
ことがわかってきた。
⸻
急性期(最初の数日〜1週間)
重症患者では
anabolic resistance
同化抵抗性
が起こる。
つまり
蛋白を入れても筋肉になりにくい。
⸻
同時に
proteolysis
蛋白分解
が亢進する。
⸻
さらに
endogenous energy production
内因性エネルギー産生
が大量に起こる。
⸻
だから
外から100%入れても
体内では
100%+内因性エネルギー
になってしまう。
⸻
急性期の問題
過剰投与すると
overfeeding
過栄養
⸻
refeeding syndrome
再栄養症候群
⸻
autophagy抑制
細胞の掃除機能を邪魔する
⸻
metabolic intolerance
高血糖
高TG
脂肪肝
など。
⸻
現在の考え方
急性期は
low-calorie
低カロリー
⸻
low-protein
低蛋白
がむしろ有利かもしれない。
⸻
特に
* 人工呼吸中
* 昇圧剤使用中
* 多臓器不全
で強調されている。
⸻
蛋白は多いほど良い?
ここが最近一番変わったところ。
以前
「蛋白2.0 g/kg/day」
みたいな話が流行った。
しかし
RCTでは
生存率改善なし
⸻
ADL改善なし
⸻
むしろ
AKI患者では有害の可能性
まで出てきた。
⸻
つまり
蛋白は多ければ多いほど良いわけではない。
⸻
回復期
炎症が落ち着き
離脱が進み
歩行練習が始まる頃。
ここで初めて
lean body mass回復
筋肉回復
⸻
functional recovery
機能回復
が目標になる。
⸻
この段階では
急性期より積極的な栄養補給が必要。
⸻
問題点
実際には
回復期になると
経管栄養中断
検査
リハ
手術
⸻
GI intolerance
胃残
嘔吐
⸻
嚥下障害
などで
十分な栄養が入っていない。
⸻
観察研究では
回復期のエネルギー不足が非常に多い。
⸻
今後の課題
まだ分かっていないのは
急性期
何kcalが最適か
⸻
回復期
蛋白をどこまで増やすか
⸻
バイオマーカー
今この患者が
* 異化期なのか
* 同化期なのか
を見分ける指標
⸻
超要約
このレビューは、
ここ5年くらいの流れをかなり明確にしていて、
昔
「早く目標カロリー達成!」
「蛋白2g/kg!」
⸻
今
「急性期は無理して入れるな」
「過栄養を避けろ」
「回復期にしっかり入れろ」
になっている。
心外ICUで言うと、
CABG後ショックやECMOで
カテコラミン立ってる最初の数日は、
20〜25 kcal/kgも無理に目指さなくていいし、蛋白も控えめでよい
という方向。
逆に、
抜管して歩き始めた頃こそ
栄養介入を強化すべき、
というのが2026年のコンセンサスに近いね。
控えて、、、、最後ドーン。
ま、最後ドーンできるほど元気なら良いんだけどね。競馬で言うとこの追い込み馬タイプっすね。
第四コーナー回るまでは、チカラを温存っス。
Patient blood management in general intensive care patients
これはICM 2026の
Patient Blood Management(PBM) in ICU のレビュー
だね。
靖久さんの心外・ICU実践にかなり近い内容。
⸻
目的(Purpose)
ICU患者や高リスク周術期患者は、
* 高齢
* 多疾患併存
* 重症
であることが多い。
その中で、
多くの併存症は急性期に変えられないが、
貧血
特に
鉄欠乏性貧血
は介入可能なリスク因子である。
またICUでは
* 凝固異常
* 出血
* 輸血判断
にも日常的に直面する。
本レビューは
Patient Blood Managementの観点から
* 貧血管理
* 採血量削減
* 輸血適正化
を整理した。
⸻
1. 鉄剤
結論
静注鉄は有効
Hbを臨床的に意味のあるレベルまで改善できる。
⸻
しかも
安全性良好
感染増加も大きな問題にはなっていない。
⸻
心外ICU的には
* 術後鉄欠乏
* GI出血後
* 慢性貧血
では積極的に考慮可能。
⸻
2. エリスロポエチン(EPO)
Hbは上昇する。
しかし
血栓症リスク
が完全には否定できない。
⸻
そのため
ルーチン使用は推奨されない
必要症例に限定。
⸻
3. 医原性貧血を減らせ
ここが結構重要。
ICU患者は
採血だけで
数百mL失うことがある。
⸻
推奨
小容量採血管
small-volume tube
⸻
Closed blood conservation system
動脈ラインの捨て血を戻すシステム
⸻
を標準的に使うべき。
⸻
これだけで
輸血率低下が期待できる。
⸻
4. 赤血球輸血
Restrictive strategy支持
つまり
「なるべく輸血しない」
方向。
⸻
多くの病態で
Hb 7 g/dL前後を閾値とする戦略が支持される。
⸻
特に
消化管出血
では
Restrictiveの優位性が強い。
⸻
心外科
ACS
だけは議論が残る。
⸻
5. 血小板輸血
ここも近年変わった。
以前
「減ったら入れる」
だった。
⸻
現在は
Restrictive platelet transfusion
支持。
⸻
つまり
予防的にバンバン入れない。
⸻
6. 血液腫瘍患者
例外。
AMLなどでは
出血リスクが高い。
⸻
この群では
予防的血小板輸血
継続支持。
⸻
7. ICU一般患者の重度血小板減少
最近の流れは
Therapeutic strategy
つまり
出血したら輸血
⸻
出血していなければ
予防的輸血は極力避ける。
⸻
8. FFP
ここはかなり明確。
非出血患者
FFP予防投与
×
⸻
INR延長だけ
↓
FFP
は支持されない。
⸻
最近の
* INVITe
* TOPIC
* プロシージャ関連研究
の流れそのまま。
⸻
結論
PBMとは
単に
「輸血を減らす」
ではなく、
① 貧血を治療する
↓
② 採血を減らす
↓
③ 必要な時だけ輸血する
という考え方。
⸻
超要約
このレビューのメッセージは
RBC
Hb 7前後まで我慢
⸻
Platelet
出血してなければ我慢
⸻
FFP
INRだけで入れるな
⸻
Iron
むしろもっと使え
⸻
採血
減らせ
の5つ。
心外ICU的には、
最近の流れそのままで
「FFPと血小板を予防的に入れる文化からの脱却」
がかなり強く打ち出されているレビューだね。
逆に言うと、PBMの主役は輸血そのものじゃなくて、
鉄補充+採血削減+適応厳格化
になってきている。
うん、
僕はそもそも、貧血内科とか、貧血外来とか作って良いと思うのね、もっと真剣に考えるべきっス。
Fe剤は使おうね。輸血は控えようね、ダネ。
Personalized approach to high-risk and intermediate-high-Risk pulmonary embolism in older adults
高齢者PE。
あー、反射で動いてますわ。確かにね、高齢者で脳出血パターンはあるわな。
この論文は
「高齢者の高リスク・中間高リスク肺塞栓症(PE)に対する個別化アプローチ」
⸻
なぜ高齢者PEは難しいのか
高齢者では
* 出血リスク↑
* フレイル↑
* 腎機能低下↑
* 認知機能低下↑
* 多剤併用↑
があり、
若年者向けのPEアルゴリズムをそのまま当てはめると危険。
⸻
最大のメッセージ
「年齢だけで治療を諦めるな」
一方で
「ガイドライン通りに全例血栓溶解もしない」
という中間。
つまり
個別化医療
が必要というレビュー。
⸻
High-risk PE(ショックあり)
これは従来通り。
* 持続性低血圧
* ショック
* CPA
なら
再灌流療法を検討。
ただし高齢者では
全身血栓溶解の頭蓋内出血リスクが大きな問題。
⸻
Intermediate-high risk PE
ここが最近の話題。
典型的には
* 血圧保たれている
* RV dysfunctionあり
* Troponin陽性
の患者。
PEITHO以降、
「全例血栓溶解」は否定的。
出血が増える。
⸻
だから
高齢者では
① 抗凝固単独
まず基本。
⸻
② 悪化時に救済治療
* カテーテル治療
* 血栓除去
* rescue thrombolysis
を考える。
⸻
フレイルが重要
このレビューで面白いのは、
PESIやsPESIだけでなく
Frailty
Functional status
ADL
を評価しろ
とかなり強調している点。
⸻
同じ85歳でも
* ゴルフしてる85歳
* 要介護4の85歳
は全く違う。
⸻
カテーテル治療
最近増えている
* aspiration thrombectomy
* catheter-directed therapy
は
高齢者で特に魅力的。
理由は
出血が少ないから。
⸻
ただし
RCTデータはまだ十分ではない。
⸻
ICU的視点
PE患者で重要なのは
RV failure
右室不全。
レビューでは
単純に血栓だけでなく
RV機能評価を重視している。
⸻
例えば
* RV拡大
* TAPSE低下
* RV strain低下
* RVOT VTI低下
など。
⸻
超要約
このレビューは
昔
PE
↓
高リスク
↓
血栓溶解
⸻
今
PE
↓
年齢
↓
フレイル
↓
出血リスク
↓
RV機能
↓
個別化
という流れ。
心外・ICU的には、
80代のIntermediate-high risk PEにtPAを流す前に一度立ち止まれ
という内容だね。
特に
* RV dysfunctionあり
* 血圧は保たれている
という患者では、
まず抗凝固+厳重監視、
悪化したらカテ治療や救済的再灌流を考える、
という2026年の流れを整理したレビューと言える。
When the ventilator and the patient disagree: a Delphi roadmap to clarity
うん、多分、AIがなんとかしてくれるの待ちのが早いかも。人は中々見つけられない、、、耳が痛い話です。
何を言いたい論文か
一言でいうと、
「非同期(asynchrony)の研究は多いのに、
何が重要な非同期なのか、
どれが重症なのか、
ICU医が統一して理解できていない」
という問題提起。
⸻
背景
Patient-Ventilator Asynchrony(PVA)は
* 人工呼吸期間延長
* ICU滞在延長
* 死亡率上昇
と関連することが知られている。
しかし実際には
* 医師によって解釈が違う
* 研究ごとに定義が違う
* 波形だけでは判断困難
という問題がある。
⸻
Delphi研究で整理されたこと
コンセンサスとして
重要な非同期は
① Ineffective triggering
患者は吸おうとしているが
トリガーできない
⸻
② Double triggering
患者の吸気要求が長く
2回連続送気される
⸻
③ Reverse triggering
機械換気が先で
その後に横隔膜が収縮
⸻
④ Auto-triggering
患者が吸ってないのに送気
⸻
⑤ Flow asynchrony
流量不足
⸻
⑥ Premature cycling
吸気終了が早すぎる
⸻
⑦ Delayed cycling
吸気終了が遅すぎる
という分類が支持された。
⸻
最重要は何か
Delphiパネルが
最も重要と判断したのは
Double triggering
と
Ineffective triggering
だった。
⸻
理由は
この2つが
* 患者努力増加
* VILI
* 呼吸仕事量増加
と強く関係するから。
⸻
ARDSでは特に
ARDSでは
Double triggering
Reverse triggering
が問題になる。
⸻
経験あると思うけど、
低一回換気量設定中に
患者努力が強いと
600〜800mL相当の
breath stackingになる。
これが
Patient Self-Inflicted Lung Injury
(P-SILI)
につながる。
⸻
面白い指摘
Editorialでかなり強調されているのが、
ICUスタッフは意外と非同期を見つけられない
という点。
実際、
過去研究では
波形だけで正確に診断できる人は少ない。
⸻
だから
* 教育
* 標準化
* AI解析
が今後重要になる。
⸻
実践ポイント
心外ICUやARDS管理なら、
まず見るべきは
① ineffective trigger
呼気中の陰圧
⸻
② double trigger
二連発換気
⸻
③ reverse trigger
深鎮静中の規則的トリガー
この3つ。
⸻
特に最近の考え方では
Auto-triggerよりDouble triggerの方が危険
と考えられている。
⸻
超要約
このEditorialの結論は
「非同期はいっぱいあるが、
ICUで本当に気にするべきは
Double triggering と Ineffective triggering」
「ARDSでは Reverse triggering も重要」
「波形教育をもっとやれ」
というもの。
現場だと、
ARDSやECMO離脱中に
ダブルトリガーを見つけて鎮静・PS・吸気時間を調整することが、最も臨床的インパクトが大きい
というメッセージだね。
では、、、、
#ダブルトリガーを少し。
2つの吸気の間にほとんど呼気がない。
Pressure波形
吸気が2連発で来る。
波形を見慣れるとかなり分かりやすい。
⸻
なぜ起きる?
本質は
患者の吸気時間 > 機械の吸気時間
だから。
⸻
よくある原因
① 呼吸ドライブが強すぎる
* 低酸素
* 高CO₂
* 代謝性アシドーシス
* 発熱
* 疼痛
* 不穏
など。
⸻
② 吸気時間が短すぎる
ARDSでよくある。
⸻
③ 一回換気量が少なすぎる
患者からすると
「全然足りない」
状態。
⸻
④ Flow starvation
流量不足。
患者の要求流量に届いていない。
⸻
なぜ危険?
ここが超重要。
⸻
Breath stacking
ダブルトリガーの最大の問題。
1回目の呼気が終わる前に
2回目の吸気が来る。
すると
VTが合算される
例
* 設定VT 400mL
* 1回目 400mL
* 2回目 400mL
↓
実際には
800mL近く肺に入る。
⸻
ARDSで特に危険
肺保護換気で
6mL/kg設定しているつもりでも、
ダブルトリガーがあると
実際には10〜12mL/kg以上になることがある。
⸻
結果として
VILI
* Volutrauma
* Barotrauma
増加。
⸻
P-SILI
患者自身の努力による肺障害
も問題になる。
⸻
ARDSで見るときのコツ
ARDS患者で
VT設定は完璧
なのに
Pplatが高い
とか
患者が苦しそう
なら
まずダブルトリガーを疑う。
⸻
Reverse Triggerとの違い
これ結構混同される。
Double Trigger
患者努力が先
↓
人工呼吸器が2回送気
⸻
Reverse Trigger
人工呼吸器が先
↓
患者横隔膜収縮
↓
2発目が起きることがある。
⸻
ARDSで深鎮静中なら
Reverse Trigger由来も結構ある。
⸻
治療
順番が重要。
⸻
① 原因を探す
まず
* 痛み
* 不穏
* 発熱
* 低酸素
* アシドーシス
を改善。
⸻
② 吸気時間を延長
特にVC-A/C。
⸻
③ Flowを増やす
Flow starvation対策。
⸻
④ モード変更
* PSV
* PAV+
* NAVA
などで改善することも。
⸻
⑤ 鎮静調整
ただし
「見つけたらすぐ鎮静追加」ではない。
最近は
まず設定を合わせろ
という流れ。
⸻
⑥ 重症ARDSなら筋弛緩
最終手段。
実際、
ARDSではNMBAでダブルトリガーはほぼ消失する。
⸻
実践ポイント
心外ICUだと
CABG後
PSVで
* RR高い
* Air hunger
* VT大きい
とき。
⸻
ARDSなら
AC-VC
設定VT 6mL/kgなのに
実測VTが時々900mL
みたいなとき。
⸻
この2パターンはまずダブルトリガーを疑う。
ま、、、、実際、見つけても、ArDSみたいなキッツイやつでは、治らんのですよ。。。。で結局筋弛緩になることも多々。。。。で肺保護になりゃ良いけど。でも気づくことが1番大事。Aiに人類、いや医療者が駆逐される前に、、、、理解していきましょう。
A pragmatic approach to complex acid base disturbances of critical illness: the “Stewart light”
ま、簡易版スチュワート?
Alb大事だぜ、くらい?
これはICM 2026の教育的レビューで、
「Stewart light」
という、
Stewart法をベッドサイドで簡単に使うためのアルゴリズム
の提案だね。
RCTでもガイドラインでもなく、
酸塩基平衡をどう読むかの実践的な考え方
の論文。
⸻
まず何が問題か
経験あると思うけど、
例えば
* Lactate 5
* Alb 2.0
* Cl 115
* HCO₃ 22
みたいな患者。
HCO₃だけ見ると
「そこまでアシドーシスじゃない」
けど、
実は
* 乳酸アシドーシス
* 高Clアシドーシス
* 低Albアルカローシス
が同時に存在している。
⸻
古典的アプローチ
* HCO₃
* BE
* AG
では混合障害を見逃しやすい。
⸻
Stewart法
Stewartは
pHを決める独立変数を
① PCO₂
② SID
Strong Ion Difference
③ Atot
(主にAlbumin)
と定義した。
⸻
ただし
Stewart法は
現場で計算が面倒。
⸻
そこで
Stewart light
が提案された。
⸻
Stewart lightの考え方
必要なのは
血液ガス
Albumin
だけ。
⸻
STEP 1
まず普通に見る
pH
PCO₂
HCO₃
BE
⸻
補償判定は
今まで通り
Boston rule。
⸻
代謝性アシドーシスなら
Winter
PCO₂=1.5×HCO₃+8±2
⸻
STEP 2
SIDを見る
超簡略化して
Na-Cl
で評価。
⸻
基準
Na-Cl=35
⸻
例
Na 140
Cl 110
↓
30
↓
SIDアシドーシス
⸻
例
Na 140
Cl 95
↓
45
↓
SIDアルカローシス
⸻
つまり
高Cl性アシドーシス
=
SID低下
⸻
嘔吐
=
SID上昇
⸻
として理解する。
⸻
STEP 3
Albuminを見る
式
SBE_{Alb}
=0.25×(42-Alb)
Alb g/L
⸻
簡単には
Albが10下がる
↓
BE +3
くらい。
⸻
つまり
低Albは
アルカローシス
として働く。
⸻
ここ超重要。
⸻
ICU患者は
Alb 2.0ばっかり。
⸻
だから
見かけ上
アシドーシスが軽く見える。
⸻
STEP 4
説明できないBEを探す
ここが本質。
⸻
BE
=
SID効果
Alb効果
UI
⸻
なので
残りを
Unmeasured Ion
と考える。
⸻
例
Lactate
ケトン
尿毒症物質
中毒代謝物
⸻
など。
⸻
この方法の強み
例えば敗血症。
⸻
Lactate 6
↓
UIアシドーシス
⸻
大量輸液
↓
高Cl
↓
SIDアシドーシス
⸻
Alb 1.8
↓
Albアルカローシス
⸻
全部同時に見える。
⸻
実践的な読み方
靖久さんなら
ABG見たら
① pH
↓
② Boston rule
↓
③ Na−Cl
↓
④ Albumin
↓
⑤ 残りはUI
で十分。
⸻
DKAで超有用
例えば
DKA初期
⸻
ケトン
↓
UIアシドーシス
⸻
嘔吐
↓
SIDアルカローシス
⸻
輸液後
↓
高Cl
↓
SIDアシドーシス
⸻
が同時に存在する。
⸻
普通のAGだけでは読みにくい。
⸻
超要約
この論文のメッセージは
Stewart法は正しいけど難しい
↓
HCO₃も捨てるな
↓
「Na−Cl」「Albumin」「BE」を組み合わせろ
↓
ICUの混合性酸塩基異常がかなり分かる
というもの。
実践では、
STEP 1
Boston rule
STEP 2
Na−Cl(35基準)
STEP 3
Alb補正
STEP 4
残りを乳酸・ケトン・尿毒症(UI)
と考えるだけで、
心外ICUの
* 敗血症
* DKA
* CRRT患者
* ECMO患者
の酸塩基異常はかなり整理しやすくなると思う。特に「Alb 2.0だからBEが見た目より3〜6くらい良く見えてる」という視点は実臨床でかなり役立つね。
#ちなみに、ボストンルール。
ボストンルール(Boston rules)は、
「代謝性異常に対して呼吸がどれくらい代償しているか」
を判定する経験則だよ。
酸塩基を読むとき、
まず
1. pH
2. 一次異常(代謝性か呼吸性か)
3. 代償が適切か
を見る。
その③で使う。
⸻
① 代謝性アシドーシス
有名な
Winterの式
予測PCO_2 = 1.5 \times HCO_3^- + 8 \pm 2
⸻
例
HCO₃ = 12
なら
1.5 \times 12 + 8 = 26
予測PCO₂
24~28 mmHg
⸻
実測PCO₂が
40
なら
呼吸性アシドーシス合併
⸻
実測PCO₂が
18
なら
呼吸性アルカローシス合併
⸻
② 代謝性アルカローシス
予測PCO_2
=
40 + 0.7 \times (HCO_3^- -24)
±5
⸻
例
HCO₃ = 40
なら
40+0.7\times16
=
51
予測46~56
⸻
実測PCO₂
70
なら
呼吸性アシドーシス合併
⸻
③ 急性呼吸性アシドーシス
PCO₂が10上昇ごとに
HCO_3^- +1
⸻
例
PCO₂ 60
↓
HCO₃
25〜26
くらい
⸻
④ 慢性呼吸性アシドーシス
PCO₂が10上昇ごとに
HCO_3^- +4
⸻
例
COPD
PCO₂ 60
↓
HCO₃
28〜30
くらい
⸻
⑤ 急性呼吸性アルカローシス
PCO₂が10低下ごとに
HCO_3^- -2
⸻
⑥ 慢性呼吸性アルカローシス
PCO₂が10低下ごとに
HCO_3^- -5
⸻
実践版
ABG見たらまず
pH 7.25
HCO₃ 12
なら
Winter
1.5×12+8=26
⸻
実測PCO₂
* 26 → 単純代謝性アシドーシス
* 40 → 呼吸性アシドーシス合併
* 15 → 呼吸性アルカローシス合併
⸻
心外ICUだと、
乳酸アシドーシス
DKA
CRRT導入前
で一番使うのはこのWinterの式だね。
Stewart lightの論文でも、
「代謝成分の解析はStewartでやっても、呼吸代償の評価はWinter/Boston ruleを使えばいい」
という立場だった。つまり、
Boston rule = “このPCO₂は代償として妥当か?” を判断する物差し
と覚えておけばOK。
Peripheral muscle ultrasound in the ICU: current evidence, limitations, and future directions
いつか、栄養とリハビリの効果を、筋肉エコーでAIが自動評価する時代になるんでしょうか。。。
一言でいうと
「筋肉は毎日診ろ」
「CTを待たずに筋エコーを使え」
というレビュー。
ICU-AW(ICU acquired weakness)やサルコペニアを、ベッドサイド超音波で早期に評価しようという流れ。
⸻
背景
ICU患者では
* 筋萎縮
* ICU-AW
* 長期人工呼吸
* ADL低下
が極めて多い。
しかも筋肉量は
最初の1週間で10~20%近く減ることもある。
ところが従来の評価法は
* CT
* MRI
* BIA
などで、ICUでは扱いにくい。
⸻
なぜ筋エコーか
利点は
ベッドサイドで可能
非侵襲
繰り返し測定可能
安価
ということ。
⸻
何を測る?
主に
Rectus femoris(大腿直筋)
Vastus intermedius
が中心。
⸻
評価項目は
① 筋厚(muscle thickness)
一番簡単。
⸻
② 筋断面積(CSA)
現在もっとも有望。
⸻
③ Echogenicity
筋の白さ。
脂肪化や線維化の指標。
⸻
う
④ Pennation angle
筋線維配列。
⸻
など。
⸻
現時点で一番信頼できる指標
レビューでは
CSA(cross-sectional area)
が最も再現性が高い
と評価されている。
⸻
ICU-AWの診断に使える?
結論は
「有望」
だが
「まだ確立していない」
⸻
筋厚低下やechogenicity上昇は
ICU-AWと関連するが、
診断基準になるところまでは行っていない。
⸻
大きな問題
浮腫
これが最大の敵。
例えば
ECMOや心外術後で
+8L
とかだと、
筋肉が腫れて
筋厚が保たれているように見える。
実際には筋肉は減っている可能性がある。
⸻
測定部位のばらつき
施設によって
* 大腿中央
* 2/3部位
* RFのみ
* RF+VI
などバラバラ。
⸻
カットオフ値が未確立
「何mm減ったら危険か」
が統一されていない。
⸻
将来
レビューで期待されているのは
Elastography
筋硬度測定
⸻
Superb Microvascular Imaging
微小血流評価
⸻
Contrast-enhanced ultrasound
筋灌流評価
⸻
AI解析
自動評価
など。
⸻
実践ポイント
心外ICUだと
ECMO
長期人工呼吸
敗血症
術後長期臥床
で有用そう。
特に
* Day1
* Day3
* Day7
で
RFのCSAを追えば、
「この患者かなり筋肉落ちてるな」
が見える可能性がある。
⸻
超要約
このレビューの結論は
今
* 筋エコーは有望
* CSAが有力
* ICU-AW予測に使える可能性
⸻
でも
* 浮腫の影響大
* 標準化不足
* カットオフ未確立
⸻
将来
筋エコーは
「肺エコーがICUで普及したように、筋肉評価の標準ツールになるかもしれない」
という立場だね。