六月終わるわあー | 犬好き麻酔科医ブログ

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最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

はやし、、、
あつし、、、
とりあえず、頑張っていこー




Routine Cerebral Embolic Protection during Transcatheter Aortic-Valve Implantation

Tavi後Strokeって、減りましたよねー。

🔍背景

経カテーテル大動脈弁植込み術(TAVI)は、手技関連の脳卒中と関連している。脳塞栓保護(CEP)デバイスは、脳循環への塞栓の移動を減少させることで、脳卒中の発生率を低下させる可能性がある。



🧪方法

英国の33施設で、無作為化対照試験を実施した。大動脈弁狭窄症の患者7,635人を、1対1の比率で無作為に割り付け、
• CEPデバイスを用いたTAVI(CEP群)
• CEPデバイスを用いないTAVI(対照群)
を受ける群に分けた。

主要評価項目は、TAVI後72時間以内、あるいはそれより早く退院した場合は退院までに発生した脳卒中とした。



🧾研究の概要

経カテーテル大動脈弁植込み術における脳塞栓保護デバイスの定期的使用



📊結果
• CEP群:3,815人
• 対照群:3,820人

主要評価項目(脳卒中)は以下のとおり:
• CEP群:3,795人中81人(2.1%)
• 対照群:3,799人中82人(2.2%)
• 差:–0.02ポイント(95%信頼区間:–0.68 ~ 0.63)、P=0.94

その他のアウトカム:
• 重度の脳卒中: CEP群 1.2%、対照群 1.4%
• 死亡: CEP群 0.8%、対照群 0.7%
• 穿刺部位の合併症: CEP群 8.1%、対照群 7.7%
• 重篤な有害事象:
• CEP群:22人(0.6%)に24件
• 対照群:13人(0.3%)に13件



🧠結論

TAVIを受ける患者において、脳塞栓保護デバイス(CEP)の定期的使用は、72時間以内の脳卒中発生率を低下させなかった。


デバイスに意味はなかったけど、
2%って、十分低いっすよね。
ま、、、、、MRI撮ると細かいのはあんだろうけど、臨床的に無視できるなら数えんでいい。
時代はTaviっすよねえ。
後は、年齢制限と、Redo、Cost、面の整備っすね。



Measles 2025
そして、流行ってしまっている、、、、麻疹‼︎

麻疹(はしか)は非常に感染力の強いウイルスである

麻疹は非常に感染力の強いウイルスであり、1人の患者から平均して12~18人に感染させる基本再生産数(R₀)を持つ。現在、麻疹は急速に拡大しており、その主な原因は以下の2点である:
• 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による地域の予防接種プログラムの混乱
• ワクチンへの不信感(ワクチン忌避)の増加

2024年以降、すべての世界保健機関(WHO)地域で麻疹症例の増加が報告されており、2024年には39万5,521例の検査で確認された麻疹症例が報告された。また、2025年の最初の2ヶ月だけで16,147例が報告されている。

報告された患者の半数以上が入院を必要としたため、実際の感染者数はこれよりもはるかに多い可能性がある。



📝このレビューの内容

本レビューでは以下の内容を扱う:
• 麻疹の臨床症状と合併症
• 現在の推奨事項
• 麻疹の疫学的背景
• ワクチン接種に関する最新の議論
• 麻疹の治療法の現状
• 麻疹ワクチンの起源
• 診断検査と分子遺伝子型の最新情報



👶臨床像と合併症

🔹典型的な麻疹症候群(classic measles syndrome)

感染から**10〜14日後(範囲:7〜23日)に発症し、以下のような前駆症状(prodromal phase)**がみられる:
• 発熱
• 咳(cough)
• 鼻水(鼻炎、coryza)
• 結膜炎(conjunctivitis)

これらの**「3つのC(Three Cs)」**が典型的な初期症状で、前駆期は2〜4日続く。



🩺コプリック斑(Koplik spots)
• 頬の粘膜に見られる小さな白い斑点で、**麻疹に特異的な病変(診断的病変)**とされる。
• 発疹が出る1〜2日前に現れ、発疹出現後1〜2日で消失することが多い(ただし、常に見られるとは限らない)。



🌡発疹(rash)
• 麻疹の発熱開始から2〜4日後に発疹が出現。
• 発疹は**紅斑性丘疹性発疹(erythematous maculopapular exanthem)**で、
顔から始まり、頭、体幹、腕、脚へと広がるのが特徴。



😷感染力のある期間
• 発疹の4日前から、発疹後4日目までが感染性のある期間であり、他人に感染させる可能性がある。



💩下痢
• 麻疹の急性期の初期に現れることがあり、1ヶ月以上続くこともある。



🔍診断の手がかり

前駆症状+発疹+下痢がある小児では、麻疹を強く疑うべきである。


重要ポイント(Measles 2025)
• 麻疹(はしか)は、深刻な健康被害を引き起こす
 特に「免疫の記憶喪失(immune amnesia)」を引き起こすことがあり、回復した患者でも最大1年間、免疫機能が低下する可能性がある。
 そのため、二次感染(ときに重篤)にかかりやすくなる。
 ➡︎ 免疫をより早く回復させるための研究が必要。



• 麻疹ワクチンは非常に安全で、すべての遺伝子型の麻疹に対して高い有効性を持つ。
 ➡︎ 長年の安全性の実績があり、非常に信頼できるワクチンである。



• 麻疹は非常に感染力が強いため、2回の推奨接種を含む高い接種率(95%以上)が必要。
 ➡︎ これにより地域内での感染拡大を防ぐことができる。



• ビタミンAの補給は、麻疹の全患者に推奨される
 ➡︎ 特に**ビタミンA欠乏のある人(例:低・中所得国の住民)**では、合併症や死亡リスクの低下に有効。
 ただし、ビタミンAには麻疹の感染予防効果はない。
 ➡︎ 先進国の麻疹患者に対するビタミンAの効果については、さらなるデータが必要。



• 母体由来の麻疹抗体が生後3〜4ヶ月で低下することが、乳児の感染リスクを高めている。
 ➡︎ 早期麻疹ワクチン接種の有効性に関する研究が必要。



• マイクロニードルパッチ型ワクチンの臨床効果を評価するために、追加の無作為化比較試験が必要。
 ➡︎ この技術により、接種率の向上が期待できる。


麻疹(はしか)2025:総まとめ

🔸【臨床像と合併症】
• 麻疹は全身性感染症で、皮膚・目・腸・呼吸器などに影響。
• 約30%に合併症(下痢、肺炎、中耳炎、結膜炎)。特に肺炎と巨大細胞性肺炎は重症で致死的になりうる。
• 回復後も「免疫の記憶喪失(immune amnesia)」により二次感染リスクが高まる。
• 脳炎は稀だが重篤で、急性型から数年後発症する型まである。



🔸【特殊な麻疹】
• 異型麻疹(atypical measles):1963〜1967年に使われた不活化ワクチン接種者に重症例あり。
• 修飾麻疹(modified measles):ワクチン接種者にも感染あり。発熱が少なく軽症が多い。ただし感染力は低い。



🔸【ハイリスク群】
• **免疫低下者(がん治療中、HIV、妊婦、栄養失調児)**では重症化リスク高。
• 妊婦では流産・早産・胎児発育遅延が増加。死亡率は最大30%に達することも。



🔸【ワクチン政策】
• ワクチンは非常に有効・安全(すべての型に有効)。
• **2回接種(接種率95%以上)**が集団免疫維持に不可欠。
• ワクチン接種の年齢は各国の流行状況に応じて異なる。
• 日本やアメリカ:1回目は12~15ヶ月、2回目は4~6歳。
• 発展途上国:9ヶ月から開始、流行地では6ヶ月から。



🔸【曝露後予防】
• ワクチン未接種者には72時間以内のワクチン接種が推奨。
• 接種禁忌(妊婦・乳児・免疫抑制者)には**免疫グロブリン投与(6日以内)**が有効。
• 免疫グロブリンの抗体濃度が低下しており、定期的な投与量見直しが必要。



🔸【治療と管理】
• 抗ウイルス薬は存在しない。
• 主な対策は合併症への早期対応と隔離。
• ビタミンA補給は、特に低・中所得国では死亡率を最大50%低下させる。
• WHOは全ての麻疹患者に年齢別ビタミンA投与を推奨。
• 先進国では過剰投与によるビタミンA中毒にも注意が必要。



🧠重要なメッセージ
• 麻疹は「過去の病気」ではなく、世界的に流行再燃中。
• 高接種率の維持と正しい情報提供が今後のカギ。
• ビタミンA補給やワクチンの追加投与など、状況に応じた柔軟な対応が重要。

2025年時点の麻疹の疫学と対策:要点まとめ

🔸 乳児の免疫ギャップと早期ワクチンの必要性
• 母親由来の抗体が生後2〜6ヶ月で急速に減少 → 生後6ヶ月未満の乳児が感染・重症化しやすい。
• ベトナムなどでは、6〜8ヶ月の乳児が全体の25%を占める地域も。
• 生後3〜4ヶ月での早期ワクチン接種が提案されており、有効性・安全性ともに一定の実績あり。



🔸 成人の免疫ギャップと追加接種の検討
• 1963〜1989年に1回接種のみの人は免疫不十分な場合あり。
• 医療従事者や海外渡航者には追加接種(3回目)も考慮されているが、高抗体は短期間で減衰する。
• 13〜30歳代にワクチン接種済みでも感染する事例が増加。



🔸 麻疹の世界的再流行
• 麻疹の報告数は2016年の13万人から、2019年には87万人超に急増。
• 2024〜25年も再流行中。特にヨーロッパで過去25年で最多の発症数。
• アメリカでは2025年5月時点で1,088例・3人死亡、うち96%が未接種。



🔸 原因:ワクチン忌避とコロナによる接種中断
• **ワクチン忌避(不信感)と誤情報(例:自閉症と関連がある)**が大きな要因。
• コロナ禍で定期予防接種が中断 → 世界全体の1回目接種率は2023年時点で83%(最低水準)。
• 低所得国では**64%**と特に低い。



🔸 課題と対策
• 迅速な診断、ウイルスの遺伝子型の特定が流行拡大防止に重要。
• **マイクロニードルパッチ(痛み少なく、冷蔵不要)**が接種率向上に期待される。
• 麻疹回復後の**免疫抑制による肺炎(肺炎球菌)**への対策として、肺炎球菌ワクチンのブースター投与も検討中。



🧠 結論と展望
• 過去20年間、麻疹制御の進展はほとんどなし。
• 今後の焦点:
• ワクチン忌避対策(正しい情報発信)
• 若年層と乳児への接種強化
• 診断体制・接種技術(パッチなど)の革新
• 国際協調と資金支援の維持が極めて重要(例:米国がWHO支援撤退すれば影響大)。

ん。
日本は世代によって、かかりやすい可能性。
子供は、lはやめのワクチンを。
アメリカさんは、ワクチン反対派が首脳陣に多く、、、、今後どうなるか不透明っす。




Diagnosis and Treatment of Type 2 Diabetes in Adults
A Review

🔷【2型糖尿病:要点とまとめ】

◆ 重要性(Importance)
• 2型糖尿病(T2DM)は、インスリン抵抗性を背景にした膵β細胞からのインスリン分泌の進行性低下によって起こり、高血糖として臨床的に現れる。
• 世界中の糖尿病の**90〜95%**を占める。
• 世界の患者数:5億8900万〜8億2800万人。
• 米国では成人の6人に1人が2型糖尿病。



◆ 観察事項(Observations)

🔸 リスク因子
• 高齢、家族歴、肥満、運動不足、妊娠糖尿病の既往
• ヒスパニック系、アメリカ先住民、アジア系、黒人などの人種的背景

🔸 診断基準

以下のいずれかで診断:
• 空腹時血糖 ≥ 126 mg/dL
• HbA1c ≥ 6.5%
• 75g経口糖負荷試験(OGTT)2時間値 ≥ 200 mg/dL

🔸 合併症
• 心血管疾患:3分の1
• 重度の視力障害・失明:10.1%
• 腎不全患者における2型糖尿病の有病率:39.2%

🔸 生活習慣改善
• 特定の「最良の食事法」はないが、体重管理は重要。
• 運動はHbA1cを0.4~1.0%改善し、高血圧や脂質異常にも好影響。

🔸 血糖コントロールの意義(20年後のRCTより)
• 強化療法(HbA1c<7%)での絶対リスク低下:
• 微小血管障害(網膜症、腎症):3.5%
• 心筋梗塞:3.3〜6.2%
• 死亡率:2.7〜4.9%



◆ 治療(Treatment)

🔹 初期治療薬
• メトホルミン(第一選択)
• 心血管・腎疾患の既往または高リスク例には、
• GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)
• SGLT2阻害薬(SGLT2i)

🔹 追加薬(必要に応じて)
• デュアルGIP/GLP-1RA
• DPP-4阻害薬
• スルホニル尿素
• チアゾリジン系薬剤(TZD)

※ 約3分の1の患者が最終的にインスリン治療が必要になる。

🔹 最近のエビデンス(SGLT2i・GLP-1RAの効果)
• 動脈硬化性心血管疾患:12〜26%リスク減
• 心不全:18〜25%リスク減
• 腎疾患:24〜39%リスク減
• 多くの被験者がメトホルミン併用中。

🔹 体重減少効果
• GLP-1RAやGIP/GLP-1RAは5%以上の減量が多数
• 中には10%を超える減量も可能



◆ 結論(Conclusions)
• 2型糖尿病は世界人口の最大14%に影響し、心血管疾患、腎不全、視力喪失、死亡率上昇と関連。
• 食事・運動・体重管理などの生活習慣改善に加え、メトホルミンが第一選択。
• 心・腎疾患のある人にはSGLT2iやGLP-1RAを早期導入することが推奨される。

もーすぐ、メトフォルミンは第二選択になりそうな時代。新薬の伸びっぷりには敵わんさね。



Sweetened Beverages and Incident All-Cause Dementia Among Older Adults

甘い飲み物は、有害物質と思って、少なめにしましょう。
高齢者と認知症バージョン。

重要性(Importance)

**砂糖入り飲料(SSB)および人工甘味料入り飲料(ASB)**の摂取は、さまざまな健康リスクと関連しているが、高齢者における認知症リスクとの関係は明らかになっていない。



🔷 目的(Objective)

高齢者において、SSBおよびASBの摂取が全原因認知症(all-cause dementia)のリスクと関連するかどうかを検討する。



🔷 研究デザイン・対象(Design, Setting, and Participants)

アメリカの以下の6つのコホート研究に参加した**65歳以上の高齢者(計10,974人)**を対象とした多施設共同研究:
• Health and Retirement Study(2013年)
• Atherosclerosis Risk in Communities study(1987–1995年)
• Chicago Healthy and Aging Project(1993–2012年)
• Rush Memory and Aging Project(1997–2005年)
• Framingham Heart Study(1986–1994年)
• Framingham Offspring cohort(1991–2001年)

分析期間:2024年5月27日〜9月24日



🔷 評価項目(Main Outcomes and Measures)
• 主なアウトカム:全原因認知症の発症
• 評価方法:研究参加後少なくとも2年以上の追跡で認知症発症を判定
• 食事質問票によってSSBとASBの摂取量を評価



🔷 結果(Results)
• 対象者:10,974人(平均年齢:73.2歳、女性:60%)
• 追跡期間中に2,445人が認知症を発症
• 総追跡人年数:116,067人年

▶ SSBおよびASBの摂取は、認知症リスクと有意な関連なし
• SSB:1回/週あたりの摂取によるハザード比(HR)=0.99(95% CI: 0.98–1.01、P=.18)
• ASB:HR=1.00(95% CI: 0.99–1.01、P=.99)
• 1日1回以上摂取する群 vs 月1回未満摂取する群:
• SSB:HR = 0.90(95% CI: 0.78–1.03)
• ASB:HR = 1.00(95% CI: 0.83–1.21)

※ コホート間・サブグループ間でも結果は一貫

▶ 参考指標として、**地中海食スコア(Mediterranean diet score)**が高いほど、認知症リスクは低下(HR = 0.92 / 5点増加ごと)



🔷 結論(Conclusions and Relevance)
• 高齢期のSSBまたはASB摂取は、認知症リスクと有意な関連を示さなかった。
• ただし、これらの飲料は若年期や中年期において代謝や慢性疾患に悪影響を及ぼすことが知られているため、若年期の摂取と将来の認知症リスクとの関連性についてはさらなる研究が必要。

おお、、、差はないんか?
若い人ほど気をつけるべき?
そもそも高齢者そこまで甘いもの飲まないっすわな。



Screening for Intimate Partner Violence and Caregiver Abuse of Older or Vulnerable Adults
US Preventive Services Task Force Recommendation Statement

日本は少なめっすけどね。。。。

重要性(Importance)

**親密なパートナーからの暴力(IPV)**は、米国で何百万人もの人々に影響を与えており、年齢を問わず頻繁に見逃される問題です。
また、高齢者や脆弱な成人が信頼する介護者などから受ける虐待も一般的であり、重大な傷害・死亡・長期的な健康被害につながることがあります。



🔷 目的(Objective)

米国予防サービス作業部会(USPSTF)は、以下を評価するために系統的レビューを実施しました:
• IPV(親密なパートナーからの暴力)のスクリーニング
• 高齢者・脆弱な成人への虐待のスクリーニング
→ それぞれに対する**利益と害(benefits and harms)**を検討



🔷 対象集団(Population)
• IPVのスクリーニングに関する勧告は、以下の人々を対象とします:
→ 妊娠中および産後の女性、ならびに生殖年齢の女性・青年
• 高齢者・脆弱な成人への虐待スクリーニングの勧告は:
→ 虐待やネグレクトの兆候が見られない人々



🔷 証拠評価(Evidence Assessment)
• USPSTFは、生殖年齢の女性(妊娠中および産後を含む)に対するIPVのスクリーニングと、
陽性スクリーニング結果に基づく多面的介入の提供・紹介には、
→ **中程度の純利益(moderate net benefit)**があると結論。
• 一方で、高齢者および脆弱な成人に対する介護者からの虐待・ネグレクトのスクリーニングについては、
→ 利益と害のバランスが不明であるため、結論を出すのに十分な証拠がないと判断。



🔷 勧告(Recommendation)
• ✅ B評価:
→ 医療従事者は、生殖年齢の女性(妊娠中・産後含む)に対してIPVのスクリーニングを実施すべきである。
• ⚠️ Iステートメント(insufficient evidence):
→ 高齢者および脆弱な成人に対する介護者からの虐待・ネグレクトのスクリーニングについては、利益と害のバランスを評価するための証拠が不十分である。

まだ増えそうな時代っす。。。



Modeling Reemergence of Vaccine-Eliminated Infectious Diseases Under Declining Vaccination in the US

ワクチン✖️USA。
しばらく注視!

重要性(Importance)

米国では、小児期のワクチン接種の普及によって、多くの感染症が排除されました。しかし、接種率の低下や、ワクチンスケジュールの削減を求める政策的議論が進む中で、かつて排除された感染症が再び流行するリスクが懸念されています。



🔷 目的(Objective)

麻疹(はしか)、風疹、ポリオ、ジフテリアに関して、米国で小児ワクチン接種率が低下した場合に予想される感染者数と合併症の発生件数を推計すること。



🔷 方法(Design, Setting, and Participants)
• 米国50州とワシントンD.C.を対象としたシミュレーションモデルを構築。
• 地域ごとの人口動態、免疫率、感染症の輸入リスクなどのデータを用いて、今後25年間の感染拡大をモデル化。
• 2004~2023年の小児ワクチン接種率を基に、複数の接種シナリオ(増加・減少)を検討。



🔷 主な結果(Main Outcomes and Measures)
• 現在の接種率のままでも、麻疹が再び「風土病(endemic)」になる可能性は83%。その平均時期は20.9年後。
 → その場合、25年間で約85万件の麻疹感染(95%信頼区間:38.1万〜130万件)と推定。
• MMR(麻疹・おたふく風邪・風疹)ワクチン接種率が10%低下した場合:
 → 麻疹感染は約1110万件(95%CI: 1010万~1210万件)と急増。
• 逆に5%接種率が上がった場合:
 → 麻疹感染は約5800件(95%CI: 3100~1.94万件)に抑えられる。
• 50%の接種率低下シナリオでは、以下のような深刻な影響が推定された:

感染症・合併症
25年間の推定発症件数(95%信頼区間)
麻疹
5120万件(4970万~5250万)
風疹
990万件(640万~1300万)
ポリオ
430万件(4件~2150万)
ジフテリア
197件(1件~1000件)
麻疹による神経後遺症
5.1万件
先天性風疹症候群
1.07万件
麻痺性ポリオ
5400件
入院
1030万件
死亡
15.9万人


感染症が再び風土病化するまでの時間:
• 麻疹:平均4.9年後
• 風疹:平均18.1年後
• ポリオ:約半数のシミュレーションで再定着(平均19.6年後)



🔷 結論と意義(Conclusions and Relevance)

このモデリング研究により、小児ワクチン接種率が低下すると、かつて根絶された感染症の流行が増加し、再び風土病化する恐れがあることが明らかになりました。
• 麻疹は最も早く再定着する可能性が高く、現在の接種率でも油断できない。
• 感染症によって、再定着のタイミングや必要な接種率のしきい値は異なる。

✅ これらの結果は、米国における小児ワクチン接種率を高く維持する重要性を強く示しており、感染症の再流行防止に向けた公衆衛生対策の継続が不可欠です。


さあ、医学会からの警鐘を、USA首脳は、どう評価する? USAの未来は??



Efficacy and safety of onradivir in adults with acute uncomplicated influenza A infection in China: a multicentre, double-blind, randomised, placebo-controlled and oseltamivir-controlled, phase 3 trial

インフルエンザを治療するのはアジアだけ、、、、と揶揄されることもありますなあ。

背景

オンラディビル(ZSP1273)はインフルエンザAウイルス(IAV)ポリメラーゼPB2サブユニットを強力に阻害する抗ウイルス薬です。以前の第2相試験では、発症48時間以内に600mgを投与すると、成人の急性単純型インフルエンザの回復を早めることが示されました。本試験では、より大規模な集団でオンラディビルの安全性と治療効果を評価することを目的としました。

方法
• デザイン:無作為化二重盲検、プラセボ対照およびオセルタミビル対照の多施設第3相試験
• 実施期間/施設:2022年5月12日~2023年5月16日、中国68施設
• 対象:18~64歳の成人で、来院時にIAV迅速抗原陽性、発症48時間以内、発熱(腋窩温 ≥38.0℃)かつ全身・呼吸器症状それぞれ中等度以上を有する者
• 割付:インタラクティブWebシステムにより、症状スコア(≤11点または≥12点)で層別化して2:1:1で以下の群に無作為割付
1. オンラディビル600mg(1日1回×5日)
2. オセルタミビル75mg(1日2回×5日)
3. プラセボ(1日2回相当×5日)
• 主要評価項目:ITT感染集団(無作為割付かつIAV陽性)の「症状緩和までの時間(TTAS)」
• 安全性評価:少なくとも1回投与を受けた全被験者における有害事象の頻度・重症度
• 登録:ClinicalTrials.gov NCT04683406

結果
• スクリーニング943例中750例を登録。IAV陰性48例を除く702例(男性413例[59%]、女性289例[41%]、平均年齢28.1歳[SD 9.7])がITT感染集団となった。
• オンラディビル群:349例
• オセルタミビル群:177例
• プラセボ群:176例
• ベースライン時のウイルス量(平均5.15 log₁₀ copies/mL)と7つの症状スコアは各群で同等。
• TTAS中央値
• オンラディビル群:38.83時間(95%CI 35.32–41.18)
• プラセボ群:63.35時間(55.48–68.48)
• 差:–24.52時間、p<0.0001、HR 1.53(1.27–1.85)
• オセルタミビル群:42.17時間(38.27–52.83)
• オンラディビル vs オセルタミビル:p=0.092、HR 1.12(0.93–1.35)
• 有害事象
• オンラディビル群:373例中250例(67%)
• プラセボ群:189例中104例(55%)
• オセルタミビル群:188例中89例(47%)
• 下痢はオンラディビル群で49%(184例)とやや多いが、ほとんどが軽症または中等症(Grade 1–2)、持続期間中央値2日(IQR 1–3)、いずれも自然軽快。

解釈

急性単純型インフルエンザ成人患者に対するオンラディビルの治療効果は、オセルタミビルと同等であり、安全性プロファイルも許容範囲内であった。既存薬に対する耐性の増加が懸念される現状において、オンラディビルは代替の単剤治療薬あるいは他剤との併用候補として有望である。

新薬?、はタミフル同等の効果、と。
、、、、
Costに見合うかは、、、知りませぬ。




Preoxygenation strategies for intubation of patients who are critically ill: a systematic review and network meta-analysis of randomised trials

よく僕は言いますが、、、、
重症患者の挿管で、気をつけるべきは、
低酸素よりも圧倒的に低血圧‼︎です。
事前の酸素化h大事ですけど、、、、
しときゃ、なんでもイイっす。

背景

気管挿管における**プレオキシジェネーション(事前酸素投与)**は、極めて重要な準備手技である。使用される手法には、フェイスマスク酸素投与、ハイフロー鼻カニュラ(HFNC)、非侵襲的陽圧換気(NIPPV)などがあるが、これらの有効性と安全性の比較は十分に明らかになっていない。本研究では、これらの方法を重症患者の気管挿管前プレオキシジェネーションにおける有効性と安全性の点から比較することを目的とした。



方法
• データベース検索:Embase、MEDLINE、Web of Science、Scopus、Cochrane Central から、2024年10月31日までのランダム化比較試験(RCT)を検索(言語制限なし)。
• 対象:集中治療室または救急部で気管挿管を要する18歳以上の重症成人患者
• 比較方法:HFNC vs NIPPV、HFNC vs フェイスマスク、NIPPV vs フェイスマスク
• 評価項目:
• 挿管中の低酸素血症の発生率
• 初回試行での挿管成功率
• 重篤な有害事象の発生率
• 全死亡率
• 統計:ランダム効果モデルによるネットワークメタアナリシスを実施



結果
• 最終的に**15件のRCT(計3420人)**が解析対象に
• 主な結果:
• NIPPVはHFNCと比較して、低酸素血症の発生を減少(相対リスク:0.73、p=0.032、中等度の確実性)
• NIPPVはフェイスマスクと比較して、さらに低酸素血症を抑制(相対リスク:0.51、p<0.0001、高い確実性)
• HFNCもフェイスマスクよりは効果あり(相対リスク:0.69、p=0.0064、高い確実性)
• 初回挿管成功率および死亡率には、いずれの方法も有意差なし
• NIPPVは、フェイスマスクと比較して重篤な有害事象のリスクを減らす可能性が高い(相対リスク:0.30、p=0.011、中等度の確実性)
• NIPPVは、HFNCと比較しても有害事象のリスクを減らす可能性あり(相対リスク:0.32、p=0.035、低い確実性)



結論
• 気管挿管を要する重症成人患者において、フェイスマスクよりもHFNCやNIPPVを用いたプレオキシジェネーションが低酸素血症の予防に効果的
• 特に、NIPPVはHFNCよりも低酸素血症の予防に優れる可能性がある
• 本研究結果は、今後の国際的なプレオキシジェネーションガイドラインの更新に貢献する可能性がある。

低血圧っす‼︎よ。



Effects of Dexmedetomidine Combined With Lidocaine Topical Administration on Cough Reflex During Extubation in Thyroidectomy Patients: A Randomized Clinical Trial.

日本の甲状腺手術有名病院出身者の人は、
術中にバッキングさせてくれ、って言うんすよ。
最初はえっつ、って感じでしたわ。
バッキング時に出血しやすいオペはさせたほうがいいの?日本独自っすよねえきっと。

背景

抜管時の咳反射は、特に甲状腺手術において出血の増加や循環動態の不安定化などの合併症を引き起こす可能性があり、咳反射の効果的な抑制は臨床的に重要です。本研究の目的は、デクスメデトミジンとリドカインの併用が甲状腺摘出術における抜管時の咳反射を抑制する効果を検討することです。



方法

対象は、全身麻酔下で予定された甲状腺摘出術を受ける18〜65歳の女性患者180名で、以下の3群に無作為に割り付けられました:
• Dex-Lido群(n = 60):デクスメデトミジン+2%リドカインスプレー
• Lido群(n = 60):2%リドカインスプレーのみ
• Control群(n = 60):0.9%生理食塩水スプレー

スプレーはすべて喉頭蓋上部、声門部、声門下部に適用されました。
主要評価項目:抜管時の咳反射の発生率
副次評価項目:咳の重症度、術後の咽頭痛、嗄声(声のかすれ)、悪心・嘔吐、鎮痛薬・制吐薬の使用、痛み、鎮静スコア、入院期間など



結果
• 咳反射の発生率:
• Dex-Lido群:23%
• Lido群:47%
• Control群:70%
いずれもControl群より有意に低下し、Dex-Lido群はLido群よりもさらに有意に低下していました。
• Dex-Lido vs Control:オッズ比(OR)0.13、95%信頼区間(CI)0.06–0.29、P < .001
• Lido vs Control:OR 0.38、95% CI 0.18–0.79、P = .010
• Dex-Lido vs Lido:OR 0.35、95% CI 0.16–0.76、P = .007
• 咳の重症度も、Dex-Lido群ではControl群より明らかに低く(8/60 vs 26/60)、OR 0.20、95% CI 0.08–0.50、P < .001



結論

デクスメデトミジンとリドカインの併用による咽頭スプレーは、抜管時の咳反射を有効に抑制し、術後の咽頭痛を軽減し、循環動態の安定化にも寄与しました。特に甲状腺手術を受ける女性患者において有用であることが示されました。

覚醒時間は、ちょっと伸びそうっすよね。
後は、Remi使ってれば、バッキングしないかもね。
バッキングで、、、、出血する程度の脆さもヤバい気がするけど、、、、。



Early Invasive or Conservative Strategies for Older Patients With Acute Coronary Syndromes
A Meta-Analysis

日本は即やりっすよね。。。

重要性(Importance)

高齢患者が急性冠症候群(ACS)で受診した際の最適な治療戦略は、無作為化試験のエビデンスが乏しいため依然として不明確です。近年、新たに大規模かつ長期の無作為化データが発表されました。



目的(Objective)

70歳以上のACS患者に対し、早期侵襲的治療戦略と保存的治療戦略を比較し、臨床転帰への影響を検証すること。



データソース(Data Sources)

医学図書館司書と共同で検索戦略を立案。MEDLINE、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを、言語制限なしで2024年10月まで網羅的に検索しました。さらに、既存のレビュー文献や主要心血管学会の抄録も手作業で確認しました。



研究選定基準(Study Selection)
• 対象:70歳以上のACS患者
• 介入:早期侵襲的戦略 vs 保存的戦略
• 条件:無作為化試験であること
• 観察研究は除外
• サンプル数や追跡期間による除外はなし
• 評価は2名の独立・非公開レビューアにより実施



データ抽出と統合(Data Extraction and Synthesis)
• データは3名が独立して抽出
• 相対リスク(RR)やハザード比(HR)を算出する固定効果モデルとランダム効果モデルを用いたメタ解析を実施



主要評価項目(Main Outcomes and Measures)
• 一次評価項目:全死亡率(all-cause death)
• 二次評価項目:再発心筋梗塞(MI)、再血行再建、重篤な出血、心血管死、死またはMI、脳卒中、心不全による入院、主要心血管イベント(MACE)、入院期間など



結果(Results)
• 登録患者の平均年齢(加重平均):82.6歳
• 女性の割合:46%
• 全死亡率:早期侵襲的治療と保存的治療の間に有意差なし
• 相対リスク(RR):1.05(95% CI: 0.98–1.11、P=.15)
• 再発MI:早期侵襲的治療で22%の有意なリスク減少
• RR:0.78(95% CI: 0.67–0.91、P=.001)
• 再血行再建:早期侵襲的治療で57%のリスク減少
• RR:0.43(95% CI: 0.30–0.60、P<.001)
• 重篤な出血:侵襲的治療でリスク増加
• RR:1.60(95% CI: 1.01–2.53、P=.05)
• その他の二次評価項目には有意差なし
• 非ST上昇型ACS(NSTEMI)に限定しても、結果は全体と一致



結論(Conclusions and Relevance)

本システマティックレビューとメタ解析の結果は、高齢ACS患者において、早期侵襲的治療は全死亡率を改善しないことを示しています。ただし、再発MIおよび再血行再建は減少させる一方で、重篤な出血リスクが増加します。

したがって、高齢患者においては、侵襲的治療の利点とリスクを慎重に比較検討し、患者と共有意思決定(shared decision making)を行うことが重要です。



Intercostal or Paravertebral Block vs Thoracic Epidural in Lung Surgery
A Randomized Noninferiority Trial

標準、は、まだ硬膜外なんすよ。
とは言っても、、、、
手間暇と、難易度とか、患者が嫌がるとか、
僕も嫌んなって、
今は全部、単回肋間神経っす。

重要性(Importance)

胸部手術後の効果的な疼痛管理は、回復を促進するために極めて重要です。従来、胸部硬膜外鎮痛(TEA)は最適な鎮痛法とされてきましたが、その副作用が「胸部手術後の回復強化プログラム(ERATS)」の原則と矛盾する場合があります。
しかし、低侵襲の局所麻酔法の代替手段に関する高品質な無作為化データは不足しています。



目的(Objective)

持続的傍脊椎ブロック(PVB)および単回肋間神経ブロック(ICNB)が、TEAの代替手段として有効であるかを評価すること。



研究デザイン・対象・場所(Design, Setting, and Participants)
• オランダおよびベルギーの11病院で実施された無作為化臨床試験
• 対象:胸腔鏡下解剖学的肺切除術を受ける患者
• 実施期間:2021年3月5日~2023年9月5日
• デザイン:
• 疼痛に関しては非劣性試験
• 回復の質(QoR)に関しては優越性試験



介入方法(Interventions)
• TEA(従来法)
• PVB(持続的傍脊椎ブロック)
• ICNB(単回肋間神経ブロック)



主要評価項目(Main Outcomes and Measures)
• 一次評価項目:
• 術後0〜2日目のNRSスコア4以上の痛みの割合(非劣性マージン:上限98.65%信頼区間で17.5%)
• QoR-15スコア(術後1日目と2日目)
• 二次評価項目:オピオイド使用量、離床開始、合併症、入院期間



結果(Results)
• 無作為化:450名、ITT解析対象:389名(平均年齢66歳、女性54%、男性46%)
• 各群の参加者数:TEA群131名、PVB群134名、ICNB群124名

痛みの発生割合(NRS≧4)
• TEA:20.7%(95% CI: 16.5–24.9%)
• PVB:35.5%(95% CI: 30.1–40.8%) → TEAより劣る(非劣性基準を超える)
• ICNB:29.5%(95% CI: 24.6–34.4%) → TEAに対して非劣性を示す(非劣性基準内)

QoR-15スコア(術後の回復の質)
• TEA:104.96(SD 20.47)
• PVB:106.06(p = 0.641)
• ICNB:106.85(p = 0.47)
→ 3群で有意差なし

その他の結果
• オピオイド使用量:ICNBおよびPVB群でTEAより有意に少ない
• 離床(動きやすさ):ICNB・PVBで改善
• 合併症:有意差なし
• 入院期間:ICNB群で最も短かった



結論(Conclusions and Relevance)

胸腔鏡下肺切除術後において、ICNBはTEAと同等の鎮痛効果を示し(非劣性)、有望な代替法として浮上しました。
ICNBは、より短い入院期間・少ないオピオイド使用・早期離床をもたらす可能性があり、TEAの副作用を回避しつつ回復を促進する手段となり得ます。
ただし、患者個別の状態に応じて、利点とリスクを慎重に評価し、最適な鎮痛法を選択する必要があります。

そんなに悪いもんじゃないっと。
ま、、、、12時間hq効いてない印象っすけど。。