ICM 4月。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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日々精進。

Prediction of good neurological outcome in comatose survivors of cardiac arrest: a systematic review

心停止蘇生後Comaの、7日以内予後予測。
Review。

37 studies。
痛みに対する逃避行動、即時、72〜96時間後、
24〜72時間後、(NSE) 正常、
(SSEPs) N20 wave 4 µV 以上、
72時間脳波が活性なし
2〜7日MRIで、大脳皮質、はい白質、の拡散制限なし、
で、
神経予後がいいのは、
特異度 80%、感度  40% 。

予期は大事っスよねえ。
意外な、、、、こともたまにおきますが。




Prophylactic melatonin for delirium in intensive care (Pro-MEDIC): a randomized controlled trial

おお、
メラトニン、来たああ‼︎

入室48時間以内のICU患者。
んっ?
メラトニン、って液体状のものがあるのか、
メラトニン (4 mg; n = 419)
placebo (n = 422)
を、
経口摂取で、21:00 に投与。
ICUにいる間は、投与される。

847 patients。
解析は、841 。
ベースに差はない。

delirium-free に、、、、差は、、、、無し‼︎
79.2 vs 80%, p = 0.547
クッ、、、、。ダメか。。。

ICU滞在 (5 vs 5 days, p = 0.135),
入院期間 (14 vs 12 days, p = 0816),
90日死亡  (15.5 vs 15.6% p = 0.948),
睡眠の質、、、、すら、
ナーンの差もない。

うーん、
ルーチンなメラトニン、、、、ダメですか。。。
これだけ差がないと、
選択したメラトニンでも、差はないだろうなあ。
期待してたんすけど、
中々うまくはいきませんなあ。



The effects of pantoprazole vs. placebo on 1-year outcomes, resource use and employment status in ICU patients at risk for gastrointestinal bleeding: a secondary analysis of the SUP-ICU trial

ICUでのストレス潰瘍予防は、
世界中で行われてるわけですが。
PPI vs プラセボ。
その、一年後の話。

3298 名の、消化管出血リスクあるICU患者。
で、、、
二次解析として、
ICUでの臨床的に重大な消化管出血イベント、
一年経過後の、
死亡、リソース使用(消化管出血での再入院、受診)、Cost、就職状況、などを調べる。

2092 名の解析。
PPI 1045
プラセボ 1047 。

重大な消化管出血は、
PPIで、1.9 %低下。[95% CI 0.3–3.5] 。
ただ、
一年後の状況で、
なんも差はなかった。
costs (€1954 [− 2992 to 6899]),
再入院 (− 0.005 admissions [− 0.016 to 0.005]),
死亡(− 0.013 percentage points [− 0.051 to 0.026]),
仕事 (− 0.178 weeks [− 0.390 to 0.034]).

まあ、、、、、
微々たる、、、、なんすね。
特に一年たっちゃうと、
どっちでも〜、別に〜、な感じっスな。




Increased 30-day mortality in very old ICU patients with COVID-19 compared to patients with respiratory failure without COVID-19

高齢者のコロナ患者は、
非コロナと比べて、予後が悪いと報告されてますね。
なんか、特別感、ですね。

80歳以上‼︎
日本だと、諦めの選択は、、、、皆無ですけどね。

VIP2と、 COVIP studiesから。
コロナ、非コロナのマッチング。
年齢(± 2 years), (SOFA) score (± 2 points), frailty scale (± 1 point),人種など。

コロナ 693、
非コロナ 1393 。

コロナで、若年、 低いfrail, 低いSOFA score,であった、
が、
人工呼吸率は高く、
30日生存が低かった。

404 名のコロナ患者と、
666 名の非コロナ患者をマッチング。
すると、、、、
治療の撤退は、コロナ患者で多く行われており、
30日生存は、非コロナの、、、
およそ半分程度。。。

高齢者コロナはねえ、、、、
治るのに時間も要するから、、、
最終的に、廃人に近くなるかもしれん。
だから、、、
撤退、、、もあるわなあ。
日本じゃ滅多にないけど。。。
ま、
なんだかんだ、、、、
人類の歴史上、相当なレベルのウイルスなんですな。




Sepsis hospitalization and risk of subsequent cardiovascular events in adults: a population-based matched cohort study

Sepsisを生き残った、
という既往症。
それが長期の心臓血管イベントと関連するか。

元々、心臓血管がある人は除外。

primary composite outcomeは、
MI、 stroke, 心臓血管死亡。5年Follow。

254,241 名のSepsis生存者。
マッチングの非Sepsisと比較。

で、
Sepsis既往は、
心臓血管イベントを増加。
(HR 1.30; 95% CI 1.27–1.32),

コレは、若年層ほど顕著。
40歳以下 (HR 1.66; 95% CI 1.36–2.02 )
80歳以上 HR 1.21; 95% CI 1.18–1.24

静脈血栓も増えた。
(HR 1.61; 95% CI 1.55–1.67)

全死亡も増えた。
(HR 1.26; 95% CI 1.25–1.27).

一難さって、なんでしょうな。
戻る組織もあれば、戻らんものもある。。。
コロナもそうだけど、
Long Sepsisとでもいうんかね?




Factors associated with acute mesenteric ischemia among critically ill ventilated patients with shock: a post hoc analysis of the NUTRIREA2 trial

何でもかんでもAMIじゃ困るけど、
急性腸管虚血、のAMI。
Acute mesenteric ischemia (AMI) 。

ま、
レア、、、ですけど、
起きると、中々助かるイメージがつかん。。。

リスク因子もイマイチハッキリせず。
経管栄養、は、
特にShock状態の患者でリスクとなるかも。

post hoc NUTRIREA-2 trial。
2410 のShock、人工呼吸、ICU患者。
経管栄養か、静脈栄養かがランダム。

2410 patients。
経管栄養 1202
静脈栄養 1208 。

年齢  67 [58–76] years, 67% 男子。
SAPS II score 59 [46–74]‼︎
内科的ICU 92.7%.

AMI は、
24 (1%) patients, で見られた。
診断は、CTがメイン(79%)
次いで内視鏡 (38%)。

機序は、
non-occlusive mesenteric ischemia(NOMI) (n = 12),
occlusive (n = 4),
不明 (n = 8).

リクルートから発症までは、
4 [1–11] days.

発生患者は、
高齢、
入室時の高い SAPS II score
高いLac、
高いCr、
低いHb、
で、
経管栄養頻度が高い、
DoB使用、
リクルート時透析、
バクテレミア起こす、
死亡が高い。

多変量解析で、
AMIは、、、、
経管栄養、DoB、 SAPS II score ≥ 62 、Hb≤ 10.9 g/dL.
と、有意に関連あり。

んー、
Shockみたいな状態で、
DoBは、腸管血流増やすから、
コレは、使用自体じゃなくて、
必要とするくらいLow Outputな患者っていう意味合いかね、
で、重症で、貧血があると、
経管栄養で、、、、、
AMIが増えるかもしれんと。
ま、
あれだ、
Shock状態はねえ、
筋肉、皮膚、腎臓、その次位に腸管の血流を減らす。
そこへ、腸管血流を必要とする様な経管栄養は、
時間を置いてから慎重にしなさいってことやね。
昔は、
何でもかんでも、
早期の経管栄養だったのから考えると、
色々変わったねえ。




Survival benefit of extracorporeal membrane oxygenation in severe COVID-19: a multi-centre-matched cohort study

コロナに対するECMO。
初期ほど、、、、予後がいい報告が多い、
という曰く付き、、、、ですけどね。

1363 patients。
243名で、 ECMO。

んで、 209 matches。
死亡は、、、、
OR 0.44 (95% CI 0.29–0.68, p < 0.001)
死亡率低下は、 18.2% (44% vs 25.8%, p < 0.001)

うーん、
有効なケースもあるんでしょうなあ。



Melatonin in ICU delirium: shining light on the hormone of darkness

メラトニンのEditorial。
メラトニンって、
夜間に、暗闇によって、産生刺激。
明るいと出ない。
ま、ICUみたいなとこにはピッタリだと思ってましたわ。

ただ、、、
まだ、数個、現在進行形のメラトニンStudyがあるとのこと。
ま、、、
あんま期待せずに待ちましょう。。。。


おしまい。