BrJA4月。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

はい、基本、来週ね。


Hypotension during propofol sedation for colonoscopy: a retrospective exploratory analysis and meta-analysis

オペ室以外で、Propofol使う。
麻酔科医ほど、、、、
多分、嫌がる、と思う。
知ってる人ほど、怖さがわかるから。

今回は、大腸内視鏡中のPropofol。
、、、、
鎮静、要らんでしょ⁈

あ、、、、
でも、想定とちょっと違う。。。
呼吸系のトラブルの話かと思ったら、
手技中の低血圧の話?
ま、
手術中の低血圧=悪、の
方程式を、作りたがってるからねえ。。。

5Trial、939名。
で、36% の患者で、手技中の低血圧エピソード。

低血圧の期間、重症度が高いと、関連するのは、
Propofol使用の量が多い、時間が長い、だった。

個別の血圧結果がある 380 patientsで、
107 (28%) で、収縮器血圧90以下、5分以上、が起きた。
89 (23%) で、10分以上の低血圧があった。

18 RCTs の検討で、
Propofolはエトミデートより低血圧になりやすい。
2 studies; n=260; [RR] 2.0 [95% CI 1.37–2.92]; P=0.0003),

remimazolamより起きやすい。
1 study; n=384; RR 2.15 [1.61–2.87]; P=0.0001

midazolamより起きやすい。
(14 studies; n=2218; RR 1.46 [1.18–1.79]; P=0.0004),

ベンゾ系よりも。
15 studies; n=2602; 1.67 [1.41–1.98]; P<0.00001).

ただ、、、、デクスメデトミジン、デックスですなあ、そっちのがPropofolより起きやすいの⁈
1 study; n=60; RR 0.24 [0.09–0.62]; P=0.003).

むう。
ま、、、、
無鎮静でできるやつはすりゃあ良いと思うんすけどねえ?
検査だけなら、ま、ちょっとした処置でも、
下部のが、痛みないっしょ?





Intraoperative prediction of postanaesthesia care unit hypotension

術中に、術後リカバリーでの低血圧予測?
オペレーターがあの人とか、
麻酔科医があいつとか、、、、
じゃない因子ね。

88 446 patients。
で、
このモデルで、
17 029 patientsの低血圧を予期した。
[AUROC] 0.82 [95% {CI}: 0.81–0.83]

えーこのデータを元に、
抽出した192名で行うと、
麻酔科医のパフォーマンスが、上昇、
低血圧が減った。
AUROC 0.67 (95% CI: 0.60–0.73)が、 0.74 (95% CI: 0.68–0.79) へ。

信頼性は増し、
リカバリーへの申し送り、予期せぬリカバリー低血圧への注意、が増した。
ただ、
臨床的な判断と、モデルが異なる時、
疑われることもあった。

ま、
よわからんけど、
予期モデル系は、
今後の医学教育の主流となるかもですね。




Preoperative anaemia and outcome after elective cardiac surgery: a Dutch national registry analysis

定常心臓手術と術前貧血。
ま、、、
よくある話ですが。
多くはレトロなんですって。

35 484 patients。
6802 (19.2%) が貧血。

120日死亡は、貧血があると高い。
[aOR] 1.7; 95% [CI]: 1.4–1.9; P<0.001

貧血の重症度が上がるほど死亡は高い。
mild anaemia aOR 1.6; 95% CI: 1.3–1.9; P<0.001;
moderate-to-severe anaemia aOR 1.8; 95% CI: 1.4–2.4; P<0.001

貧血があると、
輸血が増え、
術後の合併症も多かった。
AKI、肺炎、MIなどが上がっていた。

ま、、、、
僕はちょくちょく言うんですけど、
貧血外来を作りゃあいいんだよね。
オペするしない関わらずねえ、
貧血は、治るものも多い。
貧血全般を見る外来が一つあれば、
結構いいと思うんすよねえ⁈
元手が、取れないからやらんのかなあ?




Impact of intravenous and topical lidocaine on clinical outcomes in patients receiving propofol for gastrointestinal endoscopic procedures: a meta-analysis of randomised controlled trials

内視鏡検査を受ける人のPropoはどうかなあ、
と思うけど。
それとリドカイン、静脈、局所?

primary outcomeは、Propo量、
secondary outcomesは、
手技時間、回復時間、副作用、後疼痛、満足度。

12 trials (1707 patients) 。
i.v. (n=7)、局所 (n=5)。

で、
術後痛は減る。
[SMD]=-0.47, 95% [CI]: -0.8 to -0.14
gag events減る。
[RR]=0.51, 95% CI: 0.35–0.75
意思のない動き減る。
RR=0.4, 95% CI: 0.16–0.96

Propoの量を減らせるのは、IVだけ。
SMD=-0.83, 95% CI: -1.19 to -0.47

術者の満足度は上がる。
SMD=0.75, 95% CI: 0.21–1.29
回復が早い。
SMD=-0.83, 95% CI: -1.45 to -0.21
低酸素発生イベントは変わらず。
RR=0.72, 95% CI: 0.41–1.24
低血圧変わらず。
RR=0.6, 95% CI: 0.22–1.65
手技時間変わらず。
SMD=0.21, 95% CI: -0.09 to 0.51

んー。
Propoは怖いと思うけどねえ。
でも、
どうしてもPropo使いたいなら、
Lidocaineを併用した方がよさそうですね。




Efficacy and safety of perioperative vitamin C in patients undergoing noncardiac surgery: a systematic review and meta-analysis of randomised trials

非心臓手術で、VitC⁈
あんま見ないデザインだけど、メタ解析できるくらいあるんだね。
そっちが驚きだよ。
ま、
抗酸化作用期待。
臓器障害とかの軽減を期待。
、、、、非心臓手術で、臓器障害、
そんな起きないと思うんすけどねえ。。。

37 RCT‼︎ 多いね。
2747 patients。一個80名弱、換算だね。

で、
VitCで、
入院期間は変わらず。
difference=0.02 day; 95% [CI], –0.30 to 0.35; P=0.88

死亡は変わらず。
RR 1.04; 95% CI, 0.52 to 2.08; P=0.5

合併症、変わらず。

ただ、
術後の疼痛スコアが軽減と。
術後48時間モルヒネも少ないと。
ま、、、、微々たるですが。

副作用は、
3 RCTs (n=157), で起き、
10 RCTs (n=957), では起きず、
25 RCTs (n=1570).では記載無し。

この内、腎移植患者20名のTrialは、リスク回避で、20名で中断したと。。

Studyの質、としては、Mod〜、Very Lowまでと。

んー、
まあ、、、非心臓手術で、とかはねえ、
ないかなあ〜。
ま、食道とか、肝移植レベルの侵襲なら、わからんけど。




Midazolam exhibits antitumour and anti-inflammatory effects in a mouse model of pancreatic ductal adenocarcinoma

マウス。膵癌。
Modazoで、
炎症と、腫瘍増殖の抑制効果が、、、
あるかもと言う。
ま、、、
この分野は頑張ってとしかいえん。
もし、、、、
結果が出れば使いますから、、、
頑張ってみてね。



Intrathecal morphine does not prevent chronic postsurgical pain after elective Caesarean delivery: a randomised controlled trial

Spinalにモルヒネ。
結構入れるんすよねえ。
カイザーの時とか、ね。
僕は、外人に、なんでこの患者にモルヒネ使うの⁈って聞いたら、
俺の給料が上がるからだ〜、
って言われたことがあった。
僕は入れません。
別に、給料と関係がないからじゃない。
やっぱ、副作用とかの天秤に合わないよねえ。

今回は、術後慢性痛の抑制。
290 名。
モルヒネ 100 μg (n=145)
生食 (control; n=145)
を、局所麻酔と同時に投与。

primary outcome は、
3ヶ月後慢性痛。
Secondary outcomesで、6ヶ月、疼痛レベル、など。

276名のデータ。 139と、 137 。
で、
3ヶ月後慢性痛は、
19% (27/ 139) vs 18% (25/ 137)
OR, 1.08; 95%CI, 0.59–1.97; P=0.803

6ヶ月では、
23/ 139 (16%)vs 19/ 137 (14%)
OR, 1.23; 95%CI, 0.63–2.38; P=0.536

疼痛レベルとかは差はない。

ん。
僕は入れんぞお。




Effect of opioids on cancer survival in patients with chronic pain: a propensity score-matched population-based cohort study

慢性痛患者の、麻薬と癌。
癌の診断前に、
慢性痛で麻薬使ってると、って話。
慢性痛だけど麻薬使ってない人との予後比較。

マッチング。
1716 patients 。(286と、Control 1430 。)

長期生存は、
麻薬使用者で低下。
HR 3.53 (95%CI: 3.03–4.11; P<0.001).
結構な数字ですな。。。

んー、、、、
まあ、
慢性痛で、麻薬使ってるとねえ、
色々、障害出ますわなあ。
でもまあ、、、我慢せえ、というのもアレだしねえ。
難しいすな
もっといい薬があればねえ、、、
後は、麻薬までの期間を延ばすことかねえ。




Evaluation of intraoperative ketamine on the prevention of severe rebound pain upon cessation of peripheral nerve block: a prospective randomised, double-blind, placebo-controlled study

神経ブロック後疼痛とケタミン⁈

へえ、ケタミンに、
anti-hyperalgesic dose 、なんてもんがあるんすか。。
知らんかたわ。
ま、
神経ブロックするけど、切れたら痛い。
ケタミンうっときゃすこしはいいのかねえ、って話ですわな。

上肢で、腋窩の神経ブロック。
で、
ketamine (0.3 mg/kg)か、プラセボ。

109 名。
この内、 40.4% で、リバウンドペインが起きた。
で、、、、
ケタミン。
なーんにも変わらず。

リバウンドしやすいのは、
骨の手術、[OR]=5.2; [CI], 1.9–14.6),
術前痛み強い(OR=4.2; CI, 1.5–11.7),
など。

30日痛も、
ケタミンでは関係なく、
リバウンドがあった場合に強かった。

立派な名前だけど、、、、
ケタミンに効果無し。



Sugammadex compared with neostigmine in reducing postoperative pulmonary complications in older patients: a meta-analysis

高齢者での、スガマデックス、ワゴス。
Major手術後の
肺合併症の頻度は、1% to 23%.
ま、、、
この時点で、
曖昧なモノなのが伝わりますよね。
定義が曖昧。

最近の前向き観察だと、
4.1%, 5.4%, 5.5%, 7.6%、程度の数字。
術後肺炎だと、1.7%, 2.5%, 2.9%、程度の数字。

マジ微妙なんす。
こういう中で、スガマとワゴスの比較もねえ。。。
でもまあ、、、
スガマは、辞められないっス。
一度使っちゃうと、全く、違うからねえ、キレが