BrJA1月。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

1月は、どの雑誌も、あんま刺激的なものがないっすな。。。。

今週末は、お休みなんです。
これで締めましょう。


Critical care usage after major gastrointestinal and liver surgery: a prospective, multicentre observational study


Background
よく言われる、術後Icu?
何の意味があんじゃい?系でしょうかね。
術後管理など、どこでやっても一緒やと。
腹部大手術での検討。

Methods
『 DISCOVER study』、の二次解析ですって。
胃と肝臓手術患者。
primary outcome は、30日死亡。
Icu入室(予定、予定外)との関連。

Results
4529 patients。
37.8% (n=1713)が、予定Icu入室。
3.1% (n=86/2816)は、病棟に帰った後、Icuへ予定外入室。

30日死亡は、 2.9% (n=133/4519)。

予定外Icu患者は、死亡が増加した。
OR 8.65, 95% (CI): 3.51–19.97

予定Icu患者でも死亡は増加していた。
OR: 2.32, 95% CI: 1.43–3.85

26.7% (n=1210/4529) は緊急手術を受けていた。
49.3% (95% CI: 46.8–51.9%, P ;0.001) は、
予定Icu入室となっていた。

Conclusions
ま、、、、一言で言えば、Icuに入室すると死亡率が上がる。予定外ほど上がる。
ま、、、、そりゃ、Icu入る方が合併症も多いけん。予定外なら、尚更なんかあったんでしょう。
でも、因子調整後も、差がない、って。
ま、つまり、少なくとも、いいことはない?
逆を言えば、調整つきずらい因子をうまくChoiseして入室させた凄い人がいる?
ま、、、なんだ、、、
重症すぎりゃ、何しても変わらんだろう。
中等度〜の人は、もしかしたら、有効な場合もあるかも?
軽症は、、、、無駄遣い?
あと、緊急開腹手術は、半分でIcu入れることが前提になってる、ってな、、、
ま、、世界共通なんすね。



Delirium detection using relative delta power based on 1-minute single-channel EEG: a multicentre study


Background
せん妄の診断は、実は難しい。
で、脳波計。
で、
せん妄の時、ゆっくりした波形 ( 4 Hz以下) が、診断精度を上げれるかも。

Methods
術後の、 60歳以上 (n=159)。
術前、術後3日間、
5分間の脳波測定を行う。

Relative delta power (1–4 Hz) は、1分のアーチファクト無し脳波から、診断。

Results
84 (23.3%) が、せん妄、せん妄疑い。
276 (76.7%) が、せん妄無し。

relative EEG delta の
ROCは、0.75 [95% (CI) 0.69–0.82]

予備調査で、
relative power を、1 to 6 Hz にすると、
ROC は、0.78, 95% CI 0.72–0.84, P=0.014
で、
これでもオケ。

Conclusions
ふうん。
脳波、しかも、5分間程度の単波形でねえ、、、
結構な診断精度だねえ。
下手な診断ツールより、いいかも?



Using the 6-minute walk test to predict disability-free survival after major surgery


Background
6分歩行テストは、機能の評価に使われる。
大手術後の障害なく生存することを予期できるか。

Methods
術前6分歩行距離と、
30日回復、12ヶ月スコア。

Results
567 名の6分歩行検査。

12ヶ月後、
16 (2.9%) patientsが死亡。
444 (77%) が、障害なく生存した。

6分歩行距離は、
30日死亡と弱く相関した。
(ρ=0.14; P=0.001)

12カ月障害スコアと相関した。
(ρ=–0.23; P 0.0005)

6分歩行距離は、
3.13 [95% (CI): 1.54–6.35]で、
障害スコアが、変わった。

障害ない生存は、
6分歩行距離 0.63 (95% CI: 0.57–0.70)
cardiopulmonary-exercise-testing-derived peak oxygen consumption 0.60 (95% CI: 0.53–0.67)
DASI score 0.70 (95% CI: 0.64–0.76)

Conclusions
ふうん。
手軽な割に、それなりに良きができる6分歩行距離。どの距離、ってのは、もう少し検討がいるが、歩けない人は、オペしても、QOLは低いまま。
オペする価値が、、、、、
って、なくてもするのが日本の現状。
ま、、、仕方なかろう。



Non-opioid analgesic modes of pain management are associated with reduced postoperative complications and resource utilisation: a retrospective study of obstructive sleep apnoea patients undergoing elective joint arthroplasty


Background
時代は、脱麻薬。
代わりに、色んな種類の鎮痛剤を併用する。
特にSAS患者では、有効であろう、と思われる。

Methods
レトロ。
SASで、定時、足の関節手術患者。

Multimodal analgesia は、
麻薬の他に、他の手段を、1、2、それ以上、使うこと。
Nsaids、Cox2、アセトアミノフェン、末梢神経ブロック、ステロイド、ガバペンチン、ケタミン。

Primaryは、モルヒネ使用量。
Secondary は、麻薬副作用、SAS合併症。

Results
181182 名のSAS患者。
88.5% (n = 160299) が、multimodal analgesia を受け、近年ほど増えてた。

術後合併症は、
プラスの鎮痛方が増えるほど減った。

2種類以上が足された患者 (n = 64 174)では、
麻薬使用が 14.9% (CI −17.0%; −12.7%),下がった。

消化管合併症低下
OR 0.65, CI 0.53;0.78
呼吸系合併症低下
OR 0.23, CI 0.16; 0.32
Icu入室低下
OR 0.60, CI 0.48; 0.75
だって。

Conclusions
ってこと。
当然ですが、、、
SAS患者の鎮痛は、麻薬以外の道を積極的に探すべし、と。