AERDとは、なんぞ⁈ | 犬好き麻酔科医ブログ

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気にしない人も多いけど、
ASAによる呼吸器症状は結構あるんすな。


Aspirin-Exacerbated Respiratory Disease
REVIEW ARTICLE


Aspirin-Exacerbated Respiratory Disease
で、頭文字とって、
AERD。
特徴は、
鼻腔粘膜の腫脹、ポリープ形成、喘息、です。
他のNsaidsでも起きうると。

Clinical Pearls
反応としては、
upper airways (鼻腔閉塞、鼻水、くしゃみ)が多い。
lower airways (喉頭痙攣、咳、喘息)のが少ない。
消化管症状(腹痛、嘔吐)がまれに起きる。
皮膚症状(発赤、蕁麻疹)もまれに起きる。
下二つは単独では先ず起きず、上気道症状を伴う。

ほとんどの人は、アルコールを飲めない‼︎
飲むと上気道、下気道症状が強く出るんだって‼︎、知らんかったわ。
その機序は不明、なんだって。

AERDの症状が続く場合、
絶え間ない鼻水、鼻閉塞、無嗅覚、そして喘息、が起きる。
検査では、ポリープと、鼻腔炎が、画像所見として得られる。

Clinical Pearl
Is AERD due to underlying allergic disease?

AERD は、後天性のもの。
小児後期〜大人期のいつでも起きうる。
多いのは30歳周辺らしい。
その患者の2/3に、アトピー性皮膚炎の既往があるが、1/3は、なんのアレルギーの既往もないらしい。
よって、
特定のアレルギーと、関連があるとは思われていない。


Morning Report Questions
Q. How common is AERD and how is it diagnosed?
A.
AERD は、まれな病気ではない。
USAでは、1900万人の喘息患者のうち、
140万人がAERDだとされておる。7.2% 。

ASAチャレンジ、
飲ませて、呼吸機能の変化などをみる、ってのが一般的な診断法となった。
(経鼻、吸入、などの方法もできてきたらしい。)

Nsaids使用後、呼吸の変化を感じた患者の80%以上は、陽性になるらしい。
後は鼻腔のCT。

Q. How is AERD managed?
A.
AERD は、喘息と慢性副鼻腔炎のガイドラインに沿って投薬治療される。
多くのAERD患者は、難治性。
で、ASAを毎日飲む、感作療法みたいなことをされるってさ。
簡単に。。。
ASA Low Dose(40.5 mg) から開始。
だんだん、1〜3日おきに量を増やす。
薬による反応が軽くなるまで、、、続ける。。
最後は、325〜650mg✖️2まで増えるって。。。
後は、ポリープの除去手術とか。
感作を保ちつつ、48時間は休薬できるんだって。
ASA中は、他のNsaids、Cox1は、避けるようにするんだって。

ふーん。
喘息、治らんなあ、とか、
思い当たる節がある場合は、このAERD、って病気の可能性があるわけっすな。
まだ、そんなに有名じゃないから、専門医の選択はご注意を。