AA 6月。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

行ける時に行きますけんね。


Is Compliance With Surgical Care Improvement Project Cardiac (SCIP-Card-2) Measures for Perioperative β-Blockers Associated With Reduced Incidence of Mortality and Cardiovascular-Related Critical Quality Indicators After Noncardiac Surgery?

非心臓手術。β遮断。
良きあり話。
元々のβは、Continueがもはや常識。
レトロで、現状を。

6年ほどで、410,288 手術症例。
β遮断を中断されていた患者を、マッチングして予後比較、ってデザイン。
で、
66,755 (16%) casesがβ遮断を投与されてた。
中断されたのは、 3829 (6%) 名。
続行が、 62,926 (94%)名。
最終的に、マッチングして、19145名。

結果は、中断により、
術後48時間で、、、
死亡率の増加。
[OR], 3.61; 95% [CI], 1.75–7.35; P = .0003

一方、
血管収縮剤の必要度は減る。
OR, 0.84; 95% CI, 0.76–0.92; P = .0003

リカバリー室滞在も短くなるって。
OR, 0.69; 95% CI, 0.54–0.88; P = .004

へー。
死亡がー3倍。。。
だけど、早くリカバリーは退室してる、、、って。サイレントキラーですなぁ。
ま、来るときは突然ですけん。ー
不思議だけど、な、わかる気も、、m
しないでもない、、、くらいか。ーー




Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Serotonin–Norepinephrine Reuptake Inhibitors Are Not Associated With Bleeding or Transfusion in Cardiac Surgical Patients

気にしたこと、、、、なかったよ。。。
Selective serotonin reuptake inhibitor (SSRI)
serotonin–norepinephrine reuptake inhibitor (SNRI)
って、血小板機能を抑制するかも、って言われてたのね⁈
で、
心臓手術患者で、マッチングして比較。
Outcomeは、輸血、出血、リオペ。など。

1417 ペア。
術後出血に、差はない。
(750.0 vs 750.0 mL; P = .860)
リオペに、差はない。
(2.8% vs 2.5%; P = .892).

輸血頻度にも差はない。
66.5% vs 64.9% ( P = .697).

一方、
人工呼吸が長くなる人は増えた。
(13.1% vs 8.6%; P = .002)

Icu滞在時間も増えた。
(25.5 vs 23.8 hours; P < .001)

入院期間も増えた。
( 6.0 vs 5.0 days; P < .001).
十分、、、短いけど。。。

他は差はない。
ま。。。
差はでんよ、そんなもんで。。。
よく調べたね。
人工呼吸とか、入院期間もはねえ、
飲んでる人はねえ、、、
ま、あれやけん。
それ自体がバイアスだけん。考えんでよか。



途中、、、、
ERAS。術後早期回復プログラムの論文がヅラっと。あんま、、、いや、興味はあるけど、そこまでではないんだよねえ。
誰かがまとめてくれれば読むけど、くらい、なんで省きます・^_^



A Prospective International Multicentre Cohort Study of Intraoperative Heart Rate and Systolic Blood Pressure and Myocardial Injury After Noncardiac Surgery: Results of the VISION Study

非心臓手術時の低血圧と、術後の心筋障害は、ここんとこ、話題になりますねえ。
perioperative myocardial injury (PMI)、
だけど、MIは、心筋障害で、心筋梗塞(Infarction)の方じゃないけん、注意してね。

ただ、脈と血圧にも関連があるわけで、この辺の情報は少ない。
そこで、脈、血圧、
myocardial injury after noncardiac surgery (MINS).、
はい、またよくでてくるWordなんで整理。
周術期の心筋障害っすよ。非心臓のね。
これの比較。

『 Vascular Events in Noncardiac Surgery Cohort Evaluation (VISION) study』、
の再解析。ー
MINS, は、術後30日以内のTropT上昇。

条件は、
術中 HR が、100以上、55以下、
収縮期圧が、160以上、100以下。

MINSは、1197 /15,109 patients (7.9%)
に発生。

心筋梗塞, は、454 / 16,031 (2.8%)

死亡は、315 / 16,061 patients (2.0%)

術中の脈100以上は、
MINSを増加。
[OR], 1.27 [1.07–1.50]; P < .01),
心筋梗塞を増加。
OR, 1.34 [1.05–1.70]; P = .02),
死亡を増加。ー
OR, 2.65 [2.06–3.41]; P < .01
させた。

収縮期圧100以下は、
MINSを増加。
OR, 1.21 [1.05–1.39]; P = .01
死亡を増加。
OR, 1.81 [1.39–2.37]; P < .01
心臓梗塞はかわらず。
OR, 1.21 [0.98–1.49]; P = .07

収縮期圧160以上は、
MINSを増加。
OR, 1.16 [1.01–1.34]; P = .04
心筋梗塞も増加。
OR, 1.34 [1.09–1.64]; P = .01
何故か、死亡は減らしていた‼︎ー
OR, 0.76 [0.58–0.99]; P = .04

脈55以下は、
MINSを減らした。ー
OR, 0.70 [0.59–0.82]; P < .01ー
心筋梗塞を減らした。
OR, 0.75 [0.58–0.97]; P = .03),
死亡を減らした。
OR, 0.58 [0.41–0.81]; P < .01

収縮期圧100以下、脈100以上はより悪い。ー
MINS (OR, 1.42 [1.15–1.76]; P < .01)
単独の収縮期圧100以下が、
(OR, 1.20 [1.03–1.40]; P = .02).、
こんなもんだけん。

ま、所詮、、mなんですがね。
ま、血圧下げるな。脈あげるな、
ってのがまあ、昔から流行りではあるけん。
何故か、血圧高いと、心筋梗塞が増えて、死亡が減る、、、、けど。ま、そういうとこがね、、、レトロっぽいんかな。
特に心臓悪い人は、血圧下げんな、は鉄則。できれば脈も下げる、と。
β遮断中断患者は、血圧上がって、死亡が増えてたが、、、どれともマッチせんな。
ま、そんなもんさね、個々人できをつけなっし。



Hydroxyethyl Starch 130/0.4 and Its Impact on Perioperative Outcome: A Propensity Score Matched Controlled Observation Study


Hesのレトロ。
術中使用で、術後の合併症は増えてなかった、って。
ふーん、
での、その製剤、のう、無くなるよ?
数年でね‼︎



Modifiable and Nonmodifiable Factors Associated With Perioperative Failure of Extraglottic Airway Devices

上気道グッズでの全身麻酔。
失敗は、3タイプ。
(1) “EGA placement failure,”
(2) “EGA failure before procedure start,”
(3) “EGA failure after procedure start.”
入れるのが失敗、オペ開始前に失敗、オペ後に失敗、の3つだって。

19,693 cases。
全体で、 383 (1.9%) の失敗例。
最も多いのが、
placement failure で、222 (1.13%) 。
before procedure start は、76 (0.39%) 。
after procedure start は、85 (0.43%)。

原因は、
(1) EGA placement failureでは、
desflurane OR, 1.67; 95% [CI], 1.23–2.25
size 4 or 5 vs 2 or 3 (OR, 0.07; 95% CI, 0.05–0.10)

(2) EGA failure before procedure startでは、
desflurane (OR, 2.05; 95% CI, 1.23–3.40)
3 or more placement attempts (OR, 4.69; 95% CI, 2.57–8.56);

(3) EGA failure after procedure startでは、
3 or more placement attempts (OR, 2.06; 95% CI, 1.02–4.16)
increasing anesthesia time (OR, 1.35; 95% CI, 1.17–1.55).
だった。

僕はめっきり、安全なオペしか、使わなくなったけど、、、。
マニアは、何にでも使う。
ま、、、せめてこういうことは知ってるんでしょうな、そういう人は⁈





Prophylactic Norepinephrine Infusion for Preventing Hypotension During Spinal Anesthesia for Cesarean Delivery

帝王切開の麻酔なんて、10年近くやってないけど、、、、。
当時から、ノルアドの持続を使って管理してたなあ。。。
って事で、カイザー麻酔と、ノルアド持続。
ノルアド持続で、低血圧頻度が減りますよ、というデータ。
そりゃそうだ。
そしておそらくそれが一番いいはず。
と、少なくとも僕は思ってきてますが、、、。
一応頻度が17%と66%か、低血圧の。
ね?
使いたくなったでしょ?
でも、カイザーに関わらず、全部だけどね?





The Effect of Prophylactic Phenylephrine and Ephedrine Infusions on Umbilical Artery Blood pH in Women With Preeclampsia Undergoing Cesarean Delivery With Spinal Anesthesia: A Randomized, Double-Blind Trial


元気な妊婦のカイザーでは、
エフェドリンより、フェニレフリンが、臍帯血のデータがいいことがわかってる。
(ノルアドのが多分、より良いと思うが、、、)
じゃ、そうじゃない妊婦は?

phenylephrine:ephedrine ratio for umbilical artery pH は、1.002 (95% confidence interval [CI], 0.997–1.007).
Mean umbilical artery pH に、差はなあい。
7.20 [0.10] 🆚 7.22 [0.07] (mean difference −0.02, 95% CI −0.06 to 0.07; P = .38).
Median umbilical artery base excess は、−3.4 mEq/L (−5.7 to −2.0 mEq/L) 🆚 −2.8 mEq/L (−4.6 to −2.2mEq/L)
(difference −0.6 mEq/L, 95% CI of the difference −1.6 to 0.3 mEq/L; P = .10).
ま、
一言で言えば、差はなかったです、と。
だよねー。
併用か、ノルアドが、一番生理的だと思うよー。ま、もうやる機会はない気もするけど。。。