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Impact of Perioperative Epidural placement on Postdischarge Opioid Use in Patients Undergoing Abdominal Surgery


まず、結果。
開腹手術に、Epidura(硬膜外麻酔)使用するしないで、
30日後の麻薬処方量に差はなかった。

そんだけ、です。

海外はね、ドンドンシンプル。
Epiduraするには、抗凝固ができなくなるけど、
DVT予防に、抗凝固は、高頻度に用いられる。
だから、抗凝固あいて、Epiduraしない。
痛みは、アセトアミノフェンと、麻薬で取りましょう、と。
特に、PCAが発達してるからねえ。

日本はね、ある意味シンプル。
術前抗凝固は、未発達だからしない。
DVT予防の概念は遅れ、日本人は、DVT作りづらい、
なんて、全く間違った情報で自分を騙す。
だから、全例Epidura入れ放題。
Epiduraすると、時に尿閉が起きるから、
尿カテーテルも、入れなくちゃ、って。
ドンドン、身体にくっつくものが増える。
血圧も下がりやすいから、昇圧剤もついちゃったりして、、、。
なにやってんだか、、、。

ただ、術早期の痛みは当然、Epiduraあった方が緩和される事が多い。
ただ、それだけ、ではあるが。。
予後が改善されるのは、AAAクラスの大手術のみ、とされる。
上腹部手術は、痛みが強いから、
呼吸しづらくなることもあろう、ってね。

余談ですが、
昔の武士ですら、Awakeの状態では、
腹を縦には切って切腹出来んかったらしい。
最高の武士の切腹で、
横に3回、とされてるからね。(武市半平太)
縦切りで、痛み止めなかったら、武士ですら耐えられんわい、と。

そう考えると、
Epiduraが、、、というか、
他の鎮痛方が、進歩したんだと思うよー。
でもね、
Epidura信奉が日本にはあるんでね、、、
何でもかんでもEpidura入れてくれ、、、と。
これじゃあ、海外にはいつになったら追いつくんじゃい、、、と。

でもね、
日本の麻酔科医は、Remifentaという、超短時間鎮痛剤によって、
おバカ化しつつあり、
長期の鎮痛ができない人が増えてきている、、
そうするとやっぱり、Epidura無しだと厳しいんか?

術後見る人の質が、、、とか思ってたけど、
術中の麻酔科医の質も、、、ねえ。。
うーん、
先は長いぜえ、、。
変わらないといかんのだろうが、
突破口が、、、見当たらない。。。